「「新型コロナウィルス」の人々に及ぼした影響を描いた映画としても鑑賞する価値はありましたね。」あんのこと 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
「新型コロナウィルス」の人々に及ぼした影響を描いた映画としても鑑賞する価値はありましたね。
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今年最後の目黒シネマさんにて『~光と影のはざまで息をする~』(12/26(木)~12/28(土))と題した『ミッシング』『あんのこと』2本立て鑑賞。
『あんのこと』(2024)
2000年6月に実際に朝日新聞に掲載された実話をモチーフにした作品。
家庭崩壊、母親からの虐待の末に不登校、売春、ドラッグに溺れた杏(演:河合優実氏)がドラッグの更生施設も主催する刑事・多々羅(演:佐藤二朗氏)との心の交流のなかで復学、就職をして自立更生していくが、新型コロナウィルスの流行による学校・職場の閉鎖、多々羅の更生者への性加害による更生施設の閉鎖と逮捕により、徐々に元の荒れた生活に戻っていくというのが大まかなストーリー。
鑑賞中は令和の時代にかなり荒唐無稽な話だと思いましたが、鑑了後身近に起きた事実、主人公・杏の壮絶な人生に愕然としましたね。
山田洋次監督『学校』シリーズのようなハートウォーミングな作品、ラストを想定していましたが、完全に心をえぐられましたね。
河合優実氏の体当たりの演技は見事でしたが、佐藤二朗氏の普段とは違うシリアスな演技、
多々羅氏との友情と記者としての正義に揺れる稲垣吾郎氏の両氏もお見事でした。
世間が忘れはじめた「新型コロナウィルス」の人々に及ぼした影響を描いた映画としても鑑賞する価値はありましたね。
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