「優しい名作」ぼくが生きてる、ふたつの世界 めるさんの映画レビュー(感想・評価)
優しい名作
私は昔、数年間手話を習っていたことがある。教えてくれた人は先天性難聴のかたで、とても丁寧にいろんな言葉を教えてくれた。そのおかげで、日常会話程度は話せるので仕事などで手話対応する場面があるとととても喜んでもらえる。
前に、日本のドラマである俳優さんたちが手話を使って会話するというシーンがあったが、あまりにも手話がひどくてちゃうちゃう!!ちゃんと勉強しろや!!と怒りを感じたことがあった。手話を題材とした映画やドラマに関してはシビアに見てしまいがちなので、この映画上映中は観に行かなかった。
結果、この映画は残念シーンは皆無。吉沢亮さんの作品は恥ずかしながら一度も観たことがなかった(というか邦画をほとんど見ないもので…)が、とても自然でめっちゃ勉強したんやろうなと尊敬した。吉沢さんがたくさんの人に支持される理由がわかった。
肝心の内容やけど、日本版コーダという感じ。都内だと多様性という言葉はだいぶ浸透しているが、地方の方だとこういった差別は確かにあるやろうなと。反抗期あるあるのあなたの子どもに生まれなければよかったという言葉は健聴の親にとってもショックな一言だが、自分のせいで負担をかけていると認識しているお母さんにとっては特に残酷なひと言やなと胸が苦しくなる。いいから東京に行け!とそっと背中を押してくれる父もいい人やし、東京に行ってから両親のあたたかさに気がつく大ちゃんもまたいい子。
吉沢亮をはじめとする俳優の魅力と、ストーリーともに光ってました。優しい名作やと思います。
⭐︎余談⭐︎
手話習う人が個人的には増えてくれるといいなと思うが、手話には派閥みたいなものが存在し、先天性難聴か中途難聴かでもだいぶ表現や認識が違う。また、言語というのは時代により移り変わるものなので、高齢者と若者では手話表現が異なるケースもある。
教えてくれる先生が代わり、使う手話表現が古かったり、手話歌は差別的だ!など価値観の主張が強く違和感を感じて途中で学ぶのをやめてしまった💦(最初に教えてくれた先生は手話歌大好きだった。)
映画の中でも出てきたライトな手話サークルがもう少し増えれば、学ぶ人も増えるんちゃうかな?
めるさん
詳しい説明、本当にありがとうございます。
吉沢亮さんは、簡略化をする位の、プロっぽい手話、
を使ってたのですね。
めるさんは数年で話せるまで鍛錬して、実際に実地で
使われてるのですね。
英語が話せるより凄いと思います。
時代と共に変わるし、流行り言葉も増えていくし、
とても流動的なのですね。
古くは「愛してると言ってくれ」のトヨエツ、
「SILENT」も、ありましたね。
映画の話になって恐縮ですが、「ドライブマイカー」では
手話演劇が大きなテーマになっていましたね。
中途失聴と生まれた時から耳が聞こえないとの違いでも
日本手話と日本語対応手話と、変わってくるのですね。
本当に手話を考える機会をいただいて感謝です🥲
またまたお邪魔します。
与沢さんの手話は、かなり勉強した、と、
手話経験者のめるさんからみても、
そうでしたか?
本当に努力家なんですね。
ところで、派閥がある、
手話の世界にも、派閥があるんですか?
手話歌という言葉もはじめて聞きました。
ちょっと調べてみますね。
勉強になりました、ありがとうございます。
このかったるそうなところ、10代後半の男子あるあるで、この吉沢亮にも恐れ入ったのでした、そういえば。
やっぱり恐ろしい子!
手話界(?)の事情も知りませんでした。いろいろ複雑なんですね。
多くの人がとっつきやすくなるといいんですけどね。