劇場公開日 2024年8月23日

「日本を舞台とした他人事でない社会的な問題提起の作品」ラストマイル entranslopeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本を舞台とした他人事でない社会的な問題提起の作品

2024年8月25日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

日本を舞台にした爆発シーンを伴う映画。様々な意味で他人事でない社会的な問題提起を含むストーリー。
事前にアンナチュラルとMIU404の予習をして臨んだが、観ていなくてもこの世界観に入り込むことはできそうだった。

満島ひかり演じる主人公が、ショッピングサイトのロジスティクスセンター長として赴任。
前半部はトラブルが立て続けに発生し、当初は上長や運送会社を相手に一つ一つサバサバとした報告・指示進行をし、外資ホワイトカラー管理者たる者の体現を観ることができた。
ただ、徐々にトラブルが深刻になるにつれ、所々何か裏がある行動も相俟って、サスペンス度合いが増していく。

TVの音量とは全く違い音響も音圧も含め桁違いのため、爆発の予感がする度にかなり緊張が走った。迫力自体は海外の作品の方が凄いのだろうが、切迫感は邦画の本作のほうがかなりのものだった。
一方、謎が解明されたり、爆発を未然に防ぐなどの場面では安堵から一瞬の喜びと疲労感も。

クロージングは、お客様第一の行き着く先に対して僅かな前進に留まっているのは、現実的な落とし所だが、もう少し良い未来を観てみたかったか。
ショッピングサイトの一ユーザとして、配送会社の方々への感謝と目配りは常に持ち続けていようと考えた次第。

entranslope