「杏ちゃん」あんのこと ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
杏ちゃん
私は脚本も書ける監督さんをとても尊敬しているのだ。
本作も入江悠監督が脚本も手がけている作品なのだが、代表作?のラッパーシリーズは未見。
「太陽」と「22年目の告白 私が殺人犯です」しか知らないので、どんなテイストの作風の監督なのか?
いまいちわかっておりませんm(__)m
本作は河合優実ちゃんが主演というだけでチェックしていたもので、いつもなら気になる監督すら確認しないまま鑑賞。
キービジュアルは見ていたが、事前情報ほぼゼロです。
最初に「実話ベース」とのテロップが出る。個人的に苦手な演出。
どこまでフィクションで、ノンフィクションなのか気になってしまうし、第一印象に影響が出るから。
でも、本作では有効だったと思った。
キノシネマのリクライニングできるゆったりした座席に腰を下ろし鑑賞している自分。
冒頭で映し出された杏ちゃんの顔のアップ。
目の下のひどいクマ。正気を失った表情が映し出された時、
「あ、、どうしよう」と動悸がしてきて、、、でも覚悟が決まった。
目を逸らしてはいけない。
実話ベースの悲惨な事件であることは間違いない。
杏ちゃんを救えなかった日本の現状。
だけど、この闇や大人達に怒りの感情を向けるだけではダメなのではないか。
断罪する事にこだわっている様ではこれからも変わらない。
まだ日本のどこかに存在しているであろう第二、第三の杏ちゃんは救えない。
この絶望的な世界に身を置く子供達を、取りこぼしたままでいる日本を変えなくては!と、強く思うものの、では、自分に何が出来るのか?と、問うてみても、無力過ぎて落ち込むのだ。
日々流れて来る似たような事件を目にするたびに、心が痛み、憤りを感じ、大きなため息が出るだけだ。
(身近な所だと新宿のトー横とかか)
だから考える。考える事を止めてはダメだ。
今の私にも出来る事。
自分の周りの人には優しくいたい。
バカみたいな言葉しか出てこないけど、何かあったらあの人に!って頭に浮かぶ人間になりたい。
(あと選挙行く)
杏ちゃん。
あなたの頑張っていた人生を少しだけど、見せてもらったよ。
知らなくてごめんね。
助けてあげられなくてごめんね。
動のさとみ、静の優実。
主演女優賞はさとみなんだろ〜けど、私は優実ちゃんを推したい!
◎追記◎
タタラのモデルになった刑事に裏の顔があった事も実話に基づいていると知りました。
言葉が出ません。
共感ありがとうございます。
やはり人間の繋がりが切れてしまうと、ゴミ屋敷化して酒やクスリに依存してしまうんでしょうね。もう隣組とか嫌ですが、ある程度自治体の管理も必要なのかもと思ってしまいました。
コメント&共感ポイントありがとうございます
ご無沙汰して申し訳ございません 何とか生きる糧をみつけて何度目かの再出発を繰り返している私を嘲笑って下さいw
少しずつ映画鑑賞しておりますが、今迄の様にペンと紙片を持って観賞する程の気力が殆ど仕事に費やされてしまっているので、落書きにしかみえないほどのレビューに成り下がっております故、貴殿にコメント頂ける程の内容では無い事、お詫び申し上げます
逆に貴殿のレビューの素直と高潔さに改めて感嘆致します 素晴らしい文章を拝見できる事、恐悦至極に存じます
コメントありがとうございました。
「考える事を止めてはダメだ」というお言葉、重いですね。でもそれこそがまさにこの作品を世に出した真意なのではないでしょうか。入江監督が言われて一番嬉しいお言葉と思います。
返信お気遣いありがとうございます😭二朗さん同意ありがとうございます。😊
私の裏は真っ黒クロなので反省してます。ありがとうございました。またよろしくお願いいたします🙇
返信ありがとうございます。
単純に甘ったれや自業自得の可能性も、勿論ありますけどね。笑
ただ、その「もしかしたら」を考えることが大事なのかなぁ、とも思ったりします。
杏だって、背景を知らなければウリとクスリをやってるヤベー女としか見ないでしょうし。
裏の顔はどうあれ、多々羅は知ろうとしたからこそ救済の道筋を示せた。
知らなければ救うべき存在にすら気付けない、ということを本作で痛感してます。
イイねありがとうございます😭 人間には表と裏が必ずあると思うので タタラ刑事はかえって良かったです。
善行必ずしも 善人ならず。 まあごく稀に 善行善人の方もいらっしゃいますね。あんさんの立場が鮮明に
怒りの感情が溢れてしまっていたので、なんだか反省しました😓
そうですね。
それだけではだめですね。
鑑賞後からしばらくたち、こういったレビューを読ませてもらい落ち着いてきました。
ありがとうございます。
クールダウン、必要でした🙏
コメントありがとうございます。
河合優実は、見た目ではなく演技で追い続けられる女優さんですね。
『ナミビアの砂漠』、粗筋すら出てませんが予告の雰囲気だと…
杉咲花の『朽ちないサクラ』も重そうですし、たまにはコメディで心を休めてほしい。
多々羅は、それでも杏をはじめ色んな人の支えになったのも事実なんですよね。
彼がいなければより早い自死が、あるいは一瞬の希望もない長い人生があったかもしれない。
その善悪を決めるのは自分ではない気がします。
杏を「ママ」と呼ぶ母も、きっと何かしらの支えが必要なんですよね。
でも、“大人”で“加害者”の立場では、より救済は遠いのかなぁ、なんて思いました。