「北海道にも「舞鶴」があった!」奇跡の子 夢野に舞う talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
北海道にも「舞鶴」があった!
「舞鶴」という地名は福井県にあり、港町として著名であることは、評論子も承知していましたけれども。
しかし、同じ北海道内の長沼町にも同じ地名があったときは、正直、知りませんでした。
(同じ北海道に住んでいながら。)
そして、北海道内でタンチョウヅルといえば、どうしても道東方面、もっと具体的には鶴居村(そのものズバリの地名なのですけれども)というイメージが払拭できなかったものですから。
その意味では、完全に「蒙(もう)を啓(ひら)らかれた」一本になりました。
生息に好適な湿地の開発が進み、いつしか飛来しなくなってしまったタンチョウヅルを呼び戻したいという地元の方々の熱意と、ボランティアの方々の見守り活動とで、見事にツルの再飛来を実現したことには、頭が下がる思いでした。
画面から、それらの方々の熱意と温かな思いやりが伝わるような、佳作だったと思います。
(追記)
地元を流れる千歳川の洪水対策として遊水池が作られましたけれども。
その工事に当たっても、洪水時にツルの営巣が水没してしまわないように、その土地の周辺を嵩(かさ)上げするなど、河川管理者(北海道開発局)ともども「官民」挙げての対策で、ツルの営巣地を保護したとのことでした。
ボランティアの地元の保護団体による地道な、辛抱強い見守り活動はいうまでもなく。
その甲斐あってか、2020年、道央圏では100年以上ぶりに、舞鶴遊水地でタンチョウのヒナが誕生したとのことです。
~長沼町のウェブページから引用~
長沼町は、かつて沼や湿原が広がるツルの繁殖地でした。明治期の開拓や乱獲によりツルは姿を消しましたが、ツルにちなむ地名が残っています。
「タンチョウも住めるまちづくり」とは、2015年に完成した治水施設「舞鶴遊水地」を核としてタンチョウの生息環境を整備するとともに、タンチョウをシンボルとして地域
を活性化する取り組みです。
2020年、道央圏では100年以上ぶりに、舞鶴遊水地でタンチョウのヒナが誕生しました。
~引用おわり~
タンチョウ「も」住めるまちづくりというフレーズに、地元・長沼町役場がかける「意気込み」を感じたのは、独り評論子だけではなかったことと思います。