劇場公開日 2024年9月20日

ぼくが生きてる、ふたつの世界のレビュー・感想・評価

全183件中、1~20件目を表示

4.0コーダあいのうたのリアル版

2025年3月22日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

最後の駅のホームのシーンに、心を全部もっていかれた。あのラストシーンの吉沢亮を見れただけでも、この作品の価値はある。あのシーンにこの作品のメッセージが全て込められていたように思えた。

コーダといえば、米国のアカデミー作品賞を受賞した『コーダあいのうた』が思い浮かぶ人が多いと思うが、あのリアル版という感じ。この作品は主人公である五十嵐大さんのエッセイが元になっている作品なので、フィクションの『コーダあいのうた』と比べて、よりコーダの葛藤や苦しみが描かれている。それと同時に、聾唖者の方々は私たちが思う以上に自由で、自立をしていて、特別視しなければならない存在では無いことも描かれていた。

それにしても、吉沢亮が良すぎた。
あんなに綺麗な顔をしているのに、吉沢亮はダサかったり、気弱だったり、不器用な役を演じるとすごく光るように思う。今回の役は服装も髪型もダサすぎて、それが逆にめちゃくちゃ良かった。PICUのドラマの時も思ったけれど、どこにでもいる普通の人に溶け込むのが上手い役者さんだなと改めて思った。

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AZU

5.0「私たちのできることを奪わないで」

2024年9月30日
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鑑賞方法:試写会

ろう者の当事者を多数起用した上で、手話演出の専門家とコーダ監修をつけた上で、ろう者のリアリティにこだわって制作されている本作。そのリアリティがあるからこそ、ろう者と聴者の狭間を生きるコーダのリアルが深く映像に刻まれている。耳が聞こえない時にどういう生活になるのか、その生活の実態がさりげなくちりばめられているのが良い。キッチンで鍋が吹いていることに気づかなかったり、赤ん坊の泣き声が聞こえなかったり。それらが大事件に発展することはないのだが、細かい苦労の積み重ねを日々、強いられることがよくわかる。その中で、ろう者の両親に育てられた聴者の主人公が、他者とは違う家庭で育ったことに葛藤する。アメリカ映画『コーダ あいのうた』では家族を離れるところまでが描かれるが、本作はその後も描かれる。上京してから初めてコーダという概念を知り、家族を見つめなおし、自身の進むべき道を考えるようになる。
二つの世界の狭間で生きるコーダの苦しみは何なのか、『コーダ あいのうた』と比較してもより深く迫っていたのではないか。なまじろう者の世界を知っているが故に、助けようと思って「私たちのできることを奪わないで」と諭されるシーンなど、重要なシチュエーションだと思う。
徹底したリアルな映像世界は、さすが呉美保監督。今年を代表する邦画だと思う。

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杉本穂高

4.0普遍的な家族の愛の物語

2024年9月23日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

幸せ

耳のきこえない両親のもとで育った息子の話、という本作の設定を最初に知ったとき、2021年米製作の傑作リメイク「コーダ あいのうた」(オリジナルは2014年の仏映画「エール!」)の主人公を男性に変更してアレンジした日本版リメイクかと早とちりしたが、正しくは作家・五十嵐大による自伝的エッセイを原作にしたオリジナル映画。とはいえ、「コーダ」(CODAはChildren of Deaf Adults=“耳の聴こえない大人に育てられた子”の意味)が主人公の家族役に実際に聴覚障害のある俳優たちを起用し高評価された流れを受けて、この「ぼくが生きてる、ふたつの世界」の企画が実現したのは呉美保監督も明かしている通り。また、「コーダ」の主人公が夢の実現のため家族と離れて一人立ちするところで終わっていたので、主人公・大(吉沢亮)が単身上京してからの物語が後半で大きなウェイトを占める「ぼくが生きてる、ふたつの世界」は、本質的な部分で「コーダ」と連続性があるようにも感じられる。

両親に反発するように家を出た大は、紆余曲折を経て編集プロダクションに就職し、やがてライターとして文章を書くように。事件・事故などの出来事の断片的な情報を集めて一本の記事にする行為は、出来事の推移と当事者らの関連性を俯瞰し、客観的にとらえ直すということ。東京でのさまざまな出会いと経験に加え、物事を客観的にとらえる力を培った大が、家族との関係を見つめ直すことができたのも自然な流れだっただろう。

