劇場公開日 2024年6月7日

「重い」あんのこと R41さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5重い

2024年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

実話をもとに製作された作品
親という絶対的存在
そのしがらみはお互いが持っているものというよりも自分で持つか持たないかを決めることができると思う。
杏の弱点 祖母のこと
それを熟知する毒母は、祖母を理由に杏を自宅に戻そうとする。
目的はお金
「早く金作って来いよ」
「さっさと体売って来い」
どんな親でも子によっては唯一無二の存在。
最初に見た存在に付いて行くアヒルと同じ本能
親との決別を選択できても、それが大きな足かせのようになってしまう。
それをすることは大きな罪悪感を伴う。
後天的後付けの理由はあるが、心に大きな針が刺さったようになる。
それはかなり難関であるのは間違いない。
実話…
しかし、何故そこまでしてこの世界は杏のすべてを奪うのだろうか?
確かに毒母にそそのかされて自宅に戻ってしまったことが失敗だった。
それをさせた再会という皮肉
それはもう罠でしかない。
売春
児童相談所に子供をもっていかせた毒母
包丁を持ってもできなかったこと
杏は実家を飛び出した後、そしてまた売春してシャブを買ったのだろう。
日記に書こうとした×印に、過呼吸になる。
コンロで日記を焼く。
日記に書いていたハヤトのアレルギーの記録を取り出したのは、ハヤトとの生活にあった希望に違いないが、それはもう無意味なことになっていたことに改めて気づいたのだろう。
シャブが思考を朦朧とさせている。
外に見える青空
そこに登場したジェット機
コロナ渦と1年遅れの東京五輪に花を添えたブルーインパルス
2021年7月23日
すべての絶望を抱えて杏は飛び降りた。
これが、現実に起きたこと。
多々羅という刑事
彼の闇を暴こうとするライター
結局あの記事がサルベージを潰し、杏を自殺へと誘ってしまったと嘆くシーンがあるが、毒母との偶然の再会があることから、杏の逃げ道はなかったのではないかと想像する。
このライターと刑事の設定の半分以上はフィクションだろう。
早見あかりさんの役もまたフィクションだと思う。
しかし、杏という人物がそうした人生を送ったのは事実だ。
助けてくれる人々はたくさんいる。
どうにもならないことはないと思いたい。
アノニマス集会
駆け込み寺のような施設
杏にも優しい職場
東京には確かに何でもある。
でも東京にしかないものも多い。
狭い東京の地
偶然の再会は狭い中で毎日起きている。
もし杏が地方で新しい生活ができていればそんなことにはならなかったように思う。
環境の所為にはしたくはないが、どうしてもそこが盲点だったと考えてしまう。
この作品で自殺した杏
彼女が結局その方向に向かわざるを得なかった原因こそ、「親」というしがらみを自分自身で断つことができなかったからかもしれない。
多々羅という人物がしたことは結局杏との連絡を絶つことにつながった。
あの記者の役割である仕事の所為で、アノニマス集会が潰れた。
コロナが仕事を奪った。
しかし結局のところ、杏自身を貶める原因の毒母の言葉に従ったことがすべての元凶だった。
最後は自分で判断するしかない。
自分で決断し選択しなければならない。
いったい誰に責任があったのか?
この作品はそれを視聴者に考えさせている。
結局それは、自分自身にあった。
この作品はそれを伝えているように思った。

R41
琥珀糖さんのコメント
2024年9月19日

こんにちは

Rさんはミステリーが好きだと思いますので、
私が面白かったと思うオススメを書きますね。
もし観てたらごめんなさい。
「白ゆきひめ殺人事件」
湊かなえのベストセラーで、面白いとても。
「イニシェーション・ラブ」
これもなかなか凝ったストーリーです。
「去年の冬きみと別れ」
もちょっと強烈。
レビュー楽しみにしていますね。

琥珀糖
琥珀糖さんのコメント
2024年9月16日

コメントありがとうございます。

レビューを書いた後、Rさんや3~4人のレビューを
読みました。
★毒親は精神疾患だから、こうなる前に行政がケアするべき
(生活保護を受けて)

監督の句の舞台挨拶を観た方は、
★隼人と母親(早見あかり)は、フィクションで、
意図としては、あまりに哀れな杏に、花を添えた演出だそうです。
実話はもっと悲惨なみたい。
セーフティネットというけれど、限られた予算で、行政だってパニックでしたよね。
保健所の職員の荷重労働。
彼らはどんなにキツくても自殺しないもんね。
毒親は酷すぎた。精神疾患だから病院に拘束するったって限界がありますよね。万能策なんて、ある訳ないですよ。
杏は狭い世界で、親に洗脳され身動きれとれない。
Rさんが仰るように、地方に若者は新天地を求めるのも
一案ですね
私は新聞配達とか、郵便配達の補助とか、まだまだ仕事はあると思いますけどね。農業や酪農とか(これらはキツイ仕事なので外国人が担ってますし、コロナでは外国人労働者も路頭に迷いましたものね)

☆☆石原さとみと間違えてたんですって!
下向いてて髪で顔が隠れてたものね。
年齢も身長もかなり違うけど。
(よくある事です)
それではね。

琥珀糖