港のひかりのレビュー・感想・評価
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ド直球なヒューマンドラマ
藤井道人監督ということで観てきました。
まずは配役が素晴らしい。
舘ひろしさん、あまりちゃんと拝見したことがなかったのですが、この役には凄く合ってらっしゃると思いました。
その他にも椎名桔平さん、斎藤工さん、市村正親さん、眞栄田郷敦さん、MEGUMIさん、ピエール瀧さんなど、全ての配役がピッタリで、こんなことある?と思うぐらいでした。
寺島しのぶさんの息子さん、尾上眞秀さんもとても良かったです。
欲を言えばもう少し早く幸太を大人にして欲しかったということと、予想外の事が起こらない、という部分。
予定調和通りなのでドキドキハラハラがない。
まあそれを全部おいておいたとしても、ド直球なヒューマンドラマとして良い映画だと思います。
あと岩代太郎さんの音楽が素晴らしかったです。
途中から曲を聞いているような部分もあったり。
あらためて良い音楽は良い映画に必要不可欠だと思いました。
強さとは
日本映画らしさ満載、キャストが豪華でした。
漁師姿の舘ひろしが高倉健さんに似た雰囲気が感じられたのは私だけでしょうか。
昔やんちゃで歳を重ねて本当にいい歳の取り方してると羨ましい限り。
任侠映画の東映だけにそのシーンは迫力あります。椎名桔平の今時の悪い親分の演技は流石。斎藤工も。
現代のヤクザを描くと昭和の仁義と任侠のヤクザと現代の経済ヤクザ、クスリをハングレ闇バイトに売らせてしのいでるのはマストで暴対法の弊害が必ず描かれる。
けれどもこの作品はあくまで伏線であって人間の本当の強さとは、弱さとはを仁義に厚い元ヤクザが盲目の少年と出会ったことで人のために生きる自分のポリシーみたいなものを貫く強さと虚勢を張る弱い人間との対比を見事に描いた良作。藤井道人監督の人の中身を描くスタイルは好きです。
あと笹野高史さんが歳を取り老いていく歳月の流れを観るものに実感させるあたりは名バイプレーの本領発揮と言ったところですね。
幸太への"おじさん"の献身
昭和の画がそこにありました。
令和の任侠映画そして命を紡ぐ映画
本作品を本日鑑賞致しました。
感想から申し上げますと、私個人は星10個です。
子供の為に義理の親へ殴り込みを荒々しく殴るシーンは涙が込み上げました。
監督、ずるいよ❗️
このワンシーンだけで星5つです。
そして暴力シーンを浄化させてくれる映像の風景(撮影・木村大作氏)に星5つです。
館さんのアップが一瞬、渡哲也さんに見えたのは私だけでしょうか?
映画としては評価分かれると思いますが、私にとってはとても好きな作品です。
港のひかり観てきました
昭和任侠映画
ニュースで撮影が2023年11月頃から12月にかけてだったと聞き、観に行きました。
地震と雨で失われる前の能登半島が映っていました。
海底が隆起した輪島市の大沢漁港や、焼失した輪島朝市……
あゝ、朝市通りのお土産屋台、尊い。
映画そのものは、懐かしの東映任侠ものパターンを踏襲し、「ザ・昭和」という感じ。
『ヤクザと家族』の劣化版的な風味もあり。
親分に愛され任侠を貫き「誰かのために強くある」男と、「誰からも捨てられた少年」の交流、そして親分のために働くが「親分に認められたかっただけ」で組を乗っ取った男の嫉妬に命を狙われるという、よくある図式。
新しさはないが、昔の高倉健よろしく、舘ひろしがカッコいい!
