三日月とネコのレビュー・感想・評価
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ネコと共同生活
三日月の綺麗な夜に「鹿乃子」が拾った子猫が「三日月」、ネコというのは「灯」の飼っていた「まゆげ」と「仁」が譲渡会で引き取った「フー」と「ギー」のことでしょう。だから、タイトルはすべてネコです。 熊本地震がきっかけで「鹿乃子」の部屋で共同生活をすることになった同じマンションに住む「灯」と「仁」。ただ、幸いマンションは無事だったのに自分の部屋に戻らないのは不可思議、賃貸だったのかな、熊本地震を単に共同生活させるための口実に使っているだけで災害の社会性ある描写は皆無、猫たちは確かに可愛い、原作コミックのウオズミアミさんは熊本在住、調理師免許を持ち多い時で5匹の猫を飼っていたという大の猫好きだから猫と美味しそうな料理が隣人の心を繋ぐプロットを書いたのでしょう。
ただ、おじさんにしてみれば妙な共同生活の様にはあまり関心が持てず退屈でした、ごめんなさい・・。
とても暖かくなる作品
独特の世界観に入り込めれば面白い作品
灯を演じた安達祐実、鹿乃子を演じた倉科カナ、仁を演じた渡邊圭祐、
それぞれの役者は良い味を出していましたが、
この赤の他人の3人が一緒に暮らすという世界観がどうにも私は共感できなくて
誰にも感情移入できず、終始客観的に鑑賞していました。
2016年の熊本地震をきっかけに一緒に暮らし始める3人ですが、
3人の内、誰かにベクトルを向けたコンフリクトは発生しないんですね。
灯の身、仁の身に起きる出来事を通して、ズレが生じたりはするものの、
この3人の関係性は盤石なわけです。
ただ、鹿乃子は実は灯が好きなのではないか・・・的な微妙な表現はあります。
直接的には表現しないので謎のままですが、おそらく鹿乃子に男の影が見当たらないのは
そういうことではないかなと感じました。
ここだけが謎のままであり、観客に解釈が委ねられているところでしょう。
この3人とネコたちが醸し出す独特の緩さは、心地良いです。
特に灯が泣いてしまうシーンが複数あるのですが、私も油断して涙が溢れてしまいました。
純粋な気持ちで観ていると、心は震わされますね。
そういう意味では良い作品であることには間違いないです。
しかしながら、こういう世界が成り立つというのは、やはりファンタジーだと思うんですね。
なので、本作にはリアリティを求めず、ファンタジーとして割り切って観ると
面白いと思います。
安達祐実も倉科カナもよい歳になっていますが、まだまだお若いですよね。
今後も映画での活躍を期待しております。
白い長毛種、
ほっこりしたいときにどうぞ
原作未読です。
きっとファンの方も多いのだと思いますが、
僕自身にはちょっと合わなかったかなぁ。
あまりに波風立たな過ぎて、いい人ばかり。
なんだろう、、、優等生たちがちょっと爪先に
ささった棘の痛みに一喜一憂しているだけに
見えてしまって・・・。。
(決して震災を軽くとらえているということでは
ありません)
色んな事が奇跡的にうまくまとまっていく物語
っていまいち好きになれないんですよね。
心のどこかで「うそーん!」って思っちゃうのです。
多様性のある登場人物はなかなか興味深いのですが。
けど、毎日の生活に少々お疲れの方には
良い癒しをいただけるのではないでしょうか?
なお、石川さん、あいかわらず癖ある人物
好演されてました。
結構単調な進行のため、面白さは少しかけるが、当たり前でないと行けな...
