劇場公開日 2024年2月9日

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風よ あらしよ 劇場版のレビュー・感想・評価

全23件中、21~23件目を表示

3.0時代を2歩3歩先に進み過ぎた蹉跌の苦

2024年2月11日
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鑑賞方法:映画館

元始、女性は実に太陽であった。
真正の人であった。
今女性は月である。
他に依って生き、他の光によって輝く病人のような蒼白い顔の月である。
私共は隠されて仕舞った我が太陽を今や取り戻さねばならぬ。

青鞜社創刊から関東大震災までの女性問題だけでなく、
社会問題にまで解放活動が展開され、
同時期にあった福田村事件ように、
二人は国家権力により粛清されて行く…
そんな時代への先駆けであったのか…

それにしてもリスキーなこの環境の中で、
野枝の甘い滑舌の悪い発声が緊張を壊し、
大杉栄の演技での吃音と奇妙に耳障りであったなぁ

しかし、その野枝が女性立場の弱さを大杉栄に諭す場面が幾度もあり、あの大杉栄がその度に実践家として強くなるところが辻潤との相違が、野枝が太陽であるのかも知れない頼もしさよ…

(^O^)

風よ あらしよ 劇場版

大正時代に結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた女性解放運動家・伊藤野枝を描き、
2022年にNHK BS4K・8Kで放送された吉高由里子主演のドラマ「風よ あらしよ」を劇場版としてスクリーン上映。
原作は村山由佳による同名の評伝小説。

福岡の田舎の貧しい家で育った伊藤野枝は、家族を支えるための結婚を断り、単身上京する。
「元始、女性は太陽だった」と宣言し、男尊女卑の風潮が色濃い社会に異を唱えた平塚らいてうに感銘を受けた野枝は、
らいてうらによる女流文学集団・青鞜社に参加。

青鞜社は野枝が中心になり婦人解放を唱えていく。

第一の夫であるダダイスト・辻潤との別れ、
生涯をともにする無政府主義者・大杉栄との出会い、
そして関東大震災による混乱のなかで彼女を襲った悲劇など、
野枝の波乱に満ちた人生を描いていく。

野枝役を吉高、
平塚らいてう役を松下奈緒、
辻潤役を稲垣吾郎、
大杉栄役を永山瑛太がそれぞれ演じる。

演出は吉高主演のNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」も手がけた柳川強。

風よ あらしよ 劇場版
2023/日本

今年9月16日、私は静岡の沓谷にある、野枝と大杉の墓の前にいました。
言うまでもなく、野枝と大杉が惨殺されてから100年目の忌日…たくさんの方々が集まり口々に語っていたのは「100年で一区切りがついた訳ではない」という事でした。
私もそう思います。“伊藤野枝の生と死”を描くこの映画は、単なる歴史劇ではありません。まさに「今」を照射したものだと思うのです。

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カール@山口三

3.0よくも悪くもNHKらしい有料パンフは一部見どころあり 主人公時代を100年先取りすぎて戦略失敗もっと狡猾さ

2024年2月10日
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知的

伊藤野枝【実は本名はカタカナだと本作で気づいた。】の生涯

多少なりとも歴史に造詣が深い人なら
大杉栄 橘宗一 甘粕大尉の 許されざる 甘粕事件は既知だろう
さらに歴史に詳しい人なら 大杉栄 神近市子との三角関係 日陰茶屋🍵事件もご存知だろう。

女は家では父に 嫁いでは夫に 老いたら子供に 従う 三従の教えが 当然とされた 家父長制の旧時代

そして足尾鉱毒事件の顛末 に象徴される 富めるもの絶対 の時代

平塚らいてう、ライチョウ の青鞜 に導かれ 声を上げる 主人公の描写はNHKらしく堅実 オーソドックス

因習制度からの解放 当時としては珍しい 辻潤から 大杉栄の自由恋愛

なんか 自由恋愛は大杉栄の性的欲望だと思うが

他の点、主張は極めてまとも 今歴史の残ってるのも

ただ甘粕事件で野垂れ死では決して無いことの証左。TVドラマベースなだけに見やすく共感。ただパンチを欠く

本作でも出てるように 大杉栄の拘束に内務大臣 後藤新平にも 挑戦状を送っている

本作は史実に近いので 描写は想定内 最後の甘粕事件は 描写がソフトでテレビの限界

でもそのせいか こう思った

本当に 社会を変えたいなら ガチガチの権力に吠えるより
清濁併せ持って 権力にもある程度は取り入り 細胞を侵食させてくのが賢明では無いのかな❓
状況を見て柔軟に戦略立てた方が良かった。彼女や大杉栄に 思想はあっても 戦略が無かったのが悔やまれる
というか本作観てマジ思ったよ。

有料パンフ は後半の東大教授の 歴史的観点からのレビューが良い
あと 主要人物の同時並行年表は親切
伊藤野枝自身の 村の共助 的な小論文は 実はわかりやすく 当時の情勢 彼女の思想の原点 なるほど🧐と思った。

NHKのドラマだから チコっと平板なのは仕方ない

彼女たちが現在につながる価値のパイオニアなのは既知の事実だけど
時代を先取りすぎて 反発をくらい 憲兵に・・というのは自然の流れ ということも再認識した。
何事も 強硬に主張は良くない それにしては どうせ何もされない 当時のタカをくくってたのは
同情できない 申し訳ない。身の危険事前に予知できなきゃ。

吉高由里子、稲垣吾郎、永山瑛太 は好演
ただ 吉高由里子が体系といい 顔といい 当時の純ジャパニーズを表現だが
実際は 伊藤野枝最大の功績は 現代風の顔 現代風の髪型 笑顔で写真に収まったことだと個人的に思うから
チト違うかな・・・

いずれにせよ 頑張った。憲兵は許しがたい。どんな卑劣ハレンチ拷問だったかは 何の文章でも触れないのは不自然
と 声を上げたい 故人の名誉もあるが 憲兵に名誉など無い・・
普通の作品です。有料パンフ🈶はまあまあです。
連休初日朝イチ 観客5人 知識人のサロン化 漂ってたよ・・少し

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満塁本塁打

3.5恋愛小説の名手、村山由佳さん原作

2024年2月9日
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鑑賞方法:映画館

原作は恋愛小説の名手村山由佳さん。
伊藤野枝と大杉栄の社会正義の話しではなく、そういう生まれきの女と男の業の絡まり合いを描こうとしているんだろうと思われるが、二人のどうしようもなさの深みがもうひとつかなと。

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やまねこ