「孤独な人物たちの家族のような絆への道程に心温まる」ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ entranslopeさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独な人物たちの家族のような絆への道程に心温まる
久しぶりの洋画。
舞台が1970年代のクリスマスシーズンの、雪に閉ざされた名門校の寄宿学校を舞台とし、家族の待つ家に帰らず・帰れず留まらざるを得ない事情を抱えた、堅物の教師と料理長と反抗的な生徒の物語。
反発し衝突し合っている彼らが、発した発言や行動に至ったそれぞれの孤独の背景を互いに見て聞き知ることで、だんだんとまるで家族のような絆を強めていく様に心温まった。
教師の専門が古代史ということもあり、ギリシア、ローマ時代の歴史的事実や有名な言葉・美術品なども映画内に散りばめられ、その時代に教養的観点で興味がある向きにも楽しめるものと感じた。
中盤以降で Entre nous アントルヌー=ここだけの話・内緒ですよ といったワードが出てくるあたり、打ち解けてきている仲であることを彷彿とさせるのが上手い。
たまの摂取に程良い、じっくりと味わう映画。
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