劇場公開日 2024年5月24日

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「【”自分なんかって言うのは止めようよ。”今作は不器用だが心優しき男女三人の出会いと少しだけの成長を、美味しそうな料理と熊本城が復興していく様とを併せて描いた作品である。】」三日月とネコ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【”自分なんかって言うのは止めようよ。”今作は不器用だが心優しき男女三人の出会いと少しだけの成長を、美味しそうな料理と熊本城が復興していく様とを併せて描いた作品である。】

2025年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

癒される

■熊本地震が起きた夜。同じマンションに住んでいた45歳の書店員のアカリ(安達祐実)、精神科医のカノコ(倉科カナ)、アパレルショップ店員のジン(渡邊圭祐)は、アカリとカノコが連れて来たネコを介して仲良くなり、その後共同生活を始めるのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・結論から書くと、好きな風合の作品である。
 思い出すのは、荻上直子監督の傑作「かもめ食堂」を筆頭にした初期数作品と、映画製作会社【スールキートス】の諸作品である。
 この映画のフライヤーを見ると、【スールキートス】は関わっていないが、上村奈帆監督が、作家の網田すみ江を小林聡美さんにキャスティングしたのは、少し意識していたのではないかなと勝手に思う。
 あとは、料理が美味しそうな映画には、ハズレが無いというところかな。

・登場する人物は、どこかで”自分なんか・・。”とか少しだけ自己肯定感が低い人が多いのだが、それ故か、皆、他者に優しく温かいのである。そして、自己肯定感が低い人を見ると””自分なんかって言うのは止めようよ。”と、つい、言ってしまうのである。
 私は自己肯定感が低い人には、他人に配慮出来る心優しい人が多い気がするのだなあ。

・アカリが、書店の網田すみ江のサイン会に担当として来たナガハマイッセイ(山中崇)の料理レシピのファンだった事から、急速に仲が良くなっていく様を、カノコが少し寂しそうに感じて居たり、パンセクシュアルのジンが、店にお客さんとしてきたツグミ(石川瑠華)に一目惚れしてデートするも、彼女からアセクシュアルと言う悩みを抱えている事で、振られるという展開も、網田すみ江の熊本の別宅で皆でバーベキューをする時に、ジンがキチンとツグミも誘ってあげるシーンも良かったのである。
 ”私なんかが、こんな幸せな・・。”と自分の家庭の事を涙ぐみながら話すツグミに”自分なんかって言うのは止めようよ。”と、アカリが優しく言う姿がね。

・そして、ジンは大阪に短期出向し、アカリはナガハマイッセイの誘いを断るのだが、それでも皆の繋がりは続いて行くのである。
 更に言えば、今作品では、彼らの関係性の向上と、一人一人の成長とが、熊本城の徐々に復興していく様とも掛け合わせている気がしたのである。

<今作は不器用だが心優しき男女三人の出会いと少しだけの成長を、美味しそうな料理と熊本復興とを併せて描いた作品なのである。>

NOBU
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