港のひかりのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
日本海を臨む能登の寒村。
元ヤクザの三浦(舘ひろし)は、新参の漁師として細々と暮らしていた。
ある日、漁の帰りに、同級生からからかわれる白杖の少年(尾上眞秀)を見かける。
少年の名は幸太。
両親を事故で喪い、自身は視力を失った。
いまは自堕落な叔母(MEGUMI)に引き取られている・・・
といったところからはじまる物語。
藤井道人監督には「東映映画が似合う」と以前から思っていたが、木村大作のカメラを得て、令和版『冬の華』とも言える堂々とした東映映画になっていた。
三浦役の舘ひろしが少々歳をくってる感はあるが、40代の俳優では、悲哀などが出ないだろうから致し方ないか。
藤井道人監督、木村大作のカメラを得たので、演出では「音」に力点を置いた。
白杖の地面を叩く音、キーホルダーの鈴の音。
ともに、画よりも先に音を届けていた。
このあたりの演出は、忘れずに記しておく必要があろう。
後半、物語がやや荒っぽく粗くなってくるのだが、そこは目をつむって、満足の一編。
後半残念
前半、子供とのやり取りは良かった。充分、複線は作れたし感動出来た。
泣けるシーンも豊富であった。が、
後半のストーリー展開の雑さは頂けない。三浦の正体や病院に連れて行ってくれた事実を知るシーン等。特に、最後のヤクザとの攻防は突っ込みどころ満載で興ざめ
してしまった。ヤクザ達弱すぎ。エンディングも急に雪景色だし、残りのヤクザ追ってこないし。セリフが響かない。
もったいない。ピエールが薬関係に絡む役どころが好感持てた。
The昭和!骨太作品
前情報なしだったので、
なぜか、高倉健さんの作品をリメイクしたものだと勝手に思って鑑賞したので、
コンタクトレンズの調子が悪かったのもあるのですが、
幸太と船に乗っているシーンの三浦の姿に、
高倉健さんが重なって浮かんできて、びっくりしました。
三浦は、オヤジなき今、幸太がこころのよりどころとなったのでしょうね⋯。
誰かのために生きて、最期は、微笑みながらだったから、彼は本望だったのかな。
映像もストーリーも、The昭和!の骨太の作品でした。
笹野さんの荒川さんが良い味で、ホッコリ。
薄味だ
舘ひろしが引退したヤクザで漁師をしている。正義のヤクザで、負の側面が全くない。男の子の義父を殴るくらいしか暴れない。最後拳銃で大暴れするかと思ったら拳銃を置いて膝をついてお願いする。ピエール瀧も全く暴れず大人しいまま死ぬ。
盲人は明かる人が多いと言う。目が見えないうえにいじめにあって、家でもDVでは暗くなるのも仕方がないけど、あまりにベタだ。学校にも通わせられていないし、DVもあるし児童相談所が親身に対応してくれるケースだ。
また、密漁など、漁業はヤクザの利権であることも多く、そういった側面があるかと思ったら全くない。
目の手術で500万は無保険か。子どもは医療費が安く大体520円で診察が受けられるし、高額医療の場合はお金が戻る。医者も含めて無知なのか。
12年の歳月が流れ、ともすれば近未来SFにもなり得るのだけど、時代の流れが描かれない。どこも現代にしか見えない。
東映マークで始まり、任侠ものらしいところや、刑事役の市村正親はどこか鶴田浩二の面影がある。少年役は、藤純子(お竜さん)の孫だし、令和の「東映映画」になった。
陳腐な話と思っていたけど、監督・脚本が藤井道人だったので、ちょっと期待して見てきた。
監督が脚本を書いているだけあって、映像で語ろうとするところがいい。
話はそれほど作り込みは感じなかったが、破綻がなく、滑らかに見入ってしまう(結構無理がある話だけど、気にならずに見入ってしまう)。
カット割や映像はオーソドックス。木村大作のカメラが往年の「駅 STATION」のような映像で楽しませてくれる。(荒れた海などの自然のカットが、フィルムらしい味わいがあり良かった)
