「はっきりとモノが言える関係性の素晴らしさ」ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
はっきりとモノが言える関係性の素晴らしさ
ホリディに学校で過ごさねばならない3人、
先生のポール(ポール・ジアマッティ)、生徒アンガス(ドミニク・セッサ)、
そして料理長メアリー(ダバイン・ジョイ・ランドルフ)の織りなす人間ドラマが
実にあったかくて心に沁みました。
先生も生徒も料理長もいろいろと心に抱えているものがあって、
健康じゃないんですよね。
であるがゆえに、言葉がキツかったりするんですね。
それは先生と生徒が同じ薬を飲んでいることがわかったり、
料理長の息子が戦死していたりするので、いろいろと事情を抱えているんです。
だからこそ、ここ3人が心を通わせていくというのは理解できるんですよね。
ポールは厳格な先生でありながら、自分の経歴に嘘をついていたりする、
でも、そこにアンガスは共感できたりするんでしょうね。
3人がボストンへ旅行することによって、
ポールとアンガスがお互いのダメなところを言ってもらうというシーンは
成人発達段階が高くないと、到底受け入れられないのだと思うのですが、
信頼関係ができてくると、それが言える。その関係性こそが人生の宝だなと思いました。
ラストのポールの言動が実に素晴らしく、それでアンガスを救う、
でも自分は去らなければならなくなってしまう、おそらくはそこまでわかっていての行動ですから
感動もひとしおですし、人って自分次第で変われるんだなということを
あらためて学ばせてもらったように思います。
どこがオススメ!?と聞かれると、なかなかこたえづらい作品ではありますが、
ちょっとビターながらも、鑑賞後感が素晴らしい作品です。
できれば、クリスマスシーズンにもう1度観たいですね。
共感ありがとうございます。
先生が薬をガバッと飲み込むシーンはちょっとびっくりでした。ジムビームばかり飲んでいたのも体臭ごまかしですかね? 心が通ったのか、夢の島慣れしたのか、終盤はあまり臭さに触れられてませんでしたね。
確かに東京でも新宿と銀座でしか見られない地味な作品もたくさんありますが、この作品はやはりアカデミー賞に複数ノミネートされた作品ですから、多くの方に届くのは嬉しいことですね。知的な方が多かったと思います。