大人のお伽話です。癒されたい人はどうぞ…
例えるなら、カチカチ山の原文をそのまま映画にしたのが”万引〇〇”だとすれば、通常世間的に知られてるバージョンを映画化したのが、本作品て感じかな。
今の日本は昔にくらべて、ずっと選択の幅は広がり自由である。しかし、なぜか、同調圧力が依然として幅を利かせ、ストレスに沈む社会である。いま、ネコは自由の象徴であり、三日月は欠けた希望が満ちて行く象徴である。
立派な賞を受賞した、映画がこの映画より優れているというつもりはない。映画の狙いが、全く違うのであるから、優劣はつけれない。そこは好き嫌い、とかアカデミックな権威はこうあるべきと思うか思わないかによると思う。
日本の社会を痛烈に批判したいひとには、お勧めしないし、お伽話としての風刺がききつつも、癒されたい人はぜひ映画館へ行くべきであると思う。
安達祐実、倉科カナ、渡邊圭祐の立ち居振る舞いを見ているだけで、のんびりした会話を聞いているだけで、癒されてしまう。こんな大人になれたらいいなと、単純に思ってしまうほど、いい人たちである。
それに、人物像を必要以上に、深堀はしていないので安心して鑑賞できると思う。
あと、大事なことだけど、サブスクリプションやTVの番組で観ることはお勧めしない。あくまで映画館でお金を払って鑑賞すべきである。
積極的に浸りにいく気持ちがないと、いまいちよさは分からない、そんな映画である。
良作
最初はタイトルの影響もあり、動物映画的なイメージがあり、躊躇していたが『書くが、まま』の上村奈帆監督の初商業映画という1点だけに期待して観ることに。
地震直後に避難したネコ連れ同志の女2人とネコ好き男1人が出会い、意気投合し、3人はそれぞれの事情を抱えながら一緒に暮らし始める。
よくありがちな設定かもと思いながら見ていたがこの3人のキャラクターのありふれた生活ぶりがゆるくて心地良い。次第に3人は現代らしいジェンダーを超えた信頼関係が生まれるのだが……
途中から動物映画じゃないのは、分かってくるのだが、3人から広がっていく、人との繋がり、そして人間の機微がしっかりと描かれており物語の世界に酔いしれていく。
『書くが、まま』は動のエネルギー溢れる映画だったが、本作は静の抑えたエネルギーが溢れ落ちる大人の映画だった。
改めて上村監督は、気持ちをパトンのように繋いでいく、愛の伝統師のようだ。黄金の松竹映画のようでもあり、現代の繊細なリアルな映画でもある。等身大の揺れ動く中年女性を演じた安達祐実もなかなか良い。
いい作品。
自由奔放で未完成だから出会い必要とし補っていく
2024年劇場鑑賞40本目 優秀作 72点
地震が起き避難した先で、同じ住宅で猫好きでしばらく余震が心配だから一緒にいないかとひょんなことから共同生活が始まる
個人的に世間の評価より好みで楽しめた印象
渡邊圭祐やっぱり顔綺麗ね、愛のいばらでも女二人に囲まれて羨ましい限り
それでいて前回は玉城ティナで今回は倉科カナ?間違いなく30代後半で一番キレカワで終始至福でした
ストーリーでいうと、直接的なセリフはなくても三者とも過去に痛みを抱えているのがわかるし、一個人付き合いの修練を越えて寛容な姿勢を感じる
三者が出会う人みんな温かく柔らかいところがある人物なので、転職と結婚だっけ?を気に共同生活解散になるけど、全員集結して囲んだラストは自分もこんな出会いを羨む様で涙が出ました
是非
餅ではなく、パン
この作品は、不幸の上に建っていない。
震災にも特段被害は受けず、過去にトラウマもなく、最後まで悪いことは起こらない。
それでも全員が“欠落”を感じている。
とにかく少々“普通”のレールから外れているだけで、“何となく”満たされない、というのはリアル。
ここに共感できるかどうかが分かれ道だと思う。
クライマックスは、どちらを選んでも幸福な、それ故に選ばなかった方にも未練が残るという贅沢な2択。
最終的に「どっちも選ぶ」というあまりに都合のよい結論なので、否定意見も多いだろう。
しかし個人的には嫌いじゃない。
3人の共同生活とか、作家といきなり仲良くなる鹿乃子とか、まぁそういう縁があってもいい。
偶然にも相互フォローしてた灯と長浜とか、全員の転機が同じ日に訪れる奇跡とかも、まぁ映画だし。
灯の少女性に鹿乃子の惑い、つぐみの拗らせに網田の安心感、長浜の穏やかさも非常に良かった。
ただ、仁だけは有り得ない。
灯と鹿乃子の時も、つぐみの時も、初手があの距離の詰め方でその後の発展はないでしょ。
2年を共に過ごした同居人ならいざ知らず、長浜をいきなり呼び捨て、大荷物を引かせてスタスタ先頭を歩く。
家事を手伝うなどもなく、端々で不快感を覚えた。
映画的なドラマ性のないリアルさと、ご都合主義のバランスが受け入れられないとキツい作品。
されど食事は尽く美味しそうで、安達祐実と倉科カナの、何よりネコの可愛さには抗えない。
大人の成長物語…に見せかけた成長しない物語?
