「重い…」あんのこと アキラさんの映画レビュー(感想・評価)
重い…
見る前からある程度想像はしていたが、見終わった後の素直な感想は『重い!』。
大人になりきれていない年齢だけ年を重ねた精神的にまだ子供な大人が、自分の子を作るとこんな惨劇が起こるんだなと、とても悪い方に向かったことを描いている。
主人公のあんはこの状況を求めてなったわけではないし、この状況から逃れたいけどどうしたらいいかわからないジレンマからこの状況に陥っている。これは手を差し伸べてやらないといけない案件のはず。何もわからない子供の頃からこんな状況に置かれて、行政や周りの大人が何かしらわかるだろうに全く干渉することなく育っていかざろうえなかった悲劇。明らかに人災。こうならないために世の中のいろんな仕組みがあっておかしくないのにとても苛立ちを覚えた。
そんな中心の中のほんの少しの光であった刑事に支えられ支援されようやく本来の笑顔で仕事やプライベートな時間を過ごせるようになったのに…やらかしてしまって、何やってんだってここでも苛立ち。
かなりアホな母親に無理やり押し付けられた子供と理不尽だと思いながら過ごした時間はきっとあんにとって本当に孤独を忘れさせてくれる、貴重な僅かな時間だったんだろうなと容易に想像できる。映画でしかないけど、あの映像を思い起こすと涙が出てくる。
そんな僅かな些細な時間も生まれた時から自身の1番身近で1番障害となる母親にぶち壊され、自暴自棄になってしまったシーンは本当に心が張り裂けそうな場面だった。あれはないよな…
評価を見て、最後だけ救いがあるって感想の人たちがいたがどうしてもそうは思えなかった。押し付けやすそうな子に身勝手に自分の子供を押し付け、時間が経って取り戻しにきている母親にも苛立ちを感じる。勝手すぎだろ…今はわかってはいるが、早見あかりの顔はあまり思い出したくない。
とにかく、久々にすごい映画見たなって言うのが感想です。この主演の河合優実さん、すごい女優さんになりそう。