思春期の大に反抗的な態度や非難の言葉をぶつけられても、悲しみをぐっとこらえて天真爛漫な笑みを絶やさず息子に愛情を注ぎ続ける母・明子に、観客の多くは理想の母親像を見るはず。演じた忍足亜希子は文句なしに素晴らしく(本年公開作が対象の映画賞で助演女優賞の受賞にも期待がかかる)、ろう者の親と健常者の子の話に限定させず普遍的な家族の愛の物語に昇華させた脚本・港岳彦の貢献も大きい。安易に“泣ける映画”という言葉を使いたくないが、この「ふたつの世界」には本当に泣かされた。

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高森 郁哉

4.0あるがままと達観が情緒を振り払う日本版『コーダ』の魅力

2024年9月22日
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泣ける

笑える

フランス映画をハリウッドがリメイクしてアカデミー賞に輝いた『コーダ あいのうた』('21年)があったように、日本にも2万人以上いると言われるろうの両親のもとに生まれた子供にフォーカスした本作。そして、『コーダ~』がそうだったように、ここに登場する親たちの自然体と、音のない世界とある世界の狭間で揺れる子供の葛藤が観る側にも伝わって、何があろうと決して深刻ぶらず、あるがままを受け入れて生きる強さに心が震えてしまう。情緒に傾き過ぎない演出と演技にも助けられた。

ろう者の登場人物はすべてろう者に演じさせたことも成功の要因だろう。特に、『コーダ~』でもそうだったが破天荒でいて物事を達観視し、息子を心から信じている父親のキャラクターが魅力的だ。でも、与えられた境遇に疑問を持ち、やがて受け入れていく息子を演じる吉沢亮の計算し尽くされた変容の演技に感心する。

人は誰でも過去を振り返って気づかなかったことに感謝して、そこからまた前を向き、新たな一歩を歩み出す。取りこぼしが多い人にも希望を与えてくれる映画だ。

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清藤秀人

3.5人は誰しもいくつかの世界を行き来して生きているのではないか

2024年9月20日
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泣ける

知的

幸せ

 きこえない母と、きこえる息子が織りなす親子の物語であり、“きこえる世界”と“きこえない世界”を行き来する、ひとりのコーダ(きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供)の心の葛藤と成長を描いて、普遍的な家族の愛の物語へ昇華させています。

 人は誰しもいくつかの世界を行き来して生きているのではないでしょうか。本作は“きこえる世界”と“きこえない世界”を描いていますが、無意識の差別を引き起こす、国や民族、出自や身分、言語や肌の色が違う世界、さらには他の社会的マイノリティの世界と置き換えて見ることもできます。

 そして、自身の親しい人を思い出し、その人への後悔や懐かしい記憶が重なると、自分の物語として心に響いてくる作品です。

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和田隆

4.0過剰な演出がない、リアルさが良い

2025年4月27日
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泣ける

主人公、五十嵐大の成長とともに、耳の聴こえない両親への想いの変化が、シンプルな演出で伝わってくる。
だからこそ、最後のシーンがグッと心をつかまれる。良質な映画。

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ぽん

2.5タイトルの意味

2025年4月24日
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健常者の中でこのタイトルのように考えた事がある人がどれほどいるだろう

劇中のセリフのところどころでハッとさせられる。
実話原作の重みだ

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零式五二型

4.0〝ただの〟一つの或る家族の物語。

2025年4月16日
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本作の原作になってる五十嵐大さんのエッセイは読んだことがあるんだけど、印象的なエピソードも多くとても記憶に残っている。
吉沢亮さん主演で映画化されたということでサブスクで鑑賞。

まず、説明的なモノローグやセリフは入れず、主人公家族のドキュメンタリーみたいになっていたのがとても良かった。

冒頭、無音の中で働く男性(大の父親。聴覚障害者)のシーンから始まり、私たちは「あれ?音が鳴らないけど故障か?」と違和感を感じ聴覚障害を擬似体験する。
ここからまず引き込まれる。

聴覚障害者の母である明子さんの子育てのシーン、聴こえないことをカバーするための工夫、それでもどうしても気付けないことがある部分、
健聴者の両親(配慮の概念が今ほどない昭和世代)の明子さんへの接し方、
口話と手話が入り乱れている五十嵐家の食卓の様子、
次第に成長して聴こえない母が周囲と違うことに気づいていく主人公・大くんの戸惑いと苛立ち(言葉ではなく彼の表情で表される)。

淡々とこれらが出来事として描写されて大の成長と共に積み重なっていくのが、本当に一つの家族のヒストリーを見ているようで、リアルな感触がすごいのよね。

だから観終わってみて思うのは、これは「聴覚障害者の両親がいる(ある種特別な)家族の物語」ではなく「〝ただの〟一つのどこにでも或る家族の物語」だったのだな、ということ。

