「大切な人との在り方」ふれる。 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
大切な人との在り方
秩父三部作を経て、再び集まった超平和バスターズの劇場新作。
それはもう嬉しい一報でした。
そして今回は三部作を終えたことからでしょう、クレジットは超平和バスターズではなかったですね。
それと秩父三部作もしれっと青春三部作に変わってましたよ。
今回は離島から出てきた親友三人を中心とした青春偶像劇。
主人公三人は声の演技も違和感がなく、何となくリアリティを感じるくらいでした。
また舞台となる馬場も、学生と社会人の真ん中っぽくてちょうど良かったと思います。
そして彼らの少し危なっかしい部分も、ちゃんと音楽にも出てました。
ここら辺は「ここさけ」からのタッグの強さが伺えます。
あとやはり田中将賀の描くキャラは瑞々しい。今作もとても魅力的な顔ぶれでした。
またウサミチを初め、CVにも秩父三部作の面々が登場してるのも嬉しいですね。じんたんの父ちゃんなんて、見守るって位置関係も同じでした。
そして流石マリーの脚本、今回もみんなして拗れてます。
だから色々ややこしいのですが、そこが何とも気になっちゃうんですよ。
そんな今作のテーマは「ハリネズミのジレンマ」でしょう。
主人公・秋の衝動行動や、ふれるのビジュアルからも見て取れます。
でもそれは大小なり皆抱えているもので、それぞれが傷つけあっていた事と向き合う。そしてまた、その先へと進む。
伝えるということ、心にふれるということ。
大切な人との在り方を優しく包んだような作品でした。
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