劇場公開日 2024年5月24日

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「タカ&ユージ…&アヤカ 探偵物語」帰ってきた あぶない刑事 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5タカ&ユージ…&アヤカ 探偵物語

2024年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

興奮

「タカとユージが戻ってきた…」というキャッチフレーズで、公開されたシリーズ7作目。80年代のドラマ化から30年近い時の中で、同じメンバーで新たな物語を描くというのは、確かに凄いことだ。当時、自分はそれほど観ていたわけではないが、意外と高いレビューと知り遅ればせながら鑑賞。ある意味、当時を知る人たちの郷愁を誘い、思い出を振り返る様な作品なのかもしれない。

当時20代だった自分も60代半ば。当然、タカ役の舘ひろしもユージ役の柴田恭兵も歳をとり、70代と言うのだから、月日の流れを感じる。しかしその中で、髪の毛こそロマンス・グレーに染められた2人だが、その体型や仕草、ウィットに富んだ会話は昔のままで、走り、動き回る姿には頭が下がる。顔や首に刻まれた深い皺の数は、2人の俳優経験の豊かさの象徴なのかもしれない。

とは言え、番宣でアクション映画を謳っている割には、カー・アクションでつぶした車は2.3台。ガン・アクションもハリウットから比べたらお子様映画。昔の栄光を引きずった主役頼みのこうした作品では、これだけ派手なVFXが駆使される映画界では、観る者に強い印象は残せない。近々公開される『バッド・ボーイズ』も、2人の凸凹デカによるコメディー・タッチなアクションと言う点では、本作と同じ構図であるが、番宣によるとそのスケールは、到底、刀打ちできない半端なさだった。

物語は、警察を退職後にニュージーランドに渡って、探偵稼業をしていた2人が、懐かしき横浜に戻ってきたところから始まる。そこに、2人の子供と思われる彩夏が、突然現れて、自分の母親を探して欲しいと依頼される。そして、母親の居所を訪ねて、港町横浜を裏で支配するフェイロンの元へと乗り込んでいく。そこで、彩夏の母親らしき人物と遭遇するのだが、華やかな表の街の裏で蠢く、横浜カジノ構想に絡んだ、危険な影にフォーカスされたテロ行為に、3人は巻き込まれていく。

主役の舘ひろしと柴田恭兵については、今でもテレビや映画にも登場して活躍しており、その素敵な歳の取り方に合った役柄で、私達を魅了してくれている。中村トオルも、最近はめっきりベテラン俳優としての大御所的役柄も多い中、この2人前に立つと、ペーペーの若造にタイムスリップしてしまうようだ。また、浅野温子も友情出演していたが、こればかりは、その風貌と役柄があまりにイタくて、笑いを超えて哀れさを感じたのが残念。

bunmei21