「B級SF映画っぽい散らかり方」VESPER ヴェスパー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
B級SF映画っぽい散らかり方
B級SF映画の魅力は説明しがたい。予算をかけた映画よりも映像はしょぼいかもしれないけど、そこには攻めてる姿勢と低予算なりの工夫、そして何より監督の豊かな発想が詰まっている。もちろんハズレも多いのだが、青田買いなところもあるので気にしないようにしている。
さて、本作。いきなり基本的な世界観を字幕で説明する乱暴さ。しかも結構適当な感じの設定。いや、わかるんだけど。ここらへんB級ぽい。でもその設定自体はそんなに悪くない。人の顔が書いてあるドローンはとてもいいし。寝たきりの父親が操っているあたりもちょっと面白い。
そこに登場する女性の存在とその正体。ここらへんがカギなのだが、どうにも乗り切れない。この世界観を消化しきれていないからかもしれない。後半の盛り上がってくるところもなんでそんなことになるのかが理解できない。そして、ラスト。なんだそれ?結局何がしたかったの?という終わらせ方は、モヤモヤ感が強まるだけだった。
あぁ、もしかしたらこれは壮大なストーリーの序章的な扱いで、いろいろとわからないままになっているものは続編で明らかになるのか、なんてことを考えてもみた。でも、続編ができたときに観たいと思えるかどうかは自信がない。青田買いとしては成功にはならなかったかも。
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