これは受け手がそう感じるように製作側が意図して注意深く製作していたんだろうなと思う。
そしてそんな「家族の物語」として、本作はとても良い作品だった。

母親の愛のありがたさを素直に受け取れずに、煩わしくてそっけない態度を取ってしまう若者の息子。
それは別に聴覚障害とかの有無に関係のない、ある種普遍的な行動でもあるわけで。

ラスト、大が今まで母・明子さんとの思い出を走馬灯のように思い出して(注:明子さんは亡くなりません。念のため)駅で一人で涙するシーン、一人の母親としての明子さんの大への愛情がすべてのカットから感じられて、私も思わずぼろぼろと泣いてしまった。

そう、大の明子さん役の忍足亜希子さん、とても良かったな。父親役の今井彰人さんも素敵だった。

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ゆめ

4.0静かに沁みる良作

2025年4月12日
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泣ける

家族とは、やはり同じ時間を過ごしてきた積み重ねによって築き上げていくものなんだなとしみじみ思う。
長い長い何十年にもわたるともに過ごす時間のなかで、喜怒哀楽という言葉にすると無機質な感じがするが、喜びも怒りもふくめていろんな感情が爆発することだってある。
古今東西そういう経験をへて家族ってできていくものなんだなと改めて思った。
ろうあ者の両親をもつ息子の葛藤を描いた作品だが、私は耳が聞こえるとか聞こえないとかそういうことではなく、無償の愛を描いた作品だったなと感じた。
息子が、母の無償の愛に気づいたラストシーンで静かな涙がこぼれた。

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totococoro

5.0「社会的弱者であること」と「可哀そうであること」はまったく別物

2025年4月5日
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鑑賞方法:映画館

呉美保監督といえば、田舎の漁村で最貧困の生活を送り、人間関係のしがらみから逃れられない人々の苦しみを直視した『そこのみにて光輝く』(2014年)や、まったく綺麗事を排除した教育現場や児童虐待の厳しい現実を直視した(教育関係者なら目を逸らさずに必見の)『きみはいい子』(2015年)など、弱き者たちから決して目を逸らすことなく、上っ面な憐れみはかけずに、どうしようもなく胸が締め付けられるけれど、温かな眼差しを忘れることがないため、しっかりと心に刻み込まれる作品を撮ってきた監督。でも、本作は、しっかりと心に刻み込まれる作品であることは間違いないが、「温かな眼差し」の方に重点が置かれたように感じた。

10年前の作品では上映後に胸が苦しくて立ち上がることも出来ないくらいだったのが、今回は本当に温かな気持ちになって観終えることができた。とは言え、偏見や差別、貧困といった要素はしっかり描き込まれているし、また社会的弱者であることと可哀そうであることはまったく別物なのだといった批判的視点も決して忘れられていない。

この10年歳を重ねた結果、こちらの涙腺もずいぶん緩んだようで、大きな出来事はほとんど起きず、淡々とした日常が描かれているだけなのに、ハンカチを握りしめながらの鑑賞となってしまった。

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Tofu

4.0吹きこぼれる鍋

2025年4月5日
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赤ちゃんの泣き声が聞こえない。
とかドキドキしながら見ました。

お父さんの笑顔に救われる。

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ボケ山田ひろし

4.5親子が紡ぐ世界観が良い

2025年3月30日
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鑑賞方法:VOD

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幸せ

五十嵐大による自伝的エッセイ「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」が原作。

母親(五十嵐明子)役の忍足亜希子の演技が良かった。

忍足亜希子自身がろう者だからということだけではなく、明子がどこにもいるような母親だったからで、子を思う母の愛が伝わってきて心に響いた。

特に終盤、スーツを買う場面や帰りの車内での会話は目頭が熱くなった。

もちろん、吉沢亮(五十嵐大)の演技も良かったのは言うまでもない。
思春期(ちょっと中学生には見えなかったけど)から青年期までの、鬱屈した心境や怠惰な日常を見事に表現。

