「野木亜紀子、恐るべし❗️」ラストマイル かぼさんの映画レビュー(感想・評価)
野木亜紀子、恐るべし❗️
ドラマ「MIU404」は、ちょっと観た程度だが「アンナチュラル」は全話観てて、今でもたまに観直す感じ。
特に最終2話は、何回観たか分からない。
「アンナチュラル」で脚本家野木亜紀子氏を知り、少し調べたりTwitterとかチェックしたのだが、野木氏の創作時リサーチ量に感心したりしました。
本作は、外資系ショッピングサイトの巨大配送センターを舞台に、連続爆破事件の真相に迫る物語ですが、まず何で流通の闇をモチーフにしたのか、働き方改革でMIU404を始めたのをキッカケに、その場当たり的な制度から色んな歪みが現れ、運送業務の2024年問題とかが野木氏の興味に触れたのかなぁとか思い、そのリサーチを経て物語を紡ぐ仕事に感嘆しました。
ファクトをフィクションに織り上げる仕事は本当に絶妙で、この方の書く説明セリフは、自然な上に非常に簡潔で省略も上手く心地良く情報を伝えつつ、細かい積み重ねで物語に誘導して、観ていて全ては野木氏の掌の上で転がされている様な感覚は、凄い脚本家だと改めて思いました。
そこに上記のドラマ2作のキャラが同じ世界線で散りばめられてて、ドラマを観てた人にはあの世界に帰って来た感覚も得られるご褒美までついてます。
ドラマを観てない方々には、豪華なキャストがノイズにならなければ良いなあとか思いましたけど。
演出としては、主演の満島ひかりさんがある理由で少しサイコパスを感じさせる程、仕事を推し進めるキャラで事件を経た後、結末での変化が少し鈍いのでカタルシスが弱い様に感じました。
阿部サダヲ演じる羊急便局長との直接対面での涙目とか凄く熱演してるのだから、最後の米本部の上司とのやり取りは、もっとキレて欲しかったかなあ。
ノーパソ畳んで例の場所からベルトコンベアに落とせ❗️とか思いました。
1シーズンかけて描かれたそれぞれのキャラと2時間強の映画での初出のキャラが混じるので、ドラマを観ていた人はキャラの人物像や関係性の濃密度に差がある訳で、どうしても映画のキャラ達は、感情移入的に不利な条件の中で満島ひかりさん達、演者方々は大変だったろうなあとか感じました。
また、最初の爆発時の室内にあった複数の箱のカットのせいで、犯人の所在が何となく分かってしまったので、その部分は最初細かく見せなくても、とかも思いました。
日野氏と宇野氏のWショウヘイ親子と安藤玉恵氏のシングルマザーのシークエンスは少しテンポが変わり、無駄な様だけど、きっと野木氏はなんか仕掛けてるんだろうなあと思ってましたが、
まさか洗濯機で泣かされるとは❗️
映画館だから何とか涙目で耐えましたが、家で観てたら号泣でしたヤバかった。野木亜紀子にやられた感が半端なかったです。
と、ここまでがザッと初見での感想。
以下、おかわり後の感想。
おかわりの目的の一つは、気が付かなかったキャストの確認で、
アンナチュラル第7話の彼とかMIU第3話の彼とか、おおっホンマや〜となりましたが、まだまだ隠しキャラがありそうで、後は配信とかで良いかと心折れました。
やはりよく出来た脚本だなぁと思いながら鑑賞しましたが、2周目は当然謎の部分やミスリードに引っかかる訳ないので、割と冷静に台詞を噛みしめながら観る事となり、中でもWショウヘイ親子の日野氏の労働に対する矜持とか、宇野氏のそれに対する報われなさの嘆きが、初見より心に響きました。
幸福を目指してる筈の巨大社会システム維持の為に起こる様々な理不尽な事や弱者救済のフリをした改悪制度などの不条理な世界で、個人の矜持を秘めた小さな戦い(生きる事)を続ける人々に対するアンセムの様な映画だと思います。
日々の仕事における理不尽、各々の矜持の差異に苛立つジレンマ等を感じてる方にオススメします。
まとまりの無い長文失礼しました。
かぼさんすっごく響くレビューでした!
アンナチュラル♪夢ならば〜♪かかるだけで泣けます。
MIU404のBGM(言葉で表記しすらい汗)もイケイケ〜!ってテンション上がります↑
ほんとですよね。ドラマでファンが多い作品の登場人物達と初出し2時間の人々が混ざり合って。。でも決して不利じゃなかった!ひかりちゃんも岡田くんも演者としてお見事でしたし、キャラも魅力的でしたね。
おお!パソコンぶち落として欲しかったですね!
改めて野木さんてすごい!
テーマは深刻で、鋭く切り込んだ作品でしたが、全てのシーンが最高でした。
久しぶりに興奮が続いています。
共感ありがとうございます。
じわじわとやり切れなさが増す作品でした。決死の抗議は瞬間しか届かず、お門違いの事件を引き起こした、とても満足のいく回答ではなかったが呑み込まざるを得ない、今作を観て配達員の方に感謝しよう!というのもお門違いな気がしてしまいます。