「あんのことを考える」あんのこと にちさんの映画レビュー(感想・評価)
あんのことを考える
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映画を鑑賞し終わり一夜明け、自然とあんのことについて考えている自分がいる。その時点でこの作品の狙いは達成できたのかもしれない。
具体的な評価ポイントとしては、それぞれの役者の演技に感情移入することが出来たこと。あんの母親には鑑賞中何度もイライラしたが、これはあんの母親の演技がそれだけ巧いからだし、あんがどう感じてるかの感情移入ができたのはあんの演技の巧さ。記者が崩れ落ちるシーンもとても共感できた。
一方気になったのは、終盤の、あの子供を押し付けた母親の演出。なんであんなに平然と、まるで子供を押し付けた一面が無かったかのような態度としたのだろうか。おそらくは刑事と同じように「一見して分からない人の多面性」を描くために敢えてそうしたのだとは思うが、少し胸糞悪い終わり方だと感じた。
あんのことを考えると、もちろん映画として脚色してる部分はあっても、同じような状況の人は実在するのだろうし、コロナの時期に同様の状態となった人もいたのだろうと想像できる。人との繋がりを持つこと、誰かの役に立てているという感覚を持つこと、これらは心の支えとして誰にでも必要なことだというのを、改めて感じた。
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