劇場公開日 2024年6月7日

「河合優実の演技力、ヤバいねぇ」あんのこと JBはただの映画好き。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0河合優実の演技力、ヤバいねぇ

2024年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

グロいとか怖いとかでもないのに、観ているのがつらくなる。
でも、目を背けちゃいけない映画。
とにかく香川杏役の河合優実の演技がすごい。
もう完全に杏になってる。
麻薬の常習犯だった頃の杏、徐々に更生し笑顔をみせる杏、コロナ禍で現実に打ちのめされて絶望する杏。
所作のひとつひとつや表情の作り方が自然すぎて、杏という人物が本当にいるんじゃないかとさえ思ってしまう。
河合優実の存在を初めて知ったけど、度肝を抜かれた。
本当にすごい女優さんだった。

「この映画は実際にあった事件に基づいている」。
映画の冒頭でこの言葉が出たけど、映画を観終わった後に改めて杏のことを考えてしまう。
杏のモデルとなった女性は、コロナ禍の当時何を思い、何を考えていたんだろう。
平和ボケした日本にもこんな悲惨な事件があって、自分の知らないところで過酷な現実と必死に向き合って生きている人がいる。
当然なんだけど、忘れちゃいけない。
改めて突き付けられた感じがした。

“彼女は、きっと、あなたのそばにいた”
今日、すれ違った人の中に杏がいたのかもしれない。
みんな、人に優しくなれたらいいな。

JBはただの映画好き。