心に葛藤を抱える青年期あるあるに共感できた。

それにしても出てくる子役がみんな吉沢亮そっくりなのには笑ってしまった。

父親(五十嵐陽介)が、明子と東京へ駆け落ちしてフルーツパーラーでパフェを食べたことを大に話しながら、東京へ行くことを勧める。

この場面は、父が息子にかける愛情がひしひしと伝わった。

父親役の今井彰人もろう者であるが、自然な父親を演じていて笑顔になれた。

祖父(でんでん)、祖母(烏丸せつこ)が一生懸命に明子を育てたことが短い場面ながらも理解できた。

コーダとしての大が、東京でろう者と交流を持つ中で様々な学びがあり、それが親への愛情に変わっていくところが、観ているこちら側の学びにつながっていった。

列車がトンネルを抜けると同時に大が操作したパソコンで映画のタイトルが出てきた演出に感動。

また、テーマソング「letters」が最後に流れ、母が子に贈る手紙の歌詞に心を揺さぶられた。
亡き母もこんな気持ちで家を出た私に対して思っていたのだろうと。

追記
「ゴールドボーイ」と同じ脚本家(港岳彦)だとはとても思えないのは私だけなのか。

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まーさん

4.0永久保存版🙆‍♂️

2025年3月30日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

評価は高かったが、邦画なのであまり期待せずに鑑賞した。なかなかどうして非常に良い映画だった。母親と子供、それぞれの感情が心に突き刺さった。激しい展開は無いが、深く引き込まれた。

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@Jankichi@

4.5彼と共に追体験するろう者の世界

2025年3月27日
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幸せ

ろう者の俳優さんを沢山起用されての本作、手話だけでは補えない部分を顔の表情筋を名いっぱい使って会話をしているのがリアリティがあり触れることのない彼等の日常を知れて感慨深いものがあった。

それに手話には地方に寄って表す違いもあったりろう者の人々の社会への関わり方を大くんのお陰で追体験が出来たのも良かったです。パチンコのバイト先で出会ったおばさまが快活で気持ちいい。

健常者の親を持ったとしても所謂毒親もいてどこの家庭でも悩みはあるものだ。母とお買い物をした後に電車で楽しい2人だけの世界で談話するシーンがなんて微笑ましいことか。大役の吉沢亮さんの手話が自然過ぎて違和感なく素晴らしかったです。

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月子

3.0大したことは何も起こらず、終始淡々とした映画だけれど

2025年3月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

大したことは何も起こらず、終始淡々とした映画だけれど、良い映画でした。

吉沢亮さんは、結構好きな俳優だけれど、とても良い演技だった。

母親役の忍足亜希子さんも素敵でした。

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ねこたま

5.0やはり最高の作品でした。

2025年3月24日
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知的

幸せ

昨年自分の中では1番の作品。Netflixで観れるようになったのでもう一度鑑賞。
映画館では広島の八丁座で観たのですが、ほぼ満席。その中の三分の一はろう者の方達がいた感じで、終わった後に皆んな手話で会話し合ってました。
原作も読みましたがこれも秀逸。ぜひ日本の全ての人に字幕で観てもらいたい作品です。
なかなか派手な作品に出演がちの吉沢亮ですが、素晴らしかったですね。バンパイヤは少し延期になってますが、「国宝」はとても楽しみです。

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アマッポ

4.5耳の聞こえない両親のもとで育った五十嵐大は、ごく普通の家庭として過...

2025年3月22日
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耳の聞こえない両親のもとで育った五十嵐大は、ごく普通の家庭として過ごしていたが
小学生頃から、何気ない友達の一言や、周囲の目線で、ふつうではないんじゃないかと思うようになる。それから、母には反抗的になってしまう、一度にたくさんのひとと関わるようになって比較対象がたくさんできてしまう時期なので仕方ないことはあるなと思った。
ずっと、長い間、話すことを避けてきた母親に
「みんなが周りにいる中、手話で話してくれてうれしかった。」といわれて
いままで、ひどい扱いをしてきてしまった、母親の気持ちが強く伝わってきたのかもしれない。むせび泣く吉沢亮の芝居が胸に迫るものがあった

耳が聞こえなくても特別ではない
私自身ろう者の人と出会ったことはないけど、特別扱いするのはやめようと思った。
エンドロールは、母親の手紙が英語で歌われていて、そんなかんじで、言語が違うだけで何ら変わらないと伝えたいのかなと思った。英語をしゃべる人と会話したいときは英語を学ぶのと同じ

中学生になって、突然吉沢亮になって自転車を漕いでくるのが映った瞬間ちょっとおもしろかった、でも意外と中学でいけてたね。
出演者みんな演技が自然でよかった。
家に遊びに来た男の子が、大の母を不思議そうに見る表情がじわじわきたし、
花壇の犯人だと決めつけてきた女性は、絶妙にむかついた(笑)

