「母、真夜中の大冒険」ゴースト・トロピック 草マクラさんの映画レビュー(感想・評価)
母、真夜中の大冒険
ベルギーの映画作家バス・ドゥボスの長編第3作。
ブリュッセルの町を舞台に、最終電車で乗り越してしまった主人公である初老の女性が真夜中の町をさまよい、その中での思いがけない出会いがもたらす、心のぬくもりを描く。
と解説されていたが 思いがけない というワードに対しては個人的に違和感。
なぜなら未開の地に歩を刻む彼女の姿は、さながら物語の勇者のようで
その道中に生じた事柄全てに必然性を感じたからだ
終電後の街はその土地を知らない人からすればある種の異世界。
ありふれた、むしろ少々陰鬱な主人公のキャラ設定があるからこそ
非日常における彼女の吹っ切れたような行動や一見過剰な好奇心にも
どこか共感を抱かずにはいられない
複雑な設定やSF的要素を駆使するでなく
極めてありふれた題材で非日常的、大衆的を表現した
素晴らしい作品でした。
それにしても海外作品の 冬➕路地 の組合せはなぜあんなにも
心を凍えさせるのか…日本の街頭の多さに感謝したいと思いました。
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