劇場公開日 2024年9月20日

ぼくが生きてる、ふたつの世界のレビュー・感想・評価

全220件中、1~20件目を表示

5.0コーダとして生まれた主人公の苦悩とそこにある普遍的な愛の物語

2024年9月22日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

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ななやお

4.0それぞれ違った悩みがある、それはどの家族も同じ

2024年9月21日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

5.0「私たちのできることを奪わないで」

2024年9月30日
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鑑賞方法:試写会

ろう者の当事者を多数起用した上で、手話演出の専門家とコーダ監修をつけた上で、ろう者のリアリティにこだわって制作されている本作。そのリアリティがあるからこそ、ろう者と聴者の狭間を生きるコーダのリアルが深く映像に刻まれている。耳が聞こえない時にどういう生活になるのか、その生活の実態がさりげなくちりばめられているのが良い。キッチンで鍋が吹いていることに気づかなかったり、赤ん坊の泣き声が聞こえなかったり。それらが大事件に発展することはないのだが、細かい苦労の積み重ねを日々、強いられることがよくわかる。その中で、ろう者の両親に育てられた聴者の主人公が、他者とは違う家庭で育ったことに葛藤する。アメリカ映画『コーダ あいのうた』では家族を離れるところまでが描かれるが、本作はその後も描かれる。上京してから初めてコーダという概念を知り、家族を見つめなおし、自身の進むべき道を考えるようになる。
二つの世界の狭間で生きるコーダの苦しみは何なのか、『コーダ あいのうた』と比較してもより深く迫っていたのではないか。なまじろう者の世界を知っているが故に、助けようと思って「私たちのできることを奪わないで」と諭されるシーンなど、重要なシチュエーションだと思う。
徹底したリアルな映像世界は、さすが呉美保監督。今年を代表する邦画だと思う。

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杉本穂高

4.0普遍的な家族の愛の物語

2024年9月23日
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泣ける

悲しい

幸せ

耳のきこえない両親のもとで育った息子の話、という本作の設定を最初に知ったとき、2021年米製作の傑作リメイク「コーダ あいのうた」(オリジナルは2014年の仏映画「エール!」)の主人公を男性に変更してアレンジした日本版リメイクかと早とちりしたが、正しくは作家・五十嵐大による自伝的エッセイを原作にしたオリジナル映画。とはいえ、「コーダ」(CODAはChildren of Deaf Adults=“耳の聴こえない大人に育てられた子”の意味)が主人公の家族役に実際に聴覚障害のある俳優たちを起用し高評価された流れを受けて、この「ぼくが生きてる、ふたつの世界」の企画が実現したのは呉美保監督も明かしている通り。また、「コーダ」の主人公が夢の実現のため家族と離れて一人立ちするところで終わっていたので、主人公・大(吉沢亮)が単身上京してからの物語が後半で大きなウェイトを占める「ぼくが生きてる、ふたつの世界」は、本質的な部分で「コーダ」と連続性があるようにも感じられる。

両親に反発するように家を出た大は、紆余曲折を経て編集プロダクションに就職し、やがてライターとして文章を書くように。事件・事故などの出来事の断片的な情報を集めて一本の記事にする行為は、出来事の推移と当事者らの関連性を俯瞰し、客観的にとらえ直すということ。東京でのさまざまな出会いと経験に加え、物事を客観的にとらえる力を培った大が、家族との関係を見つめ直すことができたのも自然な流れだっただろう。

思春期の大に反抗的な態度や非難の言葉をぶつけられても、悲しみをぐっとこらえて天真爛漫な笑みを絶やさず息子に愛情を注ぎ続ける母・明子に、観客の多くは理想の母親像を見るはず。演じた忍足亜希子は文句なしに素晴らしく(本年公開作が対象の映画賞で助演女優賞の受賞にも期待がかかる)、ろう者の親と健常者の子の話に限定させず普遍的な家族の愛の物語に昇華させた脚本・港岳彦の貢献も大きい。安易に“泣ける映画”という言葉を使いたくないが、この「ふたつの世界」には本当に泣かされた。

