「指、脚の切断、老いにも負けないバイタリティの凄い人」かづゑ的 りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
指、脚の切断、老いにも負けないバイタリティの凄い人
1928年に岡山県の北東部で生まれ、10歳の時、瀬戸内海の長島にある国立ハンセン病療養所・長島愛生園に入所し、それから約80年、ずっと島で生きてきた宮崎かづゑさん。彼女は、病気のため手の指や右足を失い、視力も低下していたが、周囲の支援を受けつつも、買い物も料理も自分で行っていた。子ども時代にはイジメにも逢ったが、家族の愛情とたくさん本が彼女を救ってくれた。そして、長島愛生園で出会った孝行さんと結婚してからは、海沿いの夫婦寮で暮らしてきた。そんなかづゑさんを2015年に初めて訪れた熊谷監督が、翌年から6年間、映像に収めたかづゑさんのドキュメンタリー作品。
熊谷博子監督のトークショー付きの回を鑑賞した。
らい病(ハンセン病というのは嫌い、とかづゑさんが言われてた)回復者の様子を知る、というだけじゃなく、常に新しいことに挑戦しているかづゑさんの生き方に感動した。
事実を知ってもらうため、という事で風呂にまでカメラを入れて脚の装具を外すところから映させるなど、なかなか出来る事じゃないと思った。
多くの人が年賀状さえやめようとする年齢の、78歳の時にパソコンを始め、スプーンを曲げてタッチ棒で文字を打ち、84歳で初の著作を出版など、そのバイタリティには頭が下がる。
熊谷監督から、鑑賞した日も岡山の映画館に来られた、と聞き、最近は水彩画にも挑戦されてるようで、96歳になった今でも精力的に活動されているらしい。
本当に生きる見本となるような人で、還暦過ぎの自分なんてまだまだ若造みたいなもので、もっと頑張ろうと思わせてくれる素晴らしいドキュメンタリー作品でした。
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