劇場公開日 2024年6月7日

「いまも誰かがこの状況下にいるのかもしれない」あんのこと トウマ(20代/女)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0いまも誰かがこの状況下にいるのかもしれない

2024年6月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

苦しい!随所で涙が溢れてきた。泣ける映画だと思わなくてタオルを忘れてきたことを後悔。服の袖で拭いました。

気に入った手帳、かわいいペン、ブランドものかどうかはわからないけどたぶん2000~3000円なんかじゃ買えないような洋服、彼女の購入品を見ていると自分の気分が上がるようなものを纏って、自分自身を大切に出来ているんですよね。

そして、子どもを預かったときの杏が警察にも言わずに世話をし続けてたのは入居するときに言われた「住居者で助け合って生活している」が念頭にあったんだろうなぁ。その他にも「住所を公表しない」も守ってる。
良くも悪くも人の言うことを聞ける子だから、例の記事が出なかったら杏は被害に遭っていた可能性が高いし記者の選択は間違っていなかったと思う。

多々羅のアドバイスも聞いて実践できてるし、祖母への思いから介護職を選んで、子どものことを思って面倒も見れる。
そんな優しくて真っ直ぐな生き方だってできる子が、諦めるのはふとした瞬間で、大きなトリガーがあるわけでもなく、日々の積み重ねからある時ぷつんと途切れてしまう。

鑑賞後、杏はどうやったら自分の生きたい生き方ができたんだろう?と考えたが、長い月日が経つことで過去が薄れ、解決したのかなぁ。そこに至るまで耐えられるかどうかが鍵だった。

トウマ(20代/女)