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高森 郁哉

4.0あるがままと達観が情緒を振り払う日本版『コーダ』の魅力

2024年9月22日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

フランス映画をハリウッドがリメイクしてアカデミー賞に輝いた『コーダ あいのうた』('21年)があったように、日本にも2万人以上いると言われるろうの両親のもとに生まれた子供にフォーカスした本作。そして、『コーダ~』がそうだったように、ここに登場する親たちの自然体と、音のない世界とある世界の狭間で揺れる子供の葛藤が観る側にも伝わって、何があろうと決して深刻ぶらず、あるがままを受け入れて生きる強さに心が震えてしまう。情緒に傾き過ぎない演出と演技にも助けられた。

ろう者の登場人物はすべてろう者に演じさせたことも成功の要因だろう。特に、『コーダ~』でもそうだったが破天荒でいて物事を達観視し、息子を心から信じている父親のキャラクターが魅力的だ。でも、与えられた境遇に疑問を持ち、やがて受け入れていく息子を演じる吉沢亮の計算し尽くされた変容の演技に感心する。

人は誰でも過去を振り返って気づかなかったことに感謝して、そこからまた前を向き、新たな一歩を歩み出す。取りこぼしが多い人にも希望を与えてくれる映画だ。

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清藤秀人

3.5人は誰しもいくつかの世界を行き来して生きているのではないか

2024年9月20日
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泣ける

知的

幸せ

 きこえない母と、きこえる息子が織りなす親子の物語であり、“きこえる世界”と“きこえない世界”を行き来する、ひとりのコーダ(きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供)の心の葛藤と成長を描いて、普遍的な家族の愛の物語へ昇華させています。

 人は誰しもいくつかの世界を行き来して生きているのではないでしょうか。本作は“きこえる世界”と“きこえない世界”を描いていますが、無意識の差別を引き起こす、国や民族、出自や身分、言語や肌の色が違う世界、さらには他の社会的マイノリティの世界と置き換えて見ることもできます。

 そして、自身の親しい人を思い出し、その人への後悔や懐かしい記憶が重なると、自分の物語として心に響いてくる作品です。

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和田隆

4.0コーダの話し

2025年1月26日
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泣ける

知的

今まであまり知らなかった、両親が聴覚障害者の子供の話し。

親が障害者っていう点で、普通の家庭よりも苦悩は多いのかもしれないけど、どの家庭にもその家族にしかわからない、色々な苦悩や葛藤や幸せがあるんだなぁって思った。
それを吉沢亮くんが、本当によく演じていたと思う。
あんまり彼が出ている映画、観たこと無いけど良い俳優さんになったね。

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きゃな

5.0これはもっとたくさんの人にみてほしい作品。

2025年1月3日
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るんるん

4.0Diversity Inclusion、Unconscious Bias

2024年12月30日
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鑑賞方法:映画館

吉沢亮君が世間を賑わす前の暮れに都内最後の上映となる映画館で鑑賞。

呉美保監督の9年ぶりの作品。淡々と場面が流れていく。

吉沢亮は東京リベンジャーズ、キングダム、最近観たのは大河ドラマの青天を衝けだが、それらの作品では悪くはないのだけれど、等身大以上の役を演じてる感があり、ちょっと白々しい印象を受けていた。それが、今回はすっと入ってきた。ああ、吉沢亮はこれが素なんじゃないか。そう思わせるぐらいの自然さだった。

