劇場公開日 2024年6月7日

「あんのことをいつまでも考えてしまいます」あんのこと たつのこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5あんのことをいつまでも考えてしまいます

2024年6月13日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

信じられないような境遇で育った一人の少女。
でもそんな境遇の中でも懸命に生きようとした一人の女性の物語は、余りにも悲しい結末でした。
絶望の先にあるのはたった一つの道。
自分に負けたんじゃないよ。
負けたのは都合良く生きようとする大人の欲望と、やはり都合よくやり過ごそうとする社会の闇。
でも孤独の中から救いの手を差し出してくれるのもやはり人間であり社会であったりする。暖かい目を向けてくれる人だっている。
多々羅刑事だって杏を更生させたいと本気で思っていただろうし、介護施設だって学校だって杏に対して親身になってくれていた。
でも、表があれば裏がある。善と悪を使い分けた多々羅刑事も人間の真の姿であり、社会もまた、守るべきは自分たちであると見せつけ、弱者は常に弱者のままです。
それにしてもあの母親はどうにかならなかったのでしょうか。
誰か周りにいなかったのかなあ。今更言ってもどうにもなりませんが。
演じた河井青葉さんの狂気に満ちた演技は見事。見ていて寒々しく、いつどこに現れるかわからない恐怖を感じました。
そんな親の元で育ち、親の愛情などまるで知らない杏がハヤトを大事に預かっていたのが切ないですね。幼き自分を重ねていたのかな。
どこまでが実話でどこがフィクションかはわかりませんが、この作品の世界を作った三人のメインの演者が凄いですね。
河合優実の作り上げた杏と言う少女が見せる覚悟。
佐藤二朗が演じた多々羅と言う刑事が見せた人間の本性。
稲垣吾郎が演じる桐野が思惑を胸にしまって寄り添う絶妙さと後悔。
先述した河井青葉さんを含め心に深く残る圧巻の演技でした。
観終わって感じるのはどんよりした重苦しさだけですが、この作品に対しての思いがいつまでも頭をめぐります。
過酷な環境の中で育ちながらも、小さな希望の光の元で笑顔で過ごす時もあったでしょう。絶望と希望の間で生きた香川杏と言う若き女性が確かにいたことを忘れまいぞと思います。
いつもでも心に深く残る、いい映画を見ました

たつのこ
満塁本塁打さんのコメント
2024年6月15日

返信お気遣いありがとうございます😭確かに 異常性表すための 映画的表現 ディフォルメ カモですね。
ありがとうございましたまたよろしくお願いいたします🙇

満塁本塁打
満塁本塁打さんのコメント
2024年6月14日

イイねありがとうございました。😊😊河井青葉さんは主役以上に熱演で素晴らしい👍『悪役は憎まれてナンボ』と思います。ですが さすがに あのちゃぶ台が乗ってるレベルでは 私があんさんだったら
機械的に後始末・最終処分してる可能性あるカモです。チコっとだけ膨らませてるカモです。あくまで推測です。
そもそも寝られないし、『味噌もクソも一緒』レベルはその場に居られない。チコっとだけ疑問でした
イヤ あのレベルだと 家にいれません。小学生ならともかく イイ大人なら家を速攻放棄だと思います。
DVは理解してますが あのちゃぶ台乗せは あり得ないと思いました。ありがとうございました失礼します。

満塁本塁打