「マルソーは山へ還った」12日の殺人 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
マルソーは山へ還った
クリックして本文を読む
実際にあった未解決事件を元にしているとのことで、真相が解明されないのは分かっていた。
『落下の解剖学』同様、逆にそれでどう面白くするのかと興味を惹かれたが、結局これは何なのか…
ヨアンはじめ刑事たちが事件を捜査する様子をひたすらに追う内容。
しかし未解決前提という以前に、終盤まで糸口となる手がかり一つ見つからない。
被害者のクララについても、性に奔放だったこと以外何も分からず。
そのくせ事件と関係ない情報が多い。
前班長の定年退職、マルソーの離婚問題、同僚の結婚、DV男と現恋人との関係性。
大量の調書とサービス残業、壊れたコピー機、小便撒き散らし口論、警察の男性社会。
墓場の男が歌った曲が意図するところも自分には分かりません。(単に悼んでいただけではダメなのか)
そもそも捜査員が総じて感情的すぎて受け付けない。
署内での飲酒をはじめとした働き方も含め、フランスの警察ってこんな感じなんですかね。
度々挟まる自転車のシーンは、堂々巡りの閉塞感が現れていてよかった。
しかし、全体として事件より警察の実態(?)と性差別を描いているようにしか見えず、面白さを感じなかった。
山に消えていくマルソーのカットだけは面白かった。
コメントする