「心温まる3人の物語(と、それ以外⁈)」ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ prishouさんの映画レビュー(感想・評価)
心温まる3人の物語(と、それ以外⁈)
名門校の寄宿舎で、クリスマスなのに母親から急遽学校に残るように言われ、居残りとなったアンガスと、頑固な教師ハナム、ベトナム戦争で一人息子を亡くしたばかりの料理長のメアリー、この世代も境遇も違う3人が織りなす奇妙な共同生活。
口も悪く、教師の言うことも聞かない“問題児”アンガスと、とにかくルールを守らせようとするハナムとの間には、大きな隔たりがあります。
しかし、さまざまなぶつかり合いがある中で、時にメアリーの仲介により、少しずつお互いの背景を知るようになり、2人の間に“絆”のようなものが芽生え始めます。
その過程がユーモラスで、温かい。
非行少年の更生を支援している方が「“問題児”というのは、子どもが問題なのではなく、問題を抱えている子どもなのです」という話を思い出しました。
そんな微笑ましいストーリーに体を預けていると、衝撃のラストが待ち受けていました。それは悲しくも、清々しい幕切れ。伏線の張り方も絶妙で気持ちいい!
逆に、母親や同級生、他の教員など、周りの登場人物が救いようのがなく悪い奴ばかり(という描かれ方)で、スッキリしない感情が残りました。
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