「社会問題のエンタメ化は健在」ラストマイル コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
社会問題のエンタメ化は健在
この映画単体として面白かった。
『MIU404』で見せた、「最新の社会問題をドラマの核になる事件に取り込む」手法が遺憾なく発揮されていましたよ。
架空の外資企業にしてたけど、完全にモデルはAm●z○n。
まさに私がAm●z○nを使わなくなった理由の数々が目の前に展開して苦笑い。
・ろくに検品せず出荷する配送システムのいい加減さの問題
・社員も使い捨てにし、異様に高いノルマの押し付けで鬱になって退職する人間が後を絶たない問題
・下請け(物流)へのコスト削減の押し付け、無茶な送料叩きの問題
・物流末端である家庭への配送業者(ラストマイル)のなり手不足・人手不足に、過労死問題
・ブラックフライデーで、荷が届けられる保証がないのに注文を取ろうとする問題
・注文しても必要なものは結局必要なタイミングで届かないんでしょ?な問題
・やっと届いたら、中身が壊れてたり不良品だったり、絶対途中で落下させてるでしょ?問題
・不都合を下請けに押し付ける、アメリカ流の傲慢な契約の問題
・結局は株主と自社利益しか考えてない人命軽視な昨今の日米大企業に蔓延する問題
「シェアード・ユニバース」はくすぐり程度で、予備知識なしでも全然大丈夫って程度。
でも「シェアード・ユニバース」のキャラたちは、一人一人がそのプロフェッショナルな技術と信念で真相へとたどり着き、「単なる組織の歯車ではない」「Am●z○nと違う」というアンチテーゼとして描かれていたので、彼らの存在が物語に活きていたと思うから、わかればなお一層楽しめると思う。
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