印象的だったのは、健常者の吉沢亮がろうの人に親切心から手助けをした時に言われた、「ありがとう、でも私達から取り上げないで」と言う言葉。ハッとした。できる事が限られている人達は、できる事を大切にしたいのだ。余計に気遣ってほしくないのだ。普通に接してほしいのだ。多くの人達はできる事が多い側の人間だ。だから、たくさんあるものから優先度をつけて捨てていく。我々の世界は引き算だ。でも彼らの世界は足し算なのだ。できる事が限られている人達からできる事を取り上げてしまったら、引いてしまったら、ゼロに近づき、その人は自分の存在価値を希薄に感じてしまうのかも知れない。親切という名の傲慢。本当の優しさとはいつも難しい。

そして電車の中で吉沢亮がお母さんと手話で普通に話した後、電車を降りた時のお母さんの、「ありがとう、人前なのに話してくれて。普通に接してくれて」という言葉にも固唾を飲んだ。人は無意識に人の目を気にする。無自覚に偏りを持って人を見る。Diversity InclusionとUnconscious Bias。もっと色々な人達に触れ、想像しないと身に付かない。基本的に世の中は不平等だらけだが、平等であろうと心掛ける事はできる。どうか明日の自分は普通に平等な自分でありますように。

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Ton

5.0「ベビ大ちゃん・プチ大ちゃん・ミニ大ちゃん・チビ大ちゃん・ラスボス大ちゃん」【12月24日追記】

2024年12月24日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

【12月24日レビュー追記】

私の2024年ベスト1映画です。

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「2024年ベスト3」
まだ何者にもなれない今の自分を受け入れ、周囲との暖かい関係に支えられ、少し上を見て前を向き生きていく、というラストの映画3本を選びました。

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「ベストレビュー」
12月初めに、私にとってのこの映画のベストレビューと出会いました。そのレビューに私の想いの全てがあると思い、素直に「読者でいたい」とコメントしてしまいました。

人の縁とは不思議なもので、そのレビュアーさんに自分でレビューを書くことをススメられたことがきっかけで、こうしてポンコツレビューにも追記しています。

大好きな作品だけに思い入れが強くレビューが書き終わらず、映画の中と外にあるものを書き散らかした下書きのまま、未完成のレビューを追記しておくことにしました。

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「非公式アンバサダー」
初日に映画館で観た後、毎日会う人に2種類のフライヤーを渡して、勝手にボランティアアンバサダー活動をしていました。

オススメした相手全員が、その当日から週末に映画館に行ってくれたこと、そして全員が良かったと感想を教えてくれたこと、そんな小さな奇跡が起きた映画でした。

(男の人たちは映画で泣いたと言うのが恥ずかしい様子で、その話を聞き出すのが楽しかったです、ごめんなさい)

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「ロングラン」
9月13日の宮城県先行公開、9月20日の全国公開から、細く長くロングランが続いています。『侍タイムスリッパー』も9月13日の全国拡大公開からロングラン中なので、どちらもファイナルランまで頑張ってほしいです。

11月17日の「ロングラン上映御礼舞台挨拶」に呉美保監督と吉沢亮さんが登壇して、公式Xで募集した質問に答えるというステキな企画がありました。

海外5カ国の映画祭で上映された報告を読むと、日本と同じように、コーダとしてだけではなく普遍的な親子や家族の物語として受け止められている印象でした。

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「バリアフリー字幕」
『ぼくが生きてる〜』で、初めてバリアフリー字幕を体験しました。映画館で3回観ましたが、初日に字幕で鑑賞したことは「ふたつの世界」の理解を深めてくれました。

邦画の字幕版のニーズは多様な理由で増えているので、座席で簡単に表示の選択ができるようになればいいなと思っています。

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「パンフレット」
劇場パンフレットを久しぶりに購入しました。初日に全国的に売り切れてしまったことをSNSで知り、再々入荷でやっと手に入れました。

「宮城県の漁港で東日本大震災は?」「ラストの演出の意図は?」「エンディングの手紙の歌詞はどうして英語なの?」、完成台本も掲載された素朴なパンフレットは、私の疑問に答えを教えてくれました。

