「崩れるのは一瞬」あんのこと uzさんの映画レビュー(感想・評価)
崩れるのは一瞬
序盤の「お前がクスリやってんだろ」という佐藤二朗の取調べで、意外とコミカルなのかと。
まぁ、そんなワケないですよね…
劣悪な家庭環境の中、多々羅のサポートによって徐々に抜け出す術を知る杏。
河合優実の表情変化が素晴らしく、初めて笑顔を見せた時にはまだ数十分しか杏を知らないのに涙腺が緩んだ。
介護施設の所長もいい人だったし、サルベージで身の上を語った杏の肩を抱く多々羅が暖かくて…
だからこそ、多々羅が根っからの悪人とは思えない。
もちろんやったことは最低だが、すべてが下心からの演技ではないと感じるのは、自分の願望だろうか。
杏のことを時折「ママ」と呼ぶ母など、基本的に登場人物の深層までは明かされない。
このあたりは解釈の分かれるところだと思う。
桐野から、予告にある「正義感と友情に揺れる」様子が見られなかったのは残念。
多々羅が逮捕された後のフォローくらいしろよ。
早見あかりの役どころも、それまで交流があったかも分からず、最後のアレは逆に軽薄に映る。
ただ、彼らに悪意はないし、自分がそうならない自信もない。
個人的には、原さんや子供と接する杏が好きだった。
お年寄りだけなら祖母と重ねたのかと思うが、子供への接し方も愛に溢れていた。
あの生い立ちであれなのだから、本当に優しいコだったんだと思う。
また『サマーフィルムにのって』や『愛なのに』のような河合優実が見たいが、次回作もヤバそうだな。
共感とコメント、ありがとうございます。
佐藤二朗の役者としての凄みが出てましたね。
いい人からの振り幅が凄い
早見あかりの母は、「誰も知らない」の母と同じタイプの毒親の臭いがしました。
コメントありがとうございました。
僕も母親が杏を「ママ」と呼んだのがすごく引っかかっていて、そこに深い闇があると感じていました。ただそれ以上は語られなかったのであとは想像になってしまうのですが、そこを詳細にやってしまうと物語がブレてしまうのであくまでも「匂わせる程度」に留めた、という事なのかなと思いました。
なるほどです!
杏を「ママ」と呼ぶ母親も、底辺と言われるゾーンでもがき苦しんでいた人間だったのでしょうね。
こうなる前に彼女にも、誰かが手を差し伸べてくれていたら、負の連鎖は断ち切れていたかもしれませんね。
あの描かれ方だったので、絶対悪として標的にされがちですが、彼女もある意味で被害者でしたね。
そう思うと余計にやり切れなくなります。
uzさんはセリフの行間や物語の余白の部分を読む感性が鋭いですね。母親について、擁護は出来ませんが、新たな気付きを得て、だけど余計に戸惑ってしまいました。
朽ちないサクラ楽しみです。
おはようございます。
河合優実ちゃん。凛としていて何とも魅力的な役者さんですよね。
私も次回作も又、、
そんな気がします( ・∇・)
優実ちゃんも花ちゃんも、重い役が続きますね。
タタラのモデルになった刑事の裏の顔も実話に基づいているそうですよ。もう言葉も出ません。