鈴のキーホルダーや、黒スーツにワイシャツなど上手く使っている。大人になってからの出会いのシーン、鈴のキーホールダーでの二人のやりとりは泣かせる。ワイシャツの効果としては、ラスト、舘ひろしが殴られながら水をかけられると、ワイシャツが濡れて刺青が透けて見える。そこには、活字(小説)にはない、映画としての醍醐味がある。
ラストの吹雪の中、舘ひろしが濡れたワイシャツのまま熱演するシーン。眞栄田郷敦も良かったけど、何より舘ひろしがいつものカッコよさ以上に、貫禄のある演技を見せてくれる。
東映マークで始まり、任侠ものらしいところや、舘の兄貴分的な刑事役の市村正親は、どこか鶴田浩二の面影があるし、少年役は、藤純子(寺島純子)の孫(寺島しのぶの息子)だし、足長おじさん的な話は「冬の華」を思い出す。令和の「東映映画」になった。
で、ラストのクライマックスは、「レザボア・ドッグス」のような撃ち合いになる。
アクションシーン、銃の発砲シーンは手を抜かずによく出来ている。筋もよくアクションシーンもいい、さすが藤井道人監督。ちょっと古さを感じさせるけど、職人的なうまさを感じさせ、娯楽映画としては一級品だと思う。
期待通りの良い映画でした。
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台詞が少ない演技ができる舘ひろし、ピエール瀧、とても良かったです。椎名一平も期待通りのヤクザを演じていました。昔ながらの日本映画です。
人に優しくすること、人を想うことを考えさせられました。私は今は亡き父と母のことを想いました。
最初の「出演者」と最後のスタッフ・収録地等の紹介字がわかりやすい字で横に流れていくのは、観ていて優しく大変良かったと思いました。
ヤクザ映画。昔の昭和の懐かしい香りのする映画
見どころは被災前の輪島市場
子役、主演や眞栄田郷敦の演技
港の風景
目に障害があるけど素直すぎる可愛い男の子の
キャラ設定が心に響く。
もう少しおじさんと男の子の触れ合いのシーンのエピソードや時間多めでもいいかなぁ?とか思う。
なんか昔の懐かしい昭和の映画な感じがした。
といっても私は平成生まれなのですが。
監督や演者には申し訳ないけど、この映画は
映画館で観なくてもいいかなぁ?と思う。
家でぼーっとなんかたそがれながら見たい映画。
両親に他に親戚とか、祖父母がいたら、その人に育ててもらったほうが幸せと思う。この子は本当に
おじさんに出会えてよくしてもらってよかったね。
目も治ったし、一瞬、目が治らなかったら?と
思ったけど、目が治らなかったら映画というかお話しにならないですね。
私はもう少しおじさんと男の子の触れ合いの部分を期待してました。後は目が治らなくてもその子が成人して大人になる。おじさん支えるみたいな暖かい映画でも良かったかなぁ。と思います。盲導犬がでてきたりとか。
ヤクザ要素はなくてもよかったかな。
まぁ好き嫌いですね。単純に触れ合いが見たかったです。斎藤工は最後気づきました。
輪島市場が見れる貴重な映画かと思います。
輪島市場での買い物の時、絶妙な嘘をついてあげるおじさんは優しいです。おじさんがヤクザじゃなかったらな。
なんか勿体無い
『港のひかり』は、元ヤクザの漁師と盲目の少年が心を通わせていく物語としての設定自体は悪くありません。むしろ、題材だけを見れば胸を打つドラマに発展しそうなポテンシャルを感じました。
しかし、実際の本編では一つ一つの描写が浅く、感情移入がしづらいという印象が終始つきまといます。特に、舘ひろし演じる主人公が、なぜあの少年にそこまで思い入れを抱くようになったのか——ここが映画の核であるはずなのに、丁寧に描かれていないため、観客側が勝手に理由を補完しないと成立しません。
「誰かの役に立ちたい」「助けたい」「生きがいを見つけたい」という動機を推測することはできますが、結果として彼は元所属していた組の“汚れた金”を使って少年の手術費用を捻出するという、倫理的にも現実的にも無理のある展開へ進みます。作品として舘ひろしを“ヒーローとして描きたい”意図は理解できますが、もし自分が少年の立場なら、
「汚いお金で助けられた」と知った瞬間に罪悪感すら芽生えるのでは?