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「監督復帰作」
呉美保監督は、次男が産まれた頃に映画の企画の話があり、小さな男の子2人の育児をしながら9年振りに監督復帰したそうです。この映画からやさしい母親の愛情が伝わってくるのは、復帰当時の監督の目線もあるのだろうと思います。

子役4人が本当に吉沢亮さんに成長していくように見える連携リレーは、五十嵐大さんのノンフィクションを映像化するのに欠かせない演出でした。

母親役の忍足亜希子さんが54歳、父親役の今井彰人さんが33歳、21歳差でも赤ちゃんを抱いている夫婦に見えること、30歳の吉沢亮さんと父親が3歳しか違わないのに親子に見えること、これも監督のマジックでした。

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「主演男優賞」
吉沢亮さんは、今年デビュー15年で、この映画で初めて主演男優賞を受賞。2018年に俳優として初めての映画賞の新人賞も、同じTAMA映画賞で最優秀の受賞でした。

11月30日の映画祭授賞式のスピーチで「緊張しています。ご縁を感じています。受賞したのがこの作品で良かったです」
監督とのトークで「30歳になる男が中学生を演じました。監督が絶妙なダサさにこだわった昭和の髪型のかつらは不安でした。手話は顔の表情によって意味が変わってくることを知りました」

監督から「役にも周りにも媚びないストイックな職人のよう」、脚本家から「役作りの努力や演技の苦労をおくびにも出さない」と、公式Xでもコメントがありました。

「俳優30歳の壁」をこの作品で乗り越えてくれたこと、吉沢亮さんとこの映画の一ファンとして、とてもうれしいです。
(12月23日、吉沢亮さん主演の吉田修一原作『国宝』の公開が、2025年6月6日に決定しました。予告映像に息を呑みました)

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「ティザー広告」
今年7月に少し退屈なハリウッド映画を観た日、この映画の予告編を観ました。ちょうどその日、この映画のフライヤーのティザーと本公告の入替えでした。

ティザーは、予告編でも印象的な吉沢亮さんのアップ、ポスターとパンフレット表紙や原作文庫Wカバーにも使われたメインビジュアル。本公告は、五十嵐大(吉沢亮)とお母さん(忍足亜希子)が駅に並んでいる、映画.comの画像です。

製作費も宣伝費も少ないこの映画で、このティザー広告のビジュアルと予告編は、「映画の嘘のない宣伝」と「この映画を観に行きたい」と感じた観客の予感の、本質を捉えていたのではないかと思います。

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「エンディングソング」
映画のエンディングに流れる「letters」のMVが、映画の大ヒット記念で、今年の10月10日から1年期間限定でYouTubeで公開されています。

呉美保監督の公式Xの表現が面白かったので、このレビューのタイトルにお借りしました。

「映画の編集中に、ベビ大ちゃん(3ヶ月)、プチ大ちゃん(6ヶ月)、ミニ大ちゃん(4才)、チビ大ちゃん(9才)、ラスボス大ちゃん(15才〜28才)、5人の大ちゃんがあまりにも似てるから、短めに繋いで主題歌をのせてみたら、なんかええやん!とMVが完成したのです」

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P.S.
まだレビューを書き始める前の、12月7日の自分のコメントを引用しておきます。

「ラストの駅のシーンを『ニュー・シネマ・パラダイス』に例えられていて、あー先を越されちゃった(泣)…を思い出しました(笑)
鑑賞後に完成台本が載っているパンフレットと原作を読み、公式SNSもフォローしました。
監督があの駅のシーンをラストと決めたところから、この映画作りが始まったことを知り、私の思いをレビューにしたかったのですが…」

