「事実は小説より奇なり」12日の殺人 yanpakenさんの映画レビュー(感想・評価)
事実は小説より奇なり
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実際の事件に基づくストーリーとのことだが、どこまでが事実に基づいているのか、気になった。被害者の男性関係はたぶん、実際と同じように描かれているのだろう。実際より奔放に描けば、社会問題になるはずだ。でも、全くのフィクションだと思って見たとすると、「これほどまで犯人の異性関係が奔放だと、嘘くさくて笑ってしまう」と思ってしまう。相棒が警察をやめるという理由も、あまりに陳腐な夫婦関係が理由だ。見ているときには「こんな陳腐な話でよく賞をとったな」と思ってしまった。よくよく考えると、これも事実であるかもしれないので、仕方ないというか、事実は小説より陳腐なのかもしれないと思った。
でも、映画としてそういうベタな(ベタすぎる)話を盛り込むからには、その効果を考えて作られた映画ということになる。そう考えると、「ノンフィクションよりも真実にせまったフィクション」という映画のようにも思える。世の中は人が思うより陳腐であり、映画にすると嘘くさいことが大半なのかもしれない、とあらためて認識した。
でも、主役の刑事が無表情で私生活も謎。自転車こぐのが趣味だということしかわからない。案外、陰で色々やってるんじゃないのか?と勘ぐりたくなる。映画を見終わって犯人は誰だったのか考えたら、一番謎なのは主人公。真犯人はこの主人公の刑事だ、という結末も可能な気がする。
映画評とか宣伝では、スリラーとかサスペンスに分類されていて、「おぞましい未解決殺人事件」という感じの映画と思っていたが、その辺は完全に肩透かしを食らった。特に、終わり近くの墓場での変態行為は事実に基づくのだろうが、予想を超えた映像だった。
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