また、舘ひろしのために尽くす、ピエール瀧のカッコ良さも際立ちました。
「盲目だった少年」と「訳ありの元ヤクザの漁師」の交流を描いたヒューマンドラマです
・「盲目だった少年」と「訳あり元ヤクザの漁師」(舘ひろし)の交流を描いたヒューマンドラマです。ヒューマンドラマとしての出来は良かったと思いました。舘ひろし主演の映画は「終わった人」以来の鑑賞になります。
・薬物中毒のヤクザの暴走運転で両親を不慮の交通事故で亡くし、叔母夫婦にイヤイヤながら育てられている「盲目の少年」は、近所の子供たちからもいじめられ、そんな少年に「舘ひろし」演じる漁師は「元警察官だった」と偽って少年に寄り添って交流を図っていくシーンが印象に残りました。
・「盲目だった少年」は舘ひろし演じる元ヤクザからの資金援助により「目の治療」をして視力回復するが、その金は、ヤクザの薬物売買の資金を横取りしたものであり、彼は警察に出頭、12年の刑に服するのは(自己犠牲の行為)であり彼の優しさが現れていました。
・だが刑務所から出た舘ひろしが「12年」を経過した雰囲気は余り感じられなかった点がやや残念に思いました。
・盲目だった少年はやがて警察官となり、「眞栄田郷敦」が好演していますが、ヤクザの下部組織のチンピラを次々逮捕していきますが、ヤクザからは恨みを買うという展開になります。その後の展開はネタバレになるので詳述しませんが、刑事「眞栄田郷敦」は元ヤクザ「舘ひろし」に恩返しをします。
・任侠映画の描写も多く、1代目組長役「宇崎竜童」、2代目組長役「椎名桔平」(「夜がまた来る」でヤクザ役を好演)、組員役「ピエール瀧」(「宝島」でもヤクザ役を好演)組員役「斎藤工」(虎狼の血2でもヤクザ役を好演)」といった俳優陣がそろっています。「一ノ瀬ワタル」はチンピラ役ではなく警察官に昇格(?)しています。「任侠映画」描写に慣れていない方は注意が必要に思います。
・震災前の「北陸地方」の海辺の風景が見られたのは貴重だと思います。
誰のために生きるのか
藤井道人監督作品なら見逃す訳にはいくまい。
舞台は北陸の寂れた港町。交通事故で両親を失い、本人も視力を失った少年、幸太を見かけた現在はカタギの漁師をしている元ヤクザの三浦。幸太一家に車をぶつけたのがヤク中のヤクザだったことを知り、罪滅ぼしのように手を差し伸べようとする。幸太の視力を回復するための手術費用を得るために組のシノギの金に手をつけ、そのまま姿をくらます。手術が成功し、長じて刑事になった幸太は三浦を探しだそうとするが……。
ヤクザだの刑事だのといった部分を取っ払っても、歳の大きく離れた二人の間の絆と、その絆を生み出す利他的な生き方を描くヒューマンドラマだ。
「他人ために生きる」と言うは易くとも、実際に三浦のように自己犠牲を払える人間は決して多くはない。しかし、そんな人間の強さは、ある人にとっては憧れの対象として映り、別の人には眩しすぎてかえって疎ましく映るのかもしれない。
劇中、様々な表情を見せる、海の上に広がる空と雲、そして光芒(こうぼう=雲の隙間から漏れる太陽の光、薄明光線とも言う)のカットが幾つも挿入される。それは暗澹たる景色だったり、一筋の光明が見える景色だったり、赤く燃える太陽だったりするのだが、そんな多様な輝き方を表象しているのだろう。
話の展開に意外性はとほとんどないのだが、人の暖かさに触れることのできる佳作だ。
ただ個人的には、決着をつけるエンディングの少し前の二人のシーンは蛇足に思えた。基本的には倉庫の中で完結して、最後に「やっと一緒に海が見られた」くらいで終わってもよかったのではないだろうか。
主演の舘ひろし、幸太の少年時代の尾上眞秀と大人になってからの眞栄⽥郷敦がそれぞれいい味を出しているのだが、脇を固めるメンバーが予想以上に豪華で驚いた。
なお、ロケ地は震災直前の能登半島だったようで、自然の力で壊される前の美しい姿が画面に収められているということだけでも価値があるかもしれない。
昭和な人情ドラマ
涙活!
泣きました!