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P.S.2
1/8「第38回高崎映画祭」最優秀助演俳優賞受賞
2025/1/3「第67回ブルーリボン賞」1部門ノミネート
12/19「第79回毎日映画コンクール」3賞ノミネート
12/1「第46回ヨコハマ映画祭」2024年日本映画ベストテン7位
11/13「第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」1部門ノミネート
11/12「第49回報知映画賞」2部門ノミネート
2024/10/3「第16回TAMA映画賞」特別賞(監督・スタッフ・キャスト一同)・最優秀主演男優賞2部門受賞

✎____________

今年は邦画の当たり年で豊作だった、という声をよく聞きます。
初日に鑑賞して、映画館でリピートした作品が何作もありました。
私の2024年ベスト3候補は、この映画です。

今まで映画.comはほぼ見る専門でしたが、★★★★★の作品には評価とレビューの投稿を最近始めました。
他の方のレビューを読むと自分の語彙力と文才の無さで、好きな映画ほど言葉が見つからなくなります。

✎____________

2024年9月20日・10月17日映画館で鑑賞
10月28日★★★★★評価
12月2日レビュー投稿
12月24日レビュー追記
2025年1月9日レビューP.S.映画賞追記

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ひな

5.0自然体

2024年12月24日
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悩んで育った自身の経験を文章にする事で、
自分を客観視する、
その姿勢が自然体だ。
そんな気がした。
美談でもない、
恨みでもない、
僻みでもない、
現実を現実として受け入れ、
そして寄り添うことが、身についている。
それはきっと聾者の両親を持つ五十嵐大の、
差別を受け、両親への不満に悩み、苦しみ
(どうして自分の親だけ、耳が聞こえないんだ!!)
そんな苦悩や怒りを乗り越えた先にある境地、
受け入れること、手伝うこと、
そして時にそれは自分を支えてもくれる。
だから主人公は、聾者の世界に居場所を見つけ、
時に寄り添い、
時に安らぎを見つけ、
障がい者を大きな包容力で受け止める。
「ぼくの生きてる、ふたつの世界」
聾者の世界にも、自分がいる、
健常者の大は、
余計なお世話・・・と、言われることもある。
しかし時には、聾者との橋渡しの役割も果たす。

聾者に出来ること、そして出来ないこと、
そこを補えばいい、
受け入れればいい、
それを主人公は自然に身につけている。
自然に受け入れている。
それは私たちにとっても必要なこと、
人間の一人として、
「お手伝いすることは、ありませんか?」
自然に言える事、
そして支える手を差し出す事、
主人公が苦悩し受け入れた姿がこそが、
「自然体」なのではないでしょうか?

それが「ふたつの世界」をひとつにして、
より豊かにする。

大ちゃんが成長する過程を演じた4人の子役たち、
3ヶ月位の赤ちゃん、
ハイハイ、伝い歩きをする1歳位、
小学生の大ちゃん、
中学生の大ちゃん、
みんな吉沢亮似のイケ面だったね。
5人で演じた事、
そこに真実味が色濃く出ていた。

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琥珀糖

4.5自分ごととして共感できる成長物語

2024年12月1日
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アツコ

4.5聞こえる世界と聞こえない世界

2024年11月29日
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泣ける

悲しい

難しい

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まこやん

4.5あなたの人生が、うまくいく事を願っています

2024年11月16日
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幸せ

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こころ

4.0母親役の人が良かった!

2024年11月16日
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母親役の人が良かった!

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あすきち

3.5私の知らない世界

2024年11月13日
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泣ける

悲しい

単純

聴覚に障害がある方を描いた内容であることのみの事前確認で鑑賞。
ストーリー的には、両親に聴覚障害があり、その間に生まれた1人息子の誕生から自立までを描いたもの。
自分の人生では関わったことのない内容であったため、こういう大変さがあるんだなと、1つ1つの出来事を見ていた。
全体として雰囲気は重めで、辛いことやうまくいかないことが続いていくような内容。
物語を楽しむというよりは、ドキュメンタリーを視聴するといったような感覚。
主に子供想いの母と思春期の息子に焦点があてて描かれている。常に息子のことを1番に考える母と、まわりからの冷たい視線を感じて不満が積もる息子。息子が社会人になったあたりを境に、徐々に母の愛を実感し、また両親から教えてもらった手話を活かして社会とのつながりを持つようになる。
ハラハラドキドキや考察をするのが楽しいタイプの映画ではないが、聴覚障害の世界とそこに住む家族の愛情をみることができた。