こういうジャンルはまだ健在だったか
三人暮らしをしてる登場人物たちを「それで良いんですよ」って描く映画だね。
三人に関わる人たちが「それで、良いんだよ」って言ってくれて、果たしてそんなに都合が良いことがあるだろうかと思うんだけど、いいんだよ。
「丁寧な暮らし」みたいのも全肯定されてるね。
登場人物の想いみたいなのは、シーンを通じて察するとかなくて、みんな台詞でやってくれるから分かりやすいね。全部、台詞でやるとつまんなくなるんだけど、必ずそれを食事のシーンでやるからか、なんかもつの。発明だね。
そんな感じで「うん、うん」「それで、いいな」「それでいいんだよ!」という感じで話は進むね。ほんとにそれでいいかは知らないよ。登場人物にそこまで感情移入ができないので「うん、好きにしたら良いと思うよ」しかなくなるね。
話の設定にマイナス要因があると思うんだけど、安達祐実と倉科カナがなんとかしちゃう。すごいね。
安達祐実は年相応の役だったね。少しメイクに凝るといまだに女子高生役もできたりするから、逆に、むしろ老けメイクという感じで45歳を演じるのが新鮮だった。
中盤まではイイ感じなんだけど・・・
地味な公開、あらすじ紹介を観てもあまり興味の湧かない作品だったが、倉科カナのキャスティングのみに惹かれて観賞。
【物語】
40代の独身女性戸馳灯(安達祐実)は熊本の書店で働いていた。ある晩マンション自宅に居たとき熊本地震に襲われる。
揺れが一旦収まり、飼い猫を連れてマンションの庭に避難していると、同じマンションに暮らす30代の精神科医・三角鹿乃子(倉科カナ)に声を掛けられる。鹿乃子も猫を連れていたため、猫の話題で盛り上がる。そこに猫好きの20代のアパレルショップ店員・波多浦仁(渡邊圭祐)が加わわった。
この晩を契機に3人の奇妙な共同生活が始まる。2年が経過し、3人はその暮らしに強い充足感を覚えていた。 が、灯に仕事上で知り合った長浜(山中崇)という男に好意を寄せられたことで、3人の暮らしに変化が起きようとしていた。
【感想】
現実にはちょっとあり得ない設定。
震災で住居を失い、避難所で数カ月共同生活を送った後の仮設住宅ならあり得るか?
避難所暮らしをしたら、よりプライバシーを確保の欲求が高まって、やっぱりないか。まして異性である。
そんな無理な設定なのだが、中盤までは「こんなこともあるかな?」と思わせてくれる日常が描かれる。今どきの価値観多様化、LBGTQ的要素も織り込まれて、「有ってもおかしくない」と感じさせ、3人の世界に癒しを感じることができ、楽しむことができた。
しかし、灯の前に長浜は現れてから「この生活は長くは続かない」という現実に引き戻され、リアリティーを醸す展開も良かった。
「そりゃ、そうだよな」と。
不満を覚えたのはその後の展開。意外性はなくとも、そのままソフトランディングしてくれれば良かった。再びリアリティーから離れる結末にちょっと不満。
俺的には3人の暮らしは「一種夢のような大事な思い出」として胸に残したまま3人それぞれ“普通”の暮らしに戻ってくれた方がスンナリと受け容れられた。
頭では多様性を認めても、実感として受け容れられていないジジイの感覚かも知れないないが。
不思議
痛みを知るひとのための映画
違和感のある共同生活
同名コミックの実写映画化で悩める大人たちの共同生活を描いた物語。猫が主役のストーリーと思いきやネコの登場シーンが少なく予想外の展開でした。違和感のある強引な共同生活で現実味に欠ける印象を受けた。
2024-93
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