劇場公開日 2024年2月9日

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「命を懸けて、自由を求める。あふれんばかりの情熱をただ一つの武器にし...」風よ あらしよ 劇場版 ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 命を懸けて、自由を求める。あふれんばかりの情熱をただ一つの武器にし...

2025年9月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

命を懸けて、自由を求める。あふれんばかりの情熱をただ一つの武器にして。
伊藤野枝。大正時代の女性解放運動家。

吉高由里子が演じる地味なルックスで力強い信念の野枝。
永山瑛太が演じる大杉栄と出会う。
揺るぎない志しの2人。

第三話は強烈で『福田村事件』(2023)と重なる。音尾琢真も良い演技。

100年前、筆一本の力で、結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた。「原始、女性は太陽であった」と書いた平塚らいてうへの憧れ、第一の夫、ダダイスト・辻潤との暮らし、生涯のベターハーフとなる無政府主義者・大杉栄との出会い…。

自由を求めて奔放に生き、文筆家としてさらに開花しようとしたやさき理不尽な暴力がわずか28歳の彼女の命を奪うが、貧困・ジェンダー格差など、現代に通じる社会矛盾に果敢に立ち向かったその生涯は、閉塞感に満ちた現在を、今改めて、強烈に揺さぶっている。
吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説を原作に、向田邦子賞受賞の矢島弘一が脚本を担当、吉高由里子が主人公・伊藤野枝を演じ、自由を守ろうと懸命に生きた一人の女性の“炎”を描く。
あふれんばかりの情熱をただ一つのよりどころに。

※青鞜社(せいとうしゃ)は、1911年に平塚らいてうらが中心となって設立した、明治末期から大正初期にかけての女性文芸団体・フェミニスト団体。月刊雑誌『青鞜』を発行し、女性解放運動や文学思想の啓蒙に尽力し、創刊号に掲載された「元始、女性は太陽であった」という言葉は有名で、「新しい女」として注目を集めたが、1916年に財政難のため解散した。

100年たった現在、在日外国人に対する差別はないかも知れないが、コロナ禍で近い現象が起きていたのではないか。100年間で少しは進化したのだろうか?

ナイン・わんわん