劇場公開日 2025年4月11日

「なぜ鳩を出さない」サイレントナイト MAKOさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5なぜ鳩を出さない

2025年4月29日
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バイクもロングコートも二丁拳銃も出て来るのに。

さて "バイオレンスの詩人" ジョン・ウー監督のリベンジアクション映画。ここんとこちょっぴりスベりがちだったジョン・ウー監督でしたが、(「マンハント」なんて無かった。いいね。)今作はストーリーをシンプルにしたのが良かったのか、なかなかの快作になっています。

とはいえ全編殆どセリフ無しの本作。自分の行ける範囲では立川のKino cinemaでレイトショー限定公開。ここ全席プレミアムシートだぞ。ウー監督のアクション映画と言えど寝ないか心配。

が、その心配は杞憂だった。

ストーリーは息子をギャングに殺された父親が復讐するという手垢ベットベトで有りながら、主人公は声も失ってしまうという味付けがされている。
これ阪本順治監督の「トカレフ」(傑作。俺の中では)と同じ設定なんだが、この設定がエモーショナルで、且つ主人公の "声に出せない怒り" を主演のジョエル・キナマンは見事な表情演技で表わしている。

何よりこのジョエルさん、顔がイイ。
主人公は声を失っているので必然的に表情演技とアップが多くなるのだが、そのアップに堪える実に "イイ顔" をしている。

これは単にハンサムというだけでなく、10代や20代では出せない、良い意味で油の乗った中年俳優だから出せる魅力的な漢の顔だ。
何処かで観た顔だと思ったらリブート版「ロボコップ」だったか。いや、アレも無かった事にしよう。

そんな魅力的な主人公だが、この作品はリベンジ物に有りがちな『ナメてた親父が殺人マシーン』映画ではなく、『ナメてた親父が一般市民』だったりするので、正直前半はちょっぴりダルい。
だがこれは一般市民が主人公だからこそ映画に必要な溜めだ。この溜めが有るからこそクライマックスでエモーションが爆発する。

ジョン・ウー監督、"バイオレンスの詩人" の面目躍如と言える久々の快作だった。

鑑賞のハードルが妙に高いが、配信になってからでもいいんで少しでも多くのアクション映画ファンに見て欲しい。

オススメ。

MAKO
lynx09bさんのコメント
2025年4月30日

コメントありがとうございました。今回は"良いジョン・ウー"で嬉しかったですね。二丁拳銃と共に、もちろん鳩にも突っ込んでました笑

lynx09b
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