「おとなにならないと分からない「こどもの話」。」インサイド・ヘッド2 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
おとなにならないと分からない「こどもの話」。
インサイドヘッドの続編は、主人公のライリーが思春期を迎え心の葛藤に悩みながらも成長していく物語だ。相変わらずライリーの素直な性格には共感しかない。前向きで行動力のあるキャラクターが好きなディズニーらしい少女と言えよう。今回も頭の中の個性豊かな感情たちの大活躍に引き込まれた。喜びや悲しみなどの感情をキャラクター化するアイデアは今までにいくらでもあっただろうが、これほどリアルに描いたものはないだろう。色々な感情が頭の中で働いているのを想像するのは難しくないが、感情だけでなく、様々な住民(?)が働いて人格みたいなものを作っていいる仕組みが面白い。それをディズニーらしく美しく壮大なファンタジーの世界にしてしまった。人の心ををアニメ化というか、こんなにも面白く完成度の高い世界を作れるのは、「トイストーリー」や「モンスターズインク」のピクサーしかないと感心する。
本作は、ライリーの成長過程で起こった心の葛藤をドラマティックにコミカルに描いてくれた。現実世界で起こっているのは、ライリーがちょっと反抗的になったり、友達との仲が少し悪くなったりという単純な話だが、頭の中では大変な騒動が起こっている。現実のできごとと頭の中のできごとを同時に見られるのはとても楽しい体験である。
この映画を見て、思春期の少年少女の心理が分かるとか、人の心の仕組みが理解できるという事はないと思う。とにかく見て楽しい作品である。多くの人にとって満足度の高いエンターテインメントであると思う。ただし、こどもにはあまりおすすめできない。感情そのものをエンターテインメントにするなんて、おとなにならないと理解できない話だろう。
コメントする