「ドキュメンタリーには事実を紐解いていくものと人物を深く掘り下げるものがあるが、本作の被写体はあまりにも強烈なので、それを受け止めて進行していく監督の手腕が見事だ。」かづゑ的 jollyjokerさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーには事実を紐解いていくものと人物を深く掘り下げるものがあるが、本作の被写体はあまりにも強烈なので、それを受け止めて進行していく監督の手腕が見事だ。
当時の政策により隔離された患者たちは、閉じ込めと差別により二重の人権侵害を受けた。かづゑはいじめられた時に「怖い」と感じたけれど、本を読み思いを綴ることで強くなったのだろう。かづゑはかわいくて強い人だ!いや強くなったのだ。そしてそのように生きてこられたのは、愛情をたっぷり受けて守られているという思いがあったからなのだろう。いじめとは、いじめる側の欲求不満からなるものだと改めて思うし、差別とは無知からくるものだということも再認識する。
療養所の職員も島の人々もかづゑたちに寄り添い安心できる環境であることが見て取れて嬉しい。時代と共に厳しい環境にある人たちの暮らしが少しでも改善されていくことを願う。
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