雪山の絆のレビュー・感想・評価
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生きる…
凄まじい映画だった。雪山で墜落し、救助も来ない、食糧は尽きていき、寒さと餓えが襲い、仲間も死んでいき、心身共に蝕まれていく。地獄だ。しかし、元々ラグビーチームだった仲間達が互いに支え合い、生きるためにもがいていく。食べるものが全くなくなり、相当悩み、自分をも恨んだだろう。死んだ仲間達の肉を喰らうことを決断する。生きるために。地獄だ。雪崩に機内で閉じ込められ、その間も怪我や病気で死んでいく仲間達。地獄だ。遠征組が人里に辿り着き、その後16人が救出されるが、生きることを確定させた瞬間、彼らは何を思ったのだろうか。彼らのその後が気になる。
ひかりごけ
どこまでリアルなのかは、
わからない。
ただ目が離せない。
実話ベースとはいえ、
描き方の技術が高い。
セリフをナレーションのように、使いながら、
展開するカット、シーンは、
淡々と進行する。
美しすぎる星々、
そびえるアンデスが
うらめしい。
マイナス20度の北海道で、
撮影した事がある。
本作は極寒の地で、
撮影していない事はわかるが、
演出、撮影、照明その他の、
技術が高いので気にならない。
また、別の作品、違う時期場所で、
ロケハン中に3時間程度、
10人弱で、
濃霧で、遭難に近い状況になった経験もある。
たかだか3時間程度でも、
道も状況も先が見えないのは、
かなりの極限状態になる。
その状況で、
日数を重ねる、
あるいは、
重ねている、
想像を絶する。
何キロも移動していたつもりが、数十メートルの同じ場所を、グルグル回っていた、、、と後でわかった。
『ひかりごけ』の三國連太郎の表情を思い出す。
人間ってすごい
1972年に起きたウルグアイ機のアンデス山脈への墜落事故。
実話をもとにしたこの映画。
72日間も生き延びた人々の精神力の強さ。
極限状態で色んな困難に立ち向かい
色んな葛藤もあり、もちろん死への恐怖もあり
仲間の死も目の当たりにする。
人間ってすごい。
諦めない心は仲間がいたからずっと持ってられたと思う。
145分の作品は終始辛かったけど、ラストは感動した。
1972年アンデス飛行機墜落事故
1972年に起きた飛行機墜落事故の映画化は過去にもあったが、果たして・・・。
懸命な捜索にも関わらず、アンデス山中ということもあり、発見されなかった。
しかし、二ヶ月近く経った頃、生存者が発見され、世界的なニュースとなった。
どうして食料もない環境で・・・となった。
自分だったらどうしよう・・・。
実話に基づくということで、現実離れしすぎでしょというツッコミに逃げ...
実話に基づくということで、現実離れしすぎでしょというツッコミに逃げられない過酷さ。
事故のシーンがとにかく怖かった。飛行機に関しては、年始にもありましたのでね。
友達の死体を食って生き延びるか問題も、凄まじかった。
想像を絶するハードな作品だった
「インポッシブル」「ジュラシック・ワールド 炎の王国」のJ・A・バヨナ監督作。母国語であるスペイン語の作品としては「永遠のこどもたち」以来14年ぶりとのこと。
1972年にアンデス山脈の奥深くで実際に起きた飛行機墜落事故に基づく。
厳しい作品だった。
極寒の雪山に墜落、次々と死んでいく人々。
生きるために信仰もモラルも捨てた。
てか、こんな惨状、思ってもみなかった。
塚本晋也監督の「野火」を思った。
生きのびること以上の正義はないのだろうが。
ネトフリ製作の功罪
1872年、ウルグアイのラグビーチームを乗せた飛行機が冬のアンデス山中に墜落。雪と氷に閉ざされた山中から生還した若者たちの、72日間のサバイバルを描いた実録ドラマ。
ネトフリ製作だけあって、アンデス山中ロケの迫力は圧巻。その分、極限の決断による例の食事シーンの描写はかなりマイルドに。
底知れないヒューマニズム
ウルグアイ空軍機571便遭難事故を扱った映画。
監督はゴヤ賞常連の名手J.A.Bayona。
Netflixの前告知を見たとき「あの事故をまた映画化したのか」という感じで意外な気がした。ウィキペディアで調べるとドキュメンタリーを含め5度映画化されていてこれが6度目になる。衝撃の実話ゆえモチーフにされやすい、とはいえ再々な感じは否めなかった。
ただし見始めるとすぐに疑問は吹っ飛ぶ。