という気持ちも否めません。
終盤、椎名桔平との結びのシーンも唐突で、物語としての説得力が弱いまま進みます。加えて、斎藤工が取り乱し、椎名の“タマを取る”ような暴発行動に出る場面は、もはや「なぜそうなる?」と首をかしげるばかりでした。
さらに言えば、ピエール瀧のポジションも理解が難しい部分があります。
あれほど舘ひろしに忠誠心があったのであれば、彼が引退するときに一緒に足を洗えばよかったのでは?
という疑問が残りますし、10年以上も椎名桔平の元に身を潜めていた理由も物語上十分に説明されません。
総じて、『港のひかり』は設定に魅力があるだけに、人物描写と動機付けの弱さが非常にもったいない作品でした。テーマが重く深いだけに、もう少しキャラクターの内面と行動に説得力があれば、観客の心に残る映画になり得たのではないかと思います。
港のひかりを観て
盲目の少年と漁師の関わり合いとは何かと思い観てきました。まさかのヤクザ映画だったとは!感動する映画でした。舘ひろしさんの格好良いこと!でもあんなヤクザはいないかなぁ~。憧れちゃダメですよ。男気には憧れてもヨシかな。精神的な目の疾患が簡単に治るというのも実際は期待してはダメかな。でもストーリーの展開としては必要なところ。最後の時間を伝えての逮捕劇は不要だったかもね。全体的に見入ってしまうとても良い作品でした。なんと言っても椎名桔平さんと斎藤工さんの悪そうな演技は素晴らしかったですね。思うところ、舘ひろしさんではなく、高倉健さんや渡哲也さんだったらどんな感じ何だろうと想像してしまいました。眞栄田郷敦さんもなかなか良かった。ピエール瀧さんはキツかったろうね。でも復帰するとはこう言う壁を乗り越えていくことだろうな。笹野高史さんは安定感ありすぎ。この方がいるだけで映画になるよね。
そうか。港のひかりとは灯台。少年を導いてくれた漢は灯台としての役目を果たしたのか!
期待度○鑑賞後の満足度◎ 何故『港のひかり』という題名かと思っていたら令和版『街の灯』任侠バージョンを作りたかったのね。
①“昭和”か!?と思わせる舞台設定・物語・任侠もの・映像(木村大作さんだもんね)だけれども、昭和生まれとしてはやはなり泣かされてしまった。「令和」でも人情ものは活きているんだなぁ…と感慨深し…
②足を洗ったヤクザが小さな漁港で漁師をやっているという設定から高倉健の『夜叉』をちょっと連想した。まあ、あちらは男と女の話。こちらは『街の灯』+「あしながおじさん」なんだけど。
はじめは、設定が『夜叉』に似ていたのと、舘ひろしには思い入れがない(石原軍団にも思い入れ無し)のと、藤井道人監督には(○「新聞記者」「宇宙でいちばんあかるい屋根」「最後まで行く」「青春18×2 君へと続く道」 ✕「ヤクザと家族 The Family」「ヴィレッジ」「正体」)、と✕評価の作品の印象が強くて(でも今こうして並べてみると結構好きな作品が多いわ)食指があまり動かなったのだけれども、配信で『キー・ハンター』を数十年ぶりに鑑賞→子供の時『キー・ハンター』の千葉真一がカッコよくて好きだったことを思い出し→勝手に千葉真一の忘れ形見の眞栄田郷敦を自分の息子の様に思うようになった(独身なので実子はいませんせんージェームス・ディーンを自分の息子と呼んでた小森のオバチャン気分)ので観ることにした次第。
③開幕早々「東映」のマークが出てきた時点でどういうトーンの映画か予想がつくのがある意味すごい。
北陸の港や海を撮す木村大作のカメラからして実に“昭和”っぽい。予想通りの幕開けである。
物語も予告編からしてこれまた予定調和的でラストまで予想されてしまう。
あとは、予想を覆す展開にするか、予想通りであっても丹念で巧緻な演出で見飽きず心に残る映画にするかである。
藤木監督の演出は流石に巧緻とまではいかなくても揺るぎがなく安心して観られる。
ただ、まあこんなものかな、と思って観ていたら、出所した舘ひろしのと家に刑事になった眞栄田郷敦が訪ねて来て、ドアを挟んでお互いに鈴を鳴らし合うシーンで思わず涙が溢れてしまった。続くご対面シーンでもまた涙。
私が殊更涙脆い人間でないのであれば、やはり藤木道人監督の腕は良いと言うしかないだろう。
