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私の家族のレビュー・感想・評価
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当事者目線を大事にする取材
TBSのジャーナリスト、久保田智子さんが自身の家族についてつづった作品。彼女は、特別養子縁組で子どもを授かったのだが、それをきっかけに自らもジャーナリストとして特別養子縁組の取材を続けていた。同時に自分の家族も記録も撮りため、それらをまとめたのがこのドキュメンタリー作品だ。子どもに養子縁組の事実を伝える「真実告知」のあり方が映画の中心になっているが、そこから広げて対話することの大切さを描く内容になっている。久保田さん自身の両親との対話、さらには特別養子縁組に子どもを出さざるを得なかった女性との対話、そこから社会の格差問題なども浮かび上がってくる。テーマを押し付けない、パーソナルなレベルで綴られた映像の背景にしっかりとしたジャーナリストとしての矜持が浮かび上がる素晴らしい作品だった。
特別養子縁組の当事者だからこそ、取材対象者の敷居そ下げ、丁寧に話を聞きだすことができるのだろう。久保田さんのジャーナリストとしての能力の高さも感じさせるし、やさしさにも溢れた作品だ。
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