むしろ「ウルグアイ空軍機571便遭難事故の真実」という感じ。
リアリティに徹しており、事故の壮絶さをほとんどはじめて知った。
imdb8.0。批評家からも支持され、すでに多くのレースでノミネートまたは勝利している。
昭和期はこの墜落事故を猟奇色で釣るのが主流だった。
つまりアンデスの遭難事件はVHSレンタルだったならルチオフルチとかマリオバーバの隣に並んでしまう映画だった。
それがこの雪山の絆を見たあとでは不謹慎に思える。
文字通り死者の肉が生者の命をつないだのであり彼らにほかの選択肢はなかった。が、映画が描き出すのはカニバリズムではなく、遭難者たちの底知れないヒューマニズムだった。
極寒の雪山で遭難し救援が絶たれる。
死者を食べながらいくつかの助かりそうな方策を試す。
雪崩がきて生き埋めになる。
ひとりまたひとりと死んでいく。
72日間。
果たしてそういうところでじぶんは正気を保てるんだろうか──と考えてしまう。
折しも地震があり、今なお瓦礫の下に行方不明者が何人もいる状況下、何か出来ることはないのだろうかと気があせる。何もできないのに気はあせる。もしじぶんの身に起きたなら──という仮定をしてさらに気があせる。
──そんな気分が雪山の絆を見ているときにもあった。
遭難者たちは皆、思いやりがあり慈悲深く、食べ物を分け合い励まし合い、協力連携しながらサバイバル生活をやりとおす。ときに談笑することさえあった。秩序を乱す者なんか一人もいなかった。
若く体力的な優位性もあったにせよ、内面がまるで聖人のごとくまっとうだった。それらは脚色だろうか。いや、16人が生存したのだ。存命者が監修に入っているのだ。
『製作者たちは、生存者全員との100時間を超えるインタビューを記録した。俳優たちは生存者や犠牲者の家族と接触した。』
(Wikipedia、Society of the Snowより)
だから余計じぶんにそんなことができるんだろうか──と考えてしまった。
リアリティと相まってトラウマチックな映画体験であり、比較するものではないが、ホラーなんかよりはるかに恐ろしい。と同時にじぶんを戒めたいような気分が沸き起こる。そんな状況でみんなと強調し扶け合いながらじぶんはやっていけるんだろうか・・・。そういう状況になったら彼らのようでありたいと思った。
他にも方法は?いや、無いか…
2024
6本目
“生きてこそ”を随分前に観て衝撃だった。
それをまた違う目線で映画を展開…
そりゃ、観ちゃうよな。
とにかく、雪山の中であれだけ生きられる事に驚く。
もちろんタンパク質など補給する覚悟あっての話。
人肉は俺は食べられるのか??
いろんな事に俺ならどうする??を考えてしまった。
墜落、食糧、極寒、雪崩、無救助…友の死
そんな状況下においてもワンチームと言うべきか、歪み合い、罵り合い、などが少なく相手を思いやる事が彼らが生き残ったチカラなのか…
残すべき作品。
人間の生命力に感嘆!
これが実際に起きた事故であり、実際に16名もの人々が2ヶ月以上、雪山での遭難の末、
生還していること自体が驚愕であり、猛烈に感動しました。
前半1時間までは本当に救いようのない厳しい状況をまざまざと見せつけられますが、
ラスト30分では本当に救われる気持ちになります。
生死の境目に至っては、つまり死生観も宗教観も大きく変化するように思いましたし、
まさにこれが人間いや動物としての本質なのだろうと思い至りました。
壮絶すぎる実話で、描写も非常に厳しいものになっていますが、
多くの方々に観ていただきたい、素晴らしい作品だと思います。
胸に突き刺さる
前知識無しで見たため、見終わってから実話を元にしたものと知り驚いた。
胸がドンとなるシーンが多かった。生に対する執着心、極限状態での人間の判断…自分が同じ場に遭遇したらどうするだろうと考える。
アンデスからは即刻助けを求めに行かねば!絆なんか不要さ!
こう言った場合、一人でいればこう言った。悲劇は起らない。1972年の悲劇をなぜ蒸し返すのか?そっとしてあげるべきだ。そう思うが。
1972年僕が中二病真っ盛りの時に知る。事故については、本年正月の件があるので触れない。
話は『15少年漂流記』ではなく『蠅の王』である。
この事故の事は良く覚えている。ウルグアイの平均年齢は75歳。あの国と同じだ。さて、彼らはまだ生きている。それとも、あの国と同じ様に75歳で
10万円貰って死んでいるのだろうか?