④クライマックス直後の、舘ひろしが手錠を掛けるように眞栄田郷敦に両手を差し出し最初は拒否してのを泣く泣く手錠を掛けるシーンは、既視感があるけれども、粘り強い演出と二人の好演で名シーンになったと思う(ここでまた泣いちゃたので…と思う)。
⑤どうして手術費用を工面するのか、どう近親者(男にだらしなく生活能力のない伯母、幸の両親はちゃんとした人達みたいだったのに、その妹がなんでこんなにだらしない?と思ったが、まあ幸太の境遇を悲惨に見せる為のお約束だから少々作為感があっても仕方ないか、と)に判子を押さすのかと(薄々予想はされたけれど)思っていたら、案の定捨てた筈の極道の世界から調達するしかなく、判子も伯母の男をボコボコにした上脅して押させてしまったんだろうね(ボコボコにした時の舘ひろしの顔はホントに怖かった)。
“Once a thief, always thief ”というけれども、どうしてもヤクザの血から離れられないことでこの男の悲しさを見せているのだろう。
まあ、あれで何人かのジャンキーを救うことになっていたら、まあ世の中にも何らかの役にたったということで…
⑥先ず自分が一番(最初)という人の世で(それは令和でも同じだろう)、他人のために自分(の人生)を犠牲にするという精神がもはや任侠の世界にしか残っていなかったという皮肉・パラドックス。
⑦
舘ひろしかっけえ
舘ひろしが超かっこいい
あの年代の俳優さん特有の渋さとか、発する言葉の重みとか、目線や仕草が好きだ‥と思いました。
古傷多めのおじさんと、無垢な幸太の関わりが温かくて良かったです。
おじさんは感謝をして欲しいわけでも讃えてほしいわけでもなく、純粋に他人の幸せを思い行動し、それが幸太の真っ直ぐさにより報われていた感じがします。泣ける。いい関係でした。
ただ、ラストシーンでモヤモヤしました。。
血まみれになり震えて死にかけの状態で、逮捕を懇願するおじさんが観ていて辛すぎた(T . T)幸太が立派になったと感じて死ねて良い終わり方なのかな?とも思いましたが、、、キツかったです。
今の時代にないものがある。
元ヤクザの中年男性が、恵まれない家庭環境で生きる視覚障害者を救う話。
自分自身も障害者で怒鳴り声が響き渡る家庭で育った為、同情し辛くなりました。
自分は最近になって実家を離れ、つらい環境から逃れることができましたが、幼少期から受けた心の傷は完全に癒されることはなく、その生きづらさと共になんとか生きています。
作中では、目が見えず、いじめられ、家庭環境は崩壊している、という生きながらにして地獄のような日々を送る幸太と過去に闇を抱える中年男性の心の交流が描かれます。
他人に同情するのは簡単だけれど、救うとなると本当に骨が折れるなと思います。
だから自分含め、世の中、苦しい人を見ても誰も救いの手を差し伸べないのでしょうけど、この物語の主人公は違いました。
他人のために自分を犠牲にしてしまう主人公の不器用さとヤクザながらも人間味溢れる生き様に、普段生きていて触れることのできない人間の温かみを感じることができて、思わず心がじ〜んと熱くなりました。
ただ、物語終盤、悪役として登場するヤクザの組長を銃で撃った主人公が自らに手錠をかけるよう幸太にお願いするシーンに違和感を感じました。
主人公に感情移入していたせいもあるかもしれませんが、悪人を撃った刑事は罪に問われず、悪人を殺そうとした一般人は処罰されるということに何かモヤっとしました。
しかし、この映画のテーマは「強さとは人のために生きること」。
「今まで犯してきた罪を償いたい主人公」のために手錠をかけることのできた幸太。
強い人間になることができたということを印象づけるために必要なシーンだったのかなと、無理やり納得しました。
ちょっと違和感を感じる部分もありましたが、舘ひろしの人間味あふれる姿に、現代社会ではなかなか感じることのできない温かみを感じることができて、それだけでも満足感がありました。
昭和の匂いが漂う流れ、寒い港に心が灯る
最近かなり良く出来たAI動画が増え過ぎて、めっきりヨウツベ離れになった今日この頃。ヨウツベってマジでやってるから観てたのにAIやらせ流行ると多分もう誰も観なくなるだろうねと思う。ティックも同じくである。
そんな中、昭和感をメッチャ感じる「港のひかり」を観ましたよ。
~どうして あの子に そんなに してやるんだい!!~
いいセリフだ!
