シルバー 夢の扉のレビュー・感想・評価
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ティーンネイジャーにおすすめ
夢という不可思議なものを、誰かと共有してしまうという発想が面白い。
これを一言でファンタジーと言ってしうが、多感な時期は、とかく不可思議なものを信じたい。自分自身の夢を叶えたいように。
私たちは五感を通して世界を感じるが、それは単に脳によって作られた集団的妄想とも言える。
夢と一蹴することはできるが、夢を共有するとそれはもう夢ではなく現実なのだろう。
共有した夢とその世界に取り憑かれてしまったアナベル。
彼女の発想は確かに行き過ぎたものだったが、これもまた若気の至りで、死んだはずの女性が生き返ったことは、そもそもまだ夢を見続けているのではと思わせる。
最後のシーンに登場してしまったあの、ゲッコーの扉が何を意味するのかということだ。
これはそもそも我々はずっと死ぬまで夢を見ているという作者のメッセージなのかもしれないが、個人的には、母の再婚によって始まった物語と、父に対する謝罪の念が消えない主人公へ、父が成したささやかなプレゼントのように締めくくってほしかった。
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