僕はこの事故が起きて『助かった』と聞いた時。助かる迄の時間が長かったしたので、真っ先に『カニバリズム』の事が頭に浮かんだ。『アンデスの英雄』と言われながら、悲惨過ぎる状況なので、真実の有無を抜きにして、中二病の合併症で僕の心のトラウマになった。以来この話に触れた事が無かった。
一昨年にアンデスではないが、エクアドルのカヤンベ山に行った時もこの件は頭で考えるのを忘れて登った。日本に戻ってこの映画の存在を知って、アンデスの惨劇を思い出した。だが見るに気にはならなかった。
だがしかし、昨年『子宮に沈める』と言う映画を見て、暫く振りに『カニバリズム』の件を思い出し、この映画を見る事にした。20歳そこそこの青年なので、彼らの行動をどうのこうのと言えないが、僕の年齢であれば、下山を試みる。ひたすら下山を試みる。それでこそ生きる為の試みをしたと言えるし、それで成功すれば本当の英雄にもなる。これが生き延びた苦労や努力と言うなら、『カニバリズム』をする勇気になってしまう。生き延びた人達を非難するつもりはないが、英雄ともてはやす事はしたくない。
『子宮に沈める』の鑑賞に付いてふれたが、取り残された姉は何も食べる物が無くなっても我慢をした。つまり、人間の本性は『カニバリズム』を許していないのだ。
何日間かして初めて下山を試みるが、それが間違いだと思う。
食欲に支配された状況で、愛とか絆は存在しない。食料を探し、分配した後即刻自由解散すべきである。こう言った場合、絆とか民主主義はあり得ない。独りで生き残る事を考えるべし。
絶対に食べたくないし、食われたくない。生き残れなくても、ひたすら、孤独をひた走りたい。
あと、41分、結承転転◯で、やっとこさ下山する気になるなり。勿論、越境と下山の2つルート取るべきだ。あと、30分。
全く緊張感の存在しない言い訳の様なストーリー展開。
ほらね。やっぱり。“おら”の判断は間違っていなかった。もっと早く出かけていれば、本当の英雄になれたと思う。
演出としては、ロザリオを首から下げたままの食事はすべきではないと思った。
『生きる』に対する尊嚴が、PLAN75を許す大和民族と同じになってしまっている。キリスト教のカトリック教徒では、代わりに『キリストが食される』わけだから、絶対的なタブー。それを『正当化する』若しくは『肯定的に描く事』は絶対的なタブーと思うが。
しかし、PLAN75で自己犠牲もやむを得ないとする民族が、何故生き抜く事に感動出来るのか?それが理解出来ない。少なくとも大和民族は、皆が『食べて欲しい』になると思っていた。
要はホロドモールの様な場合はどうするかだと思うね。人為的な飢餓をどうするか?だと思う。
もうひとこえ欲しかった
キャストの方々はもちろん、つくりも素晴らしかった。けれど『生きてこそ』を観たときほどの衝撃がなかった。同じ話なのだから新鮮さがないのは当然なのですが、何というか生きてこその方が味があって、それが生々しさや人間臭さをさらに倍増させていた気がする。完全に好みの問題だと思うけれど。。
「自分だったら」を突きつけられる
「極限状態」を標榜する映画は多々あるが、事故の描写、雪山の過酷さと飢餓への恐怖等、圧倒的な救いのなさで打ちのめされた。
あの中に放り込まれていたら、自分はどんな選択をしただろうか…。2時間半を超える長さで、静かなリアリティを持って迫ってくる画面を見ながら、幾度も「自分だったら」を突きつけられた。
このタイミングということもあり、観終わってからも、胸にズシンと重いものが残ったままの状態。
生きてこそ
1972年10月13日、ウルグアイのラグビー選手団を乗せチリに向かっていたチャーター機がアンデス山脈に墜落。72日間に及ぶ想像を絶するサバイバル…。
悲劇の事故であり奇跡の生還劇とも言われるこの実話は、1993年の『生きてこそ』や幾度も映画化やドキュメンタリーになっている。
今回スペインで(アメリカ・ウルグアイ・チリ合作)J・A・バヨナ監督が新たに映画化。
まだゴジラやドラえもんなどの映画しか見ていなかったあの頃、初めて見たと言っていい“実話サバイバル映画”が『生きてこそ』だった。なので、今でも印象に残っている。
それを新たに映画化するのだから、興味惹かれない訳がない。配信を楽しみにしていた。
一部劇場でも公開されているらしいが、劇場大スクリーンで見たかった…。
『生きてこそ』を見ていたので、事故の概要、そこで何があったか、生還まで分かっている。それでも見入ってしまう。
やはり事故~サバイバルが見所。それを製作側は分かっているようで、蛇足や冗長になりがちな導入部のドラマを極力省き(でも簡素に纏めている)、早々と展開。
アンデス上空に差し掛かった機。激しく揺れる。
ただの揺れじゃない。その恐怖と不安は的中した。
機はコントロール不能に。山に衝突し、機体は真っ二つに…。
機内の惨事。頑丈な座席は玩具を壊したかのように前方に押し出され、座っていた乗客のやわな身体などぺしゃんこ。
簡単に書いたが、それがどんな恐ろしい事か…。飛行機や電車の事故で、中でどんな惨状になっているか…。ふと、2005年の痛ましい脱線事故を思い出した。
多くの乗客が死亡。即死。
が、助かった者たちも。生死を分けたのは何なのだろう。座席の位置…? 運…?
