「最も現代的なフランス映画」裸のマノン 解き放たれた愛欲のめざめ BUTTMANさんの映画レビュー(感想・評価)
最も現代的なフランス映画
フランス映画といえば官能的で大胆なエロスをこれが「芸術だよ」と描いた作品が多かった。この映画もその類にもれぬのかと観ていたが、どうやら少し様子が違う。主人公の女性のモラトリアム成長ストーリーで、現代フランス女性の、いや世界中の女性への応援歌ではないかと感じた。単身ストリップ小屋に飛び込んだ主人公は、最初こそウブだったが、徐々に自らの性の扉を次々に開けていきコールガールで生計を立てるまでになる。同性の恋人とは真剣に未来を夢見る。男相手に身体を売っても心は女を愛する主人公、それがどんな形でも誠実に相手と向き合うことこそ「愛」だと映画は語ってくれる。この映画の現代フランス女性は意外と思うほど身持ちが堅い。コールガールをしていてもなぜか処女のような頑なささえ感じてしまう。
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