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脚本・監督:藤井道人氏
撮影:木村大作氏
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三浦諒一 (元任侠)役:舘ひろしさん
大森幸太(警察)役:眞栄田郷敦さん
(少年時代 役:尾上眞秀さん)
石崎剛 (現組長)役:椎名桔平さん
八代龍太郎(石崎の弟分)役:斎藤工さん
大塚夕斗(三浦の弟分)役:ピエール瀧さん
田辺智之(刑事)役:市村正親さん
浅川あや(大森の妻):黒島結菜さん
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大御所多くの出演で
豪華ではあるのですがね。
脚本展開の酷さに我を失います。
遣りたい思いはわかりますが、遣り過ぎと感じました。
アパートのドア1枚隔てた場面、
鈴の音だけで語らせないといけませんね。
やっぱりここは会わせちゃ駄目ですね。シラケます。
または最後場面の所で鈴を見せて語らせるとか。
お前だったのか~って感じで 再会&逮捕とか。
12年も大事にしてる鈴のアイテムですからね。
唯一のおじさんと目の見えなかった少年との繋がり。
もっと丁寧に演出場面にするべきと思います。
そういう粋な演出が欲しかったです。
ヤクザのドンパチは今時では無い様に感じます。
そこが惜しいところ。
でも舘さんは とってもカッコイイ~ (*´ω`*)
それだけは確か!!
そして撃たれても不死身! 雪が吹雪いてる中での逮捕劇。
寒さで凍える心に 灯る温かさ。そんな港の夕暮れが流石、木村さんの撮りでそこだけは上手く表現出てたかと感じました。
ご興味ある方は
劇場へどうぞ!
流石の一言、映画ヤクザと家族のファンとして待望の一作
映画ヤクザと家族を見てくらって以来、藤井監督の映画はだいたい見ています。館本人の「もう一度藤井監督とやりたかった」のコメントもあり、港のひかりに関しては同映画の系譜として勝手に意識しながら鑑賞しました。
前作での柴崎組組長としての威厳を三浦のそれで再確認する見方があり楽しめた。
クライマックスは圧巻。
ヤクザ館ひろしを存分に楽しめる構成となっていて、そのほか椎名桔平、ピエール瀧、笹野高史らも最高。
藤井フィルムとして、映像、音楽も完璧だったのでは。
テーマは人のため。エンドロールの最後でなぜ舞台が富山だったのかの意味も含めて回収されていて素晴らしかった。
渾身の一作でした。
夜明けを求めて
カタギになった元ヤクザと盲目の子供の織りなすドラマという事で、昭和もとい東映の任侠映画だな〜と思いながら観ましたが、良くも悪くもイメージ通りの作品でした。
ベタな話なので外すことなく観れましたが、もっと展開があっても良かったんじゃとは思ってしまいました。
意外と子供パートが長いなと思ったのですが、ドラマ的には全然ダレる事なく、偶然の出会いからの信頼関係だったり、おじさんと幸太の友情に近いものが築かれる様子は観ていて見応えがありました。
一緒にご飯を食べに行くシーンはハートフルでしたし、目の手術のシーンなんかはおじさんの義理堅さがこれでもかってくらい映像に出ていて胸熱でした。
大人になって刑事になった幸太との再会パートなんかもギュッとは詰め込まれていましたが、感動的な仕上がりになっていましたし、会うことを悩みながらも一歩踏み出して会うおじさんの決意は相当なものだっただろうなと思いました。