墜落という惨事から生き残った彼らを待ち受けていたのは、別の惨事であった…。
極寒の雪山。身体を刺すような寒さが襲う。
墜落時の負傷。手当てもままならない。
サバイバル最大の難題。水と食糧。
水は雪から得られるが、食糧は…。備蓄もあっという間に底を付く。
人は水だけでも暫く生きられるというが、この場合状況が違う。寒さに体力が持たない。何か食べないと、皆…。
そうこうしてる内に、一人、また一人…と命を落としていく。
彼らが下した決断と選択は…。
かつて『生きてこそ』を見た時も衝撃だった。
死んだ人の肉を食べる。
何も極限状況下のサバイバルでの食人はこの事故だけじゃない。日本でも『ひかりこげ』という映画になった海難事故があった。
生きる為には仕方ないかもしれない。が、究極なまでに苦悩する。躊躇する。拒む。
意見が分かれる。
人が人を食べたら、人じゃなくなる。
後もう少し待とう。救助が来るかもしれない。
そんな倫理観や望みの無い期待を待っている余裕はない。
食べなきゃ死ぬんだ。生き残る為なんだ。
彼らは食す。が、徹底して拒む者も…。
私だったらどうだろう…?
食べられるか…? 食べたのがもし友人だったら、それに耐えられるか…?
この事故に於いて特に衝撃の出来事だが、それメインではない。
何としてでも生還する。
彼らの“生”へのヒューマン・ドラマになっている。
やはり若者たち。晴れた日には辺りを散策。自力での生還を試みる。
こんな状況下でも、自分やお互いを勇気元気付けるようにバカ話でもして笑い合う。
ある時、ヘリが。探してくれている。発見される。決してその望みを捨てない。
こういう時、地上からはヘリは見えるが、遥か上空のヘリのコクピットからは地上の豆粒のような人は分からないという。
結局救助のヘリは来ず…。
そして追い討ちを掛ける事が。
ラジオから、捜索打ち切りの報せ…。
これからここアンデスは捜索困難な季節にもなるが、もう彼らは生きてはいまい。死んだ可能性の方が高い。
それを聞いた彼らの絶望感…。
俺たちは、ここにいる。生きている。
それが見えない。聞こえない。
世界から見離されたも同然。
悲劇はまだまだ彼らを奈落の底に突き落とす。
晴れた日は外に出れるほど比較的穏やかだが、一転して吹雪の日は…。
忘れちゃいけない。ここは、極寒の雪山なのだ。
機内で押しくら饅頭のようにして寒さを堪え忍ぶ。
その時、不穏な轟音。
それは、雪崩だった。
機体を飲み込む。皆、雪の中に生き埋め。
何処まで彼らを苦しめるのか…?
この雪崩と生き埋めでまた多くが命を落とす。
すでに1ヶ月近く。何とかここまで生き延びたというのに…。
それでも、それでも、生存者は雪の中から這い出る。
死んでなるものか。
1ヶ月以上も過ぎた。
もう本当に限界。いやもう、限界もとっくに過ぎている。
ここでこのまま死んでいった者たちと同じく死んでいくのか…?
