「Dried Flower」スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナル ハッキング ゲーム ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Dried Flower
今作の内容ははっきり言って副題負けしています。
ファイナルハッキングゲームという割にはハッキングが目立っていなかったですし、ゲーム要素はまた別にあるんかいというツッコミどころもあってシリーズらしさを悪い方に醸し出していました。
前作は"Wi-Fiを繋いだだけなのに"でしたが今作は"Bluetooth"に繋いだだけなのにだったので相変わらずタイトル詐欺はしちゃってました。
あの状況でワイヤレスイヤホンを貰えたり、従業員が何故か名刺を持ち出したりと違和感だらけなところはありますが富田はそこんとこ詰めの甘い男なのでちゃっかり貰ってちゃっかり使って、それで特定されるというお約束までやってくれるので映画的にはナイスな男です。
今作を象徴していた浦野の狂気生がほとんど無くなっていたのが大問題だなと思いました。
1作目では不意打ちの狂気、2作目では狂気性が分かった上での暴走だったのに3作目ではちょっと人を刺すくらいに落ち着いていてそれ目当てだったのに…というところでも落胆してしまいました。
あと予告で謳っていた爆破テロもフェイク映像というのも肩透かしで、スマホを落としただけでどうして日本が爆発してしまうんだ?という奇想天外なところを期待した身としてはガックリでした。
美乃里が怪しい挙動をしていたかと思ったら妊娠していて、学が子供を愛せないのかもしれないと言い出して、前作でその問題はある程度解決したはずでは?となってしまい、過去作の登場人物をなんとかして登場させようとしたのかなと勘繰ってしまいました。
バカみたいに多いドローンをどうやって封じるかの策がこれまた突然電波ジャックの機械を持ってきてそれでほとんど落としたり(落とす先の事は全く考えてない)、本当に何故だか分からないけれど2機だけ残ったドローンをこれまたどこから持ってきたのか巨大な電波ジャック銃で2機だけ撃ち落とすという不可思議な展開が続くところは笑いっぱなしでした。
千葉くんにあの銃を持たせたかったんだろうなというだけのシーンみたいなのもトンチキさに拍車をかけててプラスです。
衝撃のラスト…確かに衝撃のラストでした。
剥製にしてくれるおじさんもいたし、スミンが自分を剥製にしてほしいと頼むシーンはあったけどまさか浦野自身が剥製になるラストは想像してなかったのでおったまげました。
今作は別に目をひん剥いていたシーンは無かったのにスミンが剥製にしたかった浦野はこの浦野だったというところにも笑いどころがポンポンありました。
スミンを演じたクォン・ウンビさんがとても美しく、高石さんも二面性を持ち合わせるキャラで独自の色を発揮されていて最高でした。
前作2人のヒロインはほぼ出番無しで、北川景子さんに至っては過去映像のみというぼんやりした登場だったのは残念でした。
ミステリー的にはダメダメですし、ツッコミどころ満載ですがそれもギャグとして楽しめればアリかなと思いました。
鑑賞日 11/3
鑑賞時間 9:20〜11:30
座席 O-20