「ホラー? シュールコメディ? アニマトロニクス・アトラクション」ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー? シュールコメディ? アニマトロニクス・アトラクション
バイト募集中。
“フレディ・ファズベアーズ・ピザ”。かつてアニマトロニクスの動物マスコットで人気を博したファミリー向けピザレストラン。
今は廃墟となったこのレストランの夜間警備。仕事内容は、監視カメラや今も置いてあるアニマトロニクスのチェック。
週給120ドル。
ただし、命の保証はありません。
だって、そこは…。
全く知らぬが、基は人気ホラーゲーム。ブラムハウス・プロダクションズが映画化。
全米では昨秋、ゲームファン、ホラーファン、ティーンの間で人気を呼び、大ヒット。ブラムハウス作品としても過去最大の。
ブラムハウス印という事もあり、期待していたのだけれど…。
怖い? 可愛い? マスコットたちが夜な夜な動き出す。
突然現れるびっくりどっきりな描写より、ズシンズシン…とその奇妙な風貌で迫り寄る様はなかなかのインパクト。
CGではなく、アニマトロニクスで再現したのは意欲的。
ゲームはプレイヤーが警備員となり、マスコットたちの脅威を回避。
映画では主人公の過去のトラウマ、このレストランで起きた謎の子供失踪事件のオリジナルストーリーを加味。
って言うかそもそも、これはホラーなの…? それともファンタジー? コメディ?
開幕は前任バイトが襲撃される。ホラーの雰囲気や良し。
強盗が侵入。返り討ち。堂々姿を見せちゃっているけど、まだまだホラー。
しかし中盤、マスコットたちと戯れるシュールなファンタジー…?
タクシー乗車は完全にコメディ!
終盤はまたホラーになるけど…、
ホラー、ホラーとは言っているけど、怖さはほとんどナシ。何かのこけおどし的なアトラクション。
ゲームじゃなく、遊園地かお化け屋敷が基じゃないの?…と思うくらい。
怖さナシで、ドラマ性もナシ。
職を転々とする主人公。すでに両親はおらず、唯一の肉親の妹の親権を叔母と争っている最中。
もう一人、弟がいた。子供の頃、誘拐された。しかも目の前で。
今も悪夢に見る。その悪夢の記憶を何度も見、何か見落としは無いか、弟や犯人を探し続けている。
過去のトラウマ、妹との関係…。複雑な境遇背負うが、迫る魅力ナシ。
それにジョシュ・ハッチャーソンならこれくらいの生死のバイトはへっちゃら。だってあの“ゲーム”をサバイバルしたんだもの。
弟の誘拐。子供たちの失踪。マスコットたちの正体。関わりや繋がりあるも、唸るほどの驚きは無い。
妹ちゃんの謎の能力。キュートだけど。
婦警も関与あり。美人さんだけど。
黒幕が。少数のキャストの中で、一人だけ個性的ですぐ察し付く。だってあのホラー映画の犯人の一人だもん。
怖さはナシ。話も面白味も今一つ…。
考えてみれば、“ブラムハウス印”に期待していただけであって、この作品=元々のゲームには…。
気軽に見れるホラーでつまらなくはなかったけど、ビミョーな期待外れ感の方が大きかったかな…。
全米大ヒットしたので続編も製作されるらしいが(基のゲームもシリーズ化)、これに関してはあまり期待しないでおこう。
やはりブラムハウスはオリジナリティーのあるホラーを!