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セッキーかもめ

4.5障がいは可哀想ではない

2024年11月9日
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こちらが良かれと思ってしたことが
相手にとっては同情されていると思わせてしまったり
傷つけることもある。
それは相手が障がいがあるなし関係なく起こりうること。

少年役の子たちが吉沢亮さんの面影があって、
キャスティングすごいなー

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summer

4.0障害者家族における親子関係の脆さと修復のドラマを通じて伝えたかったこと

2024年11月9日
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1 耳の聞こえない両親を持つ子が穏やかな心境に達するまでの軌跡を通じて、社会生活や人間関係のあり方を描く。

2 田舎で耳の聞こえない両親及び健常者だけど伝法な祖父母と暮らす主人公。彼は、ある日友だちから母の喋り方が普通ではないことを指摘された。彼は恥ずかしいという感情から母
や手話を避け、意思疎通も控えるようになる。そして、一方的な被害者意識を持つてしまい、あてもなく家を出て上京する。そして・・・。

3 主人公は、上京前日に母と出掛け人前でも自然と手話で会話し笑い会う。そこで彼はようやく気付く。普通に接することが大事だと。

4 本作では、一つの障害者家族の実話を通して、障害者を特別視することのない意識と気付きのみならず、健常者と同じように当たり前に生活できる社会の姿が大事であることが示された。そのための課題として、障害の状態に応じ聾唖教育など適時適切な教育の付与や職務経験や集まりの場など社会から孤立しない取り組みが必要であることも示された。劇中において、主人公の母親が親の無理解から適切な教育を受けられず、置かれてきた境遇は余りにも悲しく、東京で知り合った手話サークルのメンバーは生き生きしていた姿から明らかであった。

5 監督は、重めのテーマを含んだ個別ドラマを説教臭くなることなく、巧みな編集でサラリとまとめあげた。主人公の吉沢は好演。

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コショワイ

5.0観に行って良かった!

2024年11月7日
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泣ける

退屈かも、と思っていたがそんなことはなく、あっという間の105分でした。感動的だけど深刻過ぎず、ところどころクスッと笑えるのも良かった。
考えなく使われる「可哀想」と言う言葉の残酷さを感じました。ろう者は可哀想な人ではないし、コーダも可哀想な子どもじゃないのに。周囲に悪意はなくても、言葉は子どもの心に影響を与えてしまう。
吉沢亮さんは成長していく主人公を見事に演じていたし、今井彰人さんのゆったり構えたお父さんも好きでした。

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bill

5.0両親とも耳が聞こえないという青年。 自宅では手話、外では口と耳で会...

2024年11月7日
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鑑賞方法:映画館

両親とも耳が聞こえないという青年。
自宅では手話、外では口と耳で会話。
周囲から特別扱いされることもあり、違和感も抱きつつ、大人になってゆく様子。

母は一途に息子思い、決して𠮟らず応援してばかり。

大人になって、ある時ふっと親の有難さに気づく息子、
静かに丁寧に描かれていました。

時代や地域の特徴も、一目でわかる隙の無さ、
(ゲーム機やブラウン管、語尾けさいん、仕送りに油麩や海藻)
感心しました。

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忍足亜希子さん(母親役)、だいぶん前に演劇の舞台で観させていただいたことがありました。
"嵐になるまで待って" 2002年、サンシャイン劇場、だったかな…。
その際も、舞台上での手話には圧倒されましたが
変わらないお姿、しみじみ感じます。

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woodstock