ベタではあったんですが終盤に差し掛かるまでは全然面白く観れていたのに、風呂敷を畳まないといけない段階に入った瞬間にハチャメチャになってしまって思わずずっこけてしまいました。
絶対にヤクザとの抗争はあるだろうなーと思ったら倉庫でのみみっちい争いで、仁義はありつつも弱目のドラマが続きますし、単身で突撃してくる幸太もちょっとおバカですし、やられる〜とか思っていたら、ヤクザ側が何故か仲違いして撃って撃たれてで勝手に散っていったのでなんじゃこりゃとなりました。
その後も病院に連れていきゃいいのに港に連れていって思い出を語るシーンになっており、絶対に病院行った方が生きれる確率は高いぞ…とすまし顔で観てしまいました。
その後の展開も綺麗に済まされているけれどあの素っ頓狂な展開があった後なのでモヤモヤしたままエンドロールに行っちゃうのでもうすってんころりんです。
舘ひろしさんがカッコ良すぎましたね。
スーツもカッコいいですし、漁師としての姿もかっこいいですし、普段は優しいおじ様なのに、スイッチが入るとドスのきいた声で圧倒され、ボコボコにされてしまう訳ですからもう小便ちびりもんです。
あぶ刑事でのファンキーさとはまた違う色気があって最高のおじ様でした。
眞栄田郷敦さんのスマートなカッコ良さも素敵でしたし、椎名桔平さんのザ・悪の親玉な感じやピエール瀧さんの心優しき舎弟な感じ、斎藤工さんの起用場所もそこ!?ってところの意外性があって面白かったです。
役者陣の熱演は素晴らしかったですし、能登の風景も素晴らしかったんですが、藤井監督の作品としてはストレートすぎてパンチ弱めかなと思いました。
ヤクザとは切っても切れない関係性は唯一無二だと思うので、またガッツリ任侠映画撮ってほしいなと思いました。
鑑賞日 11/17
鑑賞時間 18:15〜20:15
木村大作さん、フィルム撮影健全なり
藤井道人監督、木村大作撮影ということで鑑賞しました。今年86歳の木村大作さん、流石に本領発揮でした。ラスト近くの港での舘ひろしさんと眞栄田郷敦さんのカラミでの雪が激しく降るシーンでは、昔の「八甲田山」「駅 STATION」「海峡」「鉄道員」(←すべて高倉健さん)の雪のシーンを思いだしました。木村大作さんは、雪のシーンの撮影は日本一だと思います。今回は35ミリフィルムでの撮影とのこと…衰えていませんね😃。
三浦役の館ひろしさん、格好良かったです。(少年時の幸太に「昔 刑事だった」と嘘の話しをするシーンでは、「あぶない刑事だった」と言うと思いましたが...)
荒川役の笹野高史さん、人あたりの良い役似合ってました。(←東京タクシーて公開時期がダブリますが…)
組長役の椎名桔平さんは、似合っていたと思いますが、私は斎藤工には違和感でした。宇崎竜童さん、ピエール瀧さんや市川正親さんもハマっていたと思います。
幸太の少年時を演じた寺島しのぶさんのお子さん(尾上眞秀)も今後が楽しみです。眞繋がりで成長した幸太役の眞栄田郷敦さんの眼差しも印象的でした。(でも手錠ではなくて救急車でしょ…)
岡田准一さんは、どこのシーンだったのかしら?
キャストが素晴らしい
何と言ってもキャストが皆、素晴しい!
舘ひろしさんの表情が、時折渡哲也さんに見えてしまう。魂を引き継いでいるのか?
