「全国でたった一館の上映館へ」Black Box Diaries Akiさんの映画レビュー(感想・評価)
全国でたった一館の上映館へ
今日、T・ジョイPRINCE品川へ行ってきました。
目的はただ一つ、映画『Black Box Diaries』を観るためです。
現在、日本全国でこの映画を上映しているのは、ここ一館だけ。(※2025年12月17日時点)
平日にも関わらず、座席は満席でした。
「全国でここだけ」という事実が、この場所に集まる人々の熱量をさらに高めているように感じました。遠方から来た人もいたかもしれません。劇場内には、単なる映画鑑賞という枠を超えた、ある種の連帯感のような緊張感が漂っていました。
8年間の壮絶なドキュメンタリー
スクリーンに映し出されたのは、伊藤詩織さんが性被害を告発し、勝訴を勝ち取るまでの8年間の記録。
それは、あまりにも壮絶な時間でした。
彼女は「被害者」であると同時に、自らカメラを回し、証拠を集め、真実を追求する「ジャーナリスト」でもありました。
本来なら守られるべき立場の人間が、自分を守るための武器としてカメラを持たざるを得ない。
「たった一人で被害者とジャーナリストという二つの立場」を行き来する姿は、見ていて胸が締め付けられるほど孤独で、強烈でした。
止まるのが怖くて、走り続ける
作中で、彼女は何度もトリガーに怯える日々を吐露します。
ふとした瞬間に襲ってくるフラッシュバック。呼吸が浅くなり、足元が崩れそうになる恐怖。
それでも彼女は動き続けていました。
「止まるのが怖くて走り続ける」
立ち止まってしまえば、巨大な闇(ブラックボックス)に飲み込まれてしまうから。傷だらけになっても走り続けるしかない焦燥感が、8年という月日の重みと共に、今日、この目で見たスクリーンから溢れ出していました。
トンネルの分かれ道
印象に残っているのは、「トンネルの分かれ道」のシーンです。
泣き寝入りをして暗闇に留まるか、茨の道だと分かっていても光を求めて進むか。
彼女が選んだ道は、決して綺麗なだけのヒーローストーリーではありません。
今日、満席の劇場ですすり泣く声が聞こえる中、私が感じたのは「涙とエネルギーは本物」だということ。
絶望的な状況でもユーモアを忘れず、友人と笑い合い、そして時には慟哭する。生身の人間の熱量が、そこにはありました。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