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るる 移行

4.0無償の愛

2025年3月12日
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知的

幸せ

CODA、他の映画でメジャーになったから、少しは一般の人にも浸透してはいるんだろうけど。あのとき少し手話やろうかなと思ったが、時間を捻出して学ぶってなかなかどうしてできない。そして、私自身は聾者との接点を得ることのないまま、時は流れる。

お母さん役の忍足さん、もうアラフィフなのか。実生活では聴者の俳優さんと家庭を築いている。出会いはゲスト出演した舞台で、旦那さんはそこから手話を学び始めたとか。興味を持つ、もっとコミュニケーションをとりたい、っていうモチベーションの源泉は大事だよなぁ。その夫の兄が横浜ベイスターズの三浦大輔とか、一生懸命に努力ができるって、血筋や環境によるところが大いにあるな、と思った。

CODAもまた環境によって規定されるところが大きい。本作のように、20世紀の田舎(宮城県の沿岸地域)ではまだ周囲の理解も乏しく、経済的にも決して恵まれているとはいえない状況下で思春期を迎え。聾者の母を疎ましく思ったり、当たってしまうことがあるのも、未成熟な若者としては当然なのかな、と思う。お母さんの気持ちを思うと、凄く心が苦しくなるけれど、聾者・聴者に関わらず、多くの親が子の反発を儀礼として通過していくんだよな。振り返れば自分自身も親とぶつかっていたなと思い当たり、懺悔の念にかられる。

何も見出せないまま成人し、上京して。たまたま縁のあった居場所を見つけ働いて。何とか人生を軌道に乗せていく。人はそれぞれにあった居場所さえ見つけられれば、生きていくことができるし、何がしたいか分からなくても、大抵は何とかなるのかなと思う。そして、反発していた家族との間で培った手話が、東京での新たな絆を育んでいく。経験してきたことが、どこでどうプラスに働くかって分からないもんだよな。

時を経て、再び母と向き合い。母は変わらず愛情を注いでくれている。こんな母(両親)ばかりではないのは承知しているが、自身の親から受けた愛情について改めて思いを致した。

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Nori

3.0母子の情愛のベタつきを巧く回避。

2025年2月19日
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今更初見。
地味。秀作。
青年が母を慰る頻度の少なさのリアル。
母子の情愛のベタつきを巧く回避。
サビに回想は買えぬが、
柴又ではない駅で泣かすベタは良し。
誰にもある親との世界と外の世界の往還の戸惑いを
聾の世界を借りて語る。
サンタマリアの胡散臭さも良し。

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きねまっきい

5.0心に響く作品。

2025年2月2日
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心に響くいい映画だった。
「ぼくが生きてる、ふたつの世界」という言葉は、この作品にぴったりくるタイトルだなと、観終わってしみじみ思う。

でもそれを、「ろう者と聴者」とか、「手話と音声言語」とか、観ながら頭に浮かんだ「偏見や思い込み」とか、「悪意の有無」とか、「ディスコミュニケーション」だとか、そうした言葉で言語化しても、表面的で陳腐なレビューしか書けない予感しかない。

なので、今回は個人的な体験と重ねて、2つのことについてだけ、記録に残そうと思う。

<ここから少し内容に触れます>

①大が、手話サークルで知り合った友人プラスその友達たちと飲む場面。
大が、代表して飲み物やつまみを頼んだことに対し、しばらくして友人は「さっきは、ありがとう。でも、私たちのできることを取らないで」とトイレのそばで話しかけてくる。
このセリフがとても共感できた。
私自身、まだ、なって一年も過ぎないが、呼吸器障害を抱え、たまに車椅子ユーザーでもある。
なので、自分に向けられた「思いやりや善意による行動」は、素直にありがとうという気持ちだ。
でも、積極的に周囲の人々に思いやりや善意の行使を求めたり、すがったりしたいわけではないこともわかってほしい。
私が「できることをできる方法でやってる」ことを認めて、見守ってもらえたらと思う。

②迷惑をかけたり冷淡な振る舞いをしてきたりしたことへの謝罪や、はるか昔の大学生の頃、友人と早く遊びたいが故に「忙しいから泊まらずに帰る」と言った私に「帰ってご飯を作るのは大変だろうから」と弁当を持たせてくれたことなどへの感謝。7年前に母が急逝してしまった今となっては、もう伝えることは叶わない。そのことを一番後悔したのは、今日この映画を観終わった時だったかもしれない。
吉沢亮と忍足亜希子、2人のやり取りに泣けて仕方がなかった。

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sow_miya
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