そして何よりも子役が素晴らしい‼️実際に目が見えない方を選んだかと思った。光が見えた瞬間の目の動き!素晴らしい!
ただ、物語が…余りにもありきたりな、どこかで見たような…それも何だかご都合主義で不自然な展開…悪い意味での昭和的作品の部分が強すぎる。あくまでも個人的感想だが。
前半だけで良かった…
#港のひかり
舘さんシブい
キャストがわかりやすく役にハマってる。
舘さん、竜童さんがシブい。幸太役、尾上くんの演技が光った、薄幸で寂しい日々の中、おじさんの存在、それこそが幸太にとって港のひかりだったのだと思った。幸太の親がヤク中の車の事故にあったことが気の毒に思い、あのひどい環境にあったから何か助けたい、と思ったのだと感じた。危険なことしても、幸太の目に光を、そう思ったのだと思う。舘さんのやさしい嘘、言葉にできない想い、表情 シブい
笹野さんが何かと優しく見守ってくれたところもよかった。齋藤工さんは始めはわからなかったけどああいう役は新鮮でした。眞栄田郷敦くんに最後、逮捕されますがすごくせつなかった。
スーツが似合う舘さん
あぶない刑事以来のスクリーンでの舘さん。
漁師姿よりスーツが似合う。
親父の法事の時にスーツで出て来た瞬間。
あーかっこいいなあと思いました。
途中で舘さんか眞栄田くんのどっちか死んじゃうなあと思って、ドキドキしました。
まあでも、舘さんだけだなあと確信する場面があって、
しょうがないとは思いました。
一ノ瀬さん絶対ヤクザ側だと思っていたら、刑事かよ。
斎藤工さん、椎名桔平さんは最近こんな役やってなかったので、懐かしさも覚えました。
少し突っ込み所はありますが、人間愛を感じいい作品でした。
光が共有される物語
本作は一見すると「喪失を抱えた主人公が港町で再生する」という類型的なプロットを踏襲している。しかし、そこに木村大作の撮影哲学が加わることが本作の真価を生み出している
そのレンズは光をただ捉えるのではなく、人間の存在理由そのものに焦点を合わせようとするかのよう。港へ反射する薄明の金色、老漁師の皺に宿る陰影、遠ざかる船が吐き出す白煙…。それらはすべて「生きるとは、誰かの光源になることではないか」というテーマを、言葉ではなく映像から語り始める。
おそらく多くの評論が「誰かのために生きる」というメッセージ性を称えるだろう。しかし本作で最も鋭いのは、人物同士の「距離」が語る感情の構造であると感じる。
登場人物は終始、微妙に距離を詰めきれないまま画面に配置される。港の長椅子、船大工の作業場、潮風を受ける遊歩道。どれも身体が半歩ずれている。
この「半歩の空白」は、関係性の希薄さそのものの表現。
だがクライマックスにかけて、人物の距離が縮まるのではなく、「光によってつながる」ように撮られる。逆光に浮かぶシルエット同士が、まるで同じ光源の中に溶けていく。
つまり本作は、「距離が埋まる物語」ではなく、「光が共有される物語」なのだと思う。
本作が独特なのは、「誰かのために生きる」が倫理的メッセージとして提示されるのではなく、生物的・構造的な連鎖反応として描かれている点だ。
この循環構造は、海の潮流のように循環し、港に絶え間なく漂着物を運ぶ潮の動きに重ねられる。
カメラはその循環を、波のリズムとカット割りの周期性で体感させる。
行為が行為を呼び、人の光が次の人の光源になる――
本作のメッセージは善行の推奨ではなく、「生とは連鎖する」という自然現象の描写なのだ。
この捉え方は実はに映画的である。
本作が観客に突きつけるのは、「あなたの光は、誰に届いているのか」という問い。
「誰かのために生きること」が連鎖する様を、道徳ではなく「光の物理」で描いた作品。
そのため、涙や感動の前に観客は光に包まれるような体験をする。
類型的ストーリーでありながら、木村大作だからこそ可能だった極めて映画的な作品と言える。
全43件中、1~20件目を表示
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