久しぶりに観終わった後の余韻が覚めない映画でした。
エンドロールが終わっても涙が止まらず・・・
何であんなに泣けたんだろう~
物語はTHE昭和の雰囲気で、任侠物でもあるし一寸したおとぎ話のようで、それ程驚きがあったわけではないのですが、こんなに感動するとは自分でも不思議。
凪た海、荒れた海、そして降りしきる雪と、風景がなんとも抒情的で、それが物語っているように感じたし、ちょっとカッコ良すぎた感はあるものの、最後の舘さんの演技が感動に拍車をかけたのかもしれません。
笹野さんもとても良い味を出していましたし、郷敦君の目が良かったです。
フィルム撮影だと知っていたので気にして観ました。
俳優さんのアップの映像が浮き立っているように見えたかな~
海の風景は高倉健さんの映画「駅ステーション」のようでもあり、故郷の北海道の日本海を思い出し、感傷的になったのかもしれません。
なので、+0.5ポイントということで~
“おじさん”と少年の交流。血の通った温かい人情の話だろうと予想はしていました。だけど思っていた以上にグッときて、涙が出たのです。
「正体」で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督が、7年ぶりの単独主演作となる舘ひろしを迎えて送るヒューマンドラマ。北陸の港町を舞台に、過去を捨てた元ヤクザの漁師と盲目の少年との⼗数年にわたる絆を描き、数々の名作を手がけてきた撮影監督・木村大作が全編を35ミリフィルムで撮影しました。
盲⽬の少年・幸太役を歌舞伎界の新星・尾上眞秀、成⻑した⻘年・幸太役を眞栄⽥郷敦がそれぞれ演じます。
●ストーリー
日本海を臨む小さな漁村で漁師として日銭を稼ぎながら細々と生活する元ヤクザの三浦(舘ひろし)。
ある日、三浦は通学路で白い杖をついて歩く少年の幸太(尾上眞秀)を見かけます。弱視を患う幸太を、同級生の子どもたちは、わざと転ばせて笑い者にしていました。
幸太は両親をヤクザ絡みの交通事故で亡くし、彼を引き取った叔母はろくに育児もせず、その交際相手からも虐待を受けていました。
事情を知った三浦は、孤独な幸太にどこか自身の姿を重ね、自分の船に乗ってみるかと誘います。
どこにも居場所がなかった者同⼠、2人は年の差を超えた特別な友情を築いていきます。自分のことを“おじさん”と慕い、一人の人間として接してくれた幸太に救われた三浦は、幸太に視力回復の手術を受けさせるため、舎弟の大塚夕斗(ピエール瀧)から情報をもらい、かつて所属していた組の麻薬の取引現場を襲い、金を奪います。そして幸太に一通の手紙を残して自首するのです。
目の手術に成功した幸太は、。遠くへ行ってしまった“おじさん”を見ることなく幸太は孤児院へ入所するのでした。
12年後。出所した三浦は、静かに暮らすことを望み、地方の運転代行業者として働いていました。幸太(成人後・眞栄田郷敦)とは手紙のやり取りは続いており、“おじさん”に会いたいと思いながら、幸太は三浦に憧れて刑事になっていたのです。
そんな中、警察の資料から“おじさん”の正体を知って葛藤する幸太。それでも会いたいと願った幸太は居場所を突き止め、三浦と再会します。しかし、彼らの出会いはかつての因縁を呼び起こしてしまうことに。ヤクザに狙われる三浦と幸太。一人ヤクザに立ち向かう三浦。そして、幸太も”おじさん”のためにヤクザの元へ向かっていくのですー。
●解説
「世代/過去を超える絆」「フィルム撮影」「北陸の港町」という3つの要素が、本作の世界観を支える柱です。特に「35mmフィルム」という選択は、現代のデジタル撮影が主流となった中であえて選ばれた“フィルムならではの質感”を視覚的に観客へ届けようという意図が感じられます。
また、舘ひろしにとっては「俳優人生50年の集大成」と語るほど格別な作品となっており、彼のキャリアを振り返る上でも興味深い作品です。
映画のラストにおいて、血の繋がりがなくとも築ける絆、そして誰かのために生きることの美しさが語られます。三浦が背負ってきた過去と、幸太が歩んできた苦悩は、港町の風景とともに映され、その中で“光”を取り戻していく物語。また、撮影がフィルムで行われたことで、海・漁船・港の情景が持つ質感がよりリアルに、そして詩的に観客に届けられます。
