「ちゃんと新しい、そして旧来のファンを裏切らない良作」帰ってきた あぶない刑事 浮草藤太さんの映画レビュー(感想・評価)
ちゃんと新しい、そして旧来のファンを裏切らない良作
さて旧来のファンからすると、「あぶデカ」らしさは、
・舘ひろしさんと柴田恭兵さんがいて
・スタイリッシュ&軽いギャグが良い感じでブレンドされていて
・適度な重さ(軽すぎず、重すぎず)が編み込まれて
・イケてる音楽と
・そしてイイ女が絡む
これだけ芯を喰ってくれればまずは言うことないうえに、
可能な限り出演できた旧メンバーがいて
その上、ところどころ往年のシーンをフラッシュバック挿入するファンサービス。
作品を判った、いい作り手だと感じました。
撮影場所の経緯から、撮影開始からずいぶん公開まで間が開きましたが、
自分にとっては待っていて、まったく損はなく、十分応えていただいた作品です。
当然舘ひろしさん、柴田恭兵さん、お二人とも70代なので、
昔ほどキレがある訳ではないのだけれど、それでもこの歳でここまでやれるか!?
てほど、しっかりカッコ良くて、あらためて見習うお手本を示してくれました。
印象に残ったシーンは、恭兵さんが舞台挨拶でも触れていた通り、
ハーレーをメンテしている土屋太鳳ちゃんと、舘ひろしさんが、
いい感じでの父娘の日常(あぶデカではなかったよね)のほんわかを出しているところ。
またイイ女との会話とまったく違う、父親らしさがにじみ出る柴田恭兵さんの優しい言葉での会話の端々。
薫を絡める手段はシナリオ書く側は相当苦労したんだろうなあ。本当にお疲れ様でした。でも、居ないと締まらないものね。
仲村トオルさんは、中条静夫さんには成れていないけれど、彼らしい捜査一課長を完成させましたね。前作までは、課長らしさよりトオルらしさが勝っていたけど、今作では大事なところでしっかり課長してた。
たぶん、もうこれで本当に最期のあぶない刑事シリーズだけど、良作のエピローグが観られて最高でした。
追伸:舞台挨拶で触れていた「あぶたん」実現してほしいな。仲村トオルさん、よろしくお願いします。