「事件がどのようにして未解決になっていくのかを描いた映画」12日の殺人 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
事件がどのようにして未解決になっていくのかを描いた映画
予告やチラシで完全にミスリードしていて、ミステリーサスペンスではないなあというのが率直な感想です。
12日の夜に起きた殺人事件がいかにして未解決となっていく様を
事件の捜査状況を詳細に描いています。
ミステリーサスペンスときたら、事件がどのように解決されるのか、犯人を特定するのかが見どころだと思うのですが
そうではなく、どのように未解決になっていくかが、この映画の視点ですね。
新しいと思いました。
しかしながら、ミステリーを期待した方は大空振りな気がしますね。
ポスタービジュアルの女性、クララはほんのちょっとしか登場しないにもかかわらず、
聴き取り捜査が進むに連れて、人物像が浮き彫りになっていくのは、すごいと思いましたし、怖いとも思いました。
かなりやんちゃな女の子だったようで、そりゃあ事件に巻き込まれてもおかしくないよな〜とも思いました。
出てくる容疑者の男たち、全員怪しいですからね。それもどうかと思うくらい怪しいですよ。
でも特定はされないんです。決定的な証拠が何ひとつないんですね。
現代において、殺人を犯して犯人の特定ができないことなんてあるのか!?と不思議に思いつつ
こうやって未解決事件化していくという、やるせなさを感じました。
主人公の 刑事、ヨアンとマルソーの関係性がすごく良くて、
お互い本音でモノを言えるって素晴らしいなと思いました。本当の親友とはこういう関係性なのでしょう。
というわけで、新たな視点のミステリー作品でした。
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