劇場公開日 2024年3月15日

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「冒頭の文字情報」12日の殺人 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0冒頭の文字情報

2024年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

劇場鑑賞前、出来る限り情報を入れないのが私の流儀。劇場鑑賞を決めるためにざっくり各レビューサイトの「点数」くらいは基準に確認しますが、あらすじすら知らないで観に行くことが多いため、鑑賞しながら「ああ、そういう映画だったのね」と気づくことも度々です。
で、本作は観始めてしばらく「ミステリー」と思いきや、案外事件そのものの情報性よりも刑事たちの捜査に取り組む様子を丁寧に、時に感情をぶつけたり、或いは、実生活を線引きしきれないような「人間らしさ」が垣間見えることに親近感や面白みを感じます。
それにしても、まだ「ミステリー」の線も捨てきれずに観進める中盤、なかなか進まない展開にじりじり。隣のおじさんは寝落ちしてるし、私自身もすこーし飽きてきます。そこで、なるほど冒頭の文字情報はまさにこの作品そのもののことを言っているのかと気づき、むしろ「にしちゃぁ長い。。。」と思い、私も作品より隣のおじさんに引き込まれそうになりつつも頑張って踏みとどまります。
結局のところ、この作品を「映画」にするために事件の被害者が若く美しい女性であり、且つ、殺害方法が残忍であることが「興味」を惹かせる(或いは持続させる)ためのただの「要素」になってしまってて、むしろこの結末に対して若干の騙された感は否めません。オチが欲しいとは言いませんが、それならもっと社会性に振って、たとえ地味になっても現状に対して訴えるような作品性の方が誠実な気がします。
刑事たちに対し同情や感謝も感じ、面白いし有意義な題材なので少々勿体なく感じます。何なら、前情報を入れておいた方がもっと味わいを感じることが出来たのかもしれませんが、基本は今後も流儀を変えることなく、出来る限り「初見感」を楽しみにします。
惜しい。

TWDera