「この映画どいがけ?なーんもないちゃ」港のひかり minavoさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画どいがけ?なーんもないちゃ
元ヤクザの漁師と幼い頃交通事故で、両親の命と自分の視力を失った少年の交流を描くハートフルドラマかと思って観に行ったら、予想以上に富山ヤクザの映画だった。さすが東映さん、いろいろ容赦ない。
最近の邦画の若い監督の作品もいくつかは拝見したが、利己的な描写が今ひとつ物語に共感できないと感じていた。
「人生で一番大切なことはなんだ?」
「強さです」
「強さとはなんだ?」
「誰かのために生きることです」
これですよ!
元ヤクザが漁師をするのは、能登半島の輪島が舞台なんだけど、他はほぼ富山。富山駅、桜町、松川、桜木町、日赤病院、富山刑務所。
同級生で富山でヤクザ業を営まれてる方もいたり、これまた同級生は富山刑務所の看守だったり、日赤病院は、昨年病気の母の付き添いで行ったなとか、もういろいろあって、普通に評価できない状況。
キャメラマンのベテラン、木村大作さんが富山好きなのも影響してるのかもしれない。富山県出身者には見慣れた景色でちょっとしたちょい役にいたるまで、演技巧者のオールスターキャストで楽しめた。
この時点で個人的理由から満点評価せざるを得ないが、石川、富山を知ってる人以外は気にならないことがどうしても気になってしまう。これは地の利を知ってるだけに仕方ない。
富山と輪島、あんな近い感じじゃない。
能登半島の復興と絡んだ企画ということも理解できるが、本来なら元ヤクザは立山の木こりとかにしたら位置情報的にも身を隠してる感も出たと思うし、ラストカットは、立山連峰の絶望的な巨大さでシメてもらえたら多分、席から立てないくらい泣いたと思う。
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