劇場公開日 2024年9月20日

「静かな映画」ぼくが生きてる、ふたつの世界 Bratscheさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0静かな映画

2024年9月26日
iPhoneアプリから投稿

聾者の両親のもとに生まれた主人公を中心に、
聾者とその家族の葛藤、愛情を描く映画

「聞こえない」親のもとに生まれた「聞こえる」こどもを、
『コーダ(Children of Deaf Adults)』と称するんですね。
初めて知りました。

主人公の出生から始まり、幼少期・小学校・中学校と進みます。
いろいろと嫌な思いをしたり、同情されたり…
自分の失敗を親のせいにしてみたりと、様々な葛藤がある。

しかも、同居の祖父は刺青しょった博打うちだし、祖母は宗教に傾倒しているし…
なかなかの家庭環境ですね。
私はエンパスの気があるので、ちょっと観ていて辛かった。

そんな中でも、聾者の両親は穏やかで誠実なタイプで、自己肯定感の強い、明るい人たち。
これが救いでしたね。

主人公も、いろいろと葛藤はありつつも愛情深くて、良い人。
静かな明るさが好印象でした。

映画としては、派手なことは何も起きなくて、
静かに静かにエピソードが紡がれていくもの。
エンタメとしてのおもしろさは無いかも知れないけど、
エピソードの向こうに透けて見えるものに感じ入りました。

Bratsche
みかずきさんのコメント
2024年9月27日

はじめまして、みかずきです

複雑な家庭環境の主人公ですが、聴覚障害者の両親が明るく自然体で良かったです。仰るように、両親は高い自己肯定感を持っていました。
聴覚障害者であることをしっかり受け入れ、あるがままに生きていました。

ー以上ー

みかずき