劇場公開日 2024年2月9日

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「大学時代の恋の甘さと切なさを思い出す」同感 時が交差する初恋 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5大学時代の恋の甘さと切なさを思い出す

2024年2月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

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幸せ

最近、韓国映画の魅力に気づき、たまたま行きつけの映画館で本作が上映されることを知り、公開2日目に鑑賞してきました。本作はリメイク作品のようですが、元の作品を知らないので比較はできません。客入りもパッとしませんでしたが、多くの人が共感できるような内容でなかなかおもしろかったです。

ストーリーは、大学生のヨンが、無線機でたまたま繋がった相手ムニが同じ大学に通う女子学生だと知り、大学構内で待ち合わせて会おうとするものの会えず、一方のムニも約束をすっぽかされたと怒るが、交信を重ねるうちに二人は違う時代を生きていることに気づき、しだいに打ち解け、互いの悩みを相談し合うような不思議な信頼関係で結ばれていくというもの。

ヨンとムニは20年余り異なる時代を生きており、流行や文化に違いはあれど、本質的な悩みはたいして変わりません。だからこそ互いに共感できたし、顔の見えない無線だからこそ素直に本音で話せたのだと思います。なんだか現代のネットの繋がりにも、似たものを感じます。

そんな二人が時間を超えて互いの恋愛を応援しつつ、信頼を高めながら強い絆で結ばれていく過程が、丁寧に描かれていたのはよかったです。ムニのアドバイスを聞いたり、ヨンの言動を見守ったりしながら、こちらまで学生時代の恋を思い出して、甘い気持ちになったり切なくなったりします。あの時こうしていれば…なんてことは人生に多いですが、迷ったその時こそがタイミングで、自分の気持ちに素直に従うのがいちばんいいのかもしれません。といっても、とかく一歩を踏み出せない自分には、いつまで経っても難しい課題です。

時を超えた交信は、「シグナル」「9月の恋と出会うまで」など、これまでもいろいろな作品で観たことがあります。どれもなかなかおもしろかったのですが、タイムパラドックス的な話になると急に難しくなります。しかし、本作ではそのあたりに触れていないし、登場人物も歴史を変えようとしないので、最後までわかりやすいです。また、亀の演出もよかったし、ラストの傘も印象的でした。

ただ、ヨンの勘違いでの暴走ぶり、姿を隠した彼を追わないハンソルには違和感を覚えます。結局、二人は結ばれない運命だったと考えるべきなのでしょうか。また、全体的にゆったりしたテンポで描くのはいいのですが、中盤はやや間延びした印象を受けました。あと、ヨンのその後が描かれたのはよかったですが、あまりに若くてびっくり!大切なシーンなので同じ俳優でいきたかったのはわかりますが、もう少し老けメイクをしてもよかったのではないかと思いました。

主演はヨ・ジングとチョ・イヒョンで、無線を通じて親しくなっていく自然な感じ、それを経て初めて出会う終盤のシーンは名演です。脇を固めるのは、キム・へユン、ナ・イヌらで、みんなキラキラしています。

おじゃる