劇場公開日 2024年8月23日

「良くも悪くもスケールがテレビ的」ラストマイル ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0良くも悪くもスケールがテレビ的

2024年8月24日
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鑑賞方法:映画館

正直テレビドラマはまったく見ないので野木亜紀子という人をそれほど認識して観てることはない。しかしキャストがやたら豪華だ。派手な予告編の割には意外に地味な印象。

たまたま上映前にAmazonプライムのドラマなのか恋愛バラエティなのかよくわからない予告が入っているのは何かのサービスか知らないけれど、Amazon的会社からの配送物が爆発するところからはじまって12個の無差別爆弾の爆発阻止と犯人探しがはじまる。

物流、というのはいいところに目をつけたと思うのだけど、予想より地味だと思ったのは、あのスケールある空間と人とマシンがあんまり活かされてなかったな、と。センター長とその部下と運送会社のトップと、ドライバー、そしてお客様、上から下へ荷物の流れと共にドラマはカットバックされてゆくが、肝心の倉庫内と従業員や捜査員のモブシーンとかやりとりが少ないからか、あまり盛り上がらない。意味不明で更に下手くそな雨のシーンがあるが何か大幅にカットしたのだろうか。

盛り上がらないといえばその豪華さの一端である捜査関係者が豪華関係者であることが顧客第一主義には則ってるけど物語を加速させることはなかった。本来派手さを出すのなら、やはり捜査側(警察とマスコミ)を群れで突っ込めばいいのに、そしてテレビ局映画なのにそうはしないのも不思議だった。

結構カットしてるのか?といま思う。
ドローンをケレン味程度にバンバン使ってテンポ良く見せるが、やはり爆発と爆発物サスペンス的な見せ方、特に中盤とクライマックスが弱いのか(未遂のシーン)

それと、犯人が、その巨大物流組織への復讐だったにせよ、無差別殺人はさすがにやり過ぎな気がする。さすがに犯人の自爆は納得だけど、市民の命を巻き込む犯罪な割には、主人公たちも警察もちょっと軽い気がした。

テレビドラマとしてテレビや飛行機の中で観てたら面白いような気もするが、どつしても映画館で観るものとすると、同じ脚本家の「カラオケ行こう」のほうが映画的で良かったが、やっぱり「罪の声」はダメだったのを思い出した。

ONI