本作のもう一つの魅力は、ロケーションと撮影技法にあります。
北陸の港町としての能登・富山撮影は能登半島・富山県を中心に行われ、実際に起きた「能登半島地震」後の海の変化も映像に取り込まれています。
具体的には、漁港・朝市通り・海の風景がドラマの背景として機能し、そこに人生のうねりが交差します。特筆すべきはこの能登朝市通りの情景です。実はこのシーンは地震が起こるわずか9日前に撮影された、当時を忍ぶ貴重な映像となりました。
撮影監督・木村大作が全編35mmフィルムで撮影を行ったという点も注目です。現代はデジタル撮影が主流ですが、フィルムには“粒状感”“光と影の表現”“風景の深み”といった質が宿ります。まさに映画として“焼き付けられた世界”を観客に届ける意図が感じられます。
木村撮影監督特有の水平線に雲間から光が差す光景や真っ赤な夕日が落ちる光景が、作品の間を作り、作品の“港町”“海”“漁船”“時間の流れ”というテーマを盛り上げていました。
●感想
さすがの東映作品でも、ヤクザが復讐のため、日本刀かざして一人で切り込みに行くという三浦の過去に起こしたエピソードは描かれません。こんなに義理人情に厚い役柄にどハマりするのは、はやり高倉健の役どころでしょう。
三浦を演じている舘ひろしも、脚本を書いた藤井道人監督も、きっと高倉健を意識せざるを得ないストーリーです。寡黙で過去を背負う男という役柄は共通していますが、さらに本作では、幸太に見せる優しい表情が、舘ひろしの持ち味だと言うべきでしょう。わずかに顔の表情の変化で優しさを伝える舘ひろしの演技に泣けてきました。
“おじさん”と少年の交流。血の通った温かい人情の話だろうと予想はしていました。だけど思っていた以上にグッときて、涙が出たのです。
あとヤクザの斎藤工のインパクトがすごかったです。見終わってもあれが誰だったのか気づきませんでした。同じく組長役の椎名桔平の切れっぷりもすごかったです。
また三浦を慕う舎弟役で復帰久しいピエール瀧も、本作では結構見せ場を作ってくれました。寺嶋しのぶの息子である尾上眞秀の映画初出演にもにも注目。なかなかしっかりした演技ぶりでした。
でもやはりなんと言ってもスーツを着こなして、しゅっとした舘さんの様子の良さは、年齢を感じさせない、ダンディぶりでした。
凡庸の極み
驚くほど新鮮味のない、いつかどこかで観たような話である。
定番というものがあり、それを望み楽しむという考えがあるのは理解しているが、それには役者の魅力や演出の工夫は不可欠だ。
看板である舘ひろしは幅の無い平板な演技で魅力がまったく伝わらないし、尾上眞秀君の少年もただの不幸の象徴ぐらいにしか描けていない。
椎名桔平、斎藤工、赤堀雅秋ぐらいは遊び心持ってキャラを作れているが、他の役者陣は軒並み平凡な定番の演技しかしていない。
演出にしても、目の手術後に念願の海を見るシーンの描きかたが、あまりにも普通で怒りを通り越して呆れてしまう。
藤井監督には舘ひろし主演で木村大作撮影ならそれで良しぐらいの考えなのかと疑ってしまう程に失望させられた。
もっとおしゃれに
港のひかり
試写会当たったので。
『帰ってきたあぶない刑事』で、顔が皺々だった舘さん、若返りが半端なく、メイクの技術たるや恐るべし。
さりながら、凛とした立ち姿、老いを感じません。
で、作品はと言うと。
The昭和。
高倉健様や菅原文太兄に憧れて、映画館を出たら、肩で風切って歩いた諸兄。
刺さりますよ。
かく言う私も、そんな1人です。
なんですが、★が伸びない理由は、序盤で結末まで見えてしまった事です。
何ひとつ予想外が無い。
それが狙いなら、仕方ないです。
逆に言えば、我々世代は安心して観られます。
俳優陣。
斎藤工さん、頭のネジが壊れたチンピラ上り、お見事です。
特筆は椎名桔平さん。
キレっキレの悪役やらせたら、今や天下一品じゃないですかね。
このお二方は、★5です。
骨太な人生ドラマ
全126件中、101~120件目を表示
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