いつ再開されるか分からない救助を待つのか…?
いやそもそも、救助自体再開されるのか…?
現状を変える唯一の方法はやはりこれしかない。
自力での生還。
体力がまだある者がこの雪山を越え、西へ。チリを目指す。
もし、辿り着ける事が出来れば…。
無論、容易い事でも絶対的な望みもある訳ではない。
下手したら…。
でも、誰かが行くしかない。
決断した3人。出発。生存者の命を背負って。
残った者たちは3人に命を託して。
スマトラ沖地震を題材にした実話サバイバル×ヒューマン・ドラマの『インポッシブル』で名を上げたJ・A・バヨナ監督が本領発揮。
墜落時の緊迫感溢れるパニック描写、雪崩時の閉塞感、絶望的状況下のリアリティー…見る者を圧する臨場感と迫力の演出。
アンデスの雪山群。過酷で恐ろしくあるのに、スケールと景観にも魅せられる。
キャストは皆知らないが、アンサンブル熱演。
J・A・バヨナ監督のキャリアベストの一本。あの恐竜映画が代表作じゃない。
実に72日目。
乗員乗客45人の内、生還したのは16人。
半数以上が…。
それでも16人が生きて還ってきた。
夢にまで見た家族や恋人との再会。
果たせなかった死亡者や遺族の無念を忘れてはならない。
映画は生還と再会で一応のハッピーエンドとなるが、実際は食人が議論の的になったという。
何が一番重要か。そんなの誰でも分かる筈だ。
その揚げ足を取る輩がいるのも事実。
素直に喜べ。彼らの尊い命を。
印象的なナレーションは生存者ではなく、命を落とした友。
友たちに語り掛ける。
生き延びた理由は…? 意味は…?
それは当人たちにしか分からない。
生きていく上で見出だしていく。
見る我々も。
『雪山の絆』というタイトルも悪くないが、同題材の別映画のタイトルをレビュータイトルに。
生きてこそ。
本当にそうだと思う。この悲劇に見舞われた彼らにとっても、今を生きる我々にとっても。
生きてこそ。
2024年、早くもベストの一本に推したい。
今みてほしい作品のひとつ
年明けからいろいろなことが
ありすぎて悲しさと無力さに
心が折れかけてしまって、
心を守る選択として映画を何本か観た。
集中できなくて何度か止めてしまう
作品もあった中で、こちらだけは
引き込まれるように一気に完走した。
この作品のみんなの計り知れない精神力。
でもそれは必死で、本当の意味で必死に
強くあろうとしたからであって、
人間なんて本当はそこまで強くできていない。
いないからこそ、
彼らが最後まで行動し続けた姿に
涙が止まらなかった。
辛い現状と苦しい選択の連続は、
実話だと知らなければやりすぎだと思うほど。
いつなにがあってもおかしくないから、
せめて精神だけは養っておこうと思えた。
祈ること、募金をすること以上
なにもしないことが適切であることを認め、
これ以上なにもできないことを受け止め、
明日を迎える準備が整うことに感謝をし、
目覚めたらその日を大切に過ごすことが
わたしにできること。
心が折れてる場合じゃないなと
この作品に教えてもらった。
絆という言葉を安易に使用することが
あまり好みではなかったけれど、
彼らのことは絆としか表せないと感じた。
パンフレットがない点が厳しいが、それでもおすすめ以上
今年13本目(合計1,105本目/今月(2024年1月度)13本目)。
もともとネットフリックス契約者向けの作品のようで、この手の映画は映画館で見てもパンフレットなどないようです。
ただこのサイトを見てもちゃんと元になる事件名までは記述されているので、そこで予習していくかいかないかという点がまず分かれるのかな…という気がします。
かえって日本を見ると、飛行機事故も、いわゆる登山によるトラブルもどちらも見られますが、映画で描かれるような類型はあまり聞かず(ただ、趣旨としては理解できる)、ある程度類推してみることができるタイプの映画です。
映画のレーティングとしてはPG12で、一部に不穏当な描写・発言が出てくることによりますが、もっともこの映画をお子さんが見に行くのかというと微妙で、正直この事件自体も「調べればわかる」程度になっているので、そこをどう評価するかという点に大半つきるというところです。
なお、スペイン語放映ではありますが、実際には南米スペイン語である(スペイン語に関してある程度知識があればわかるし、そもそも「スペイン語」と「南米スペイン語」は別の字幕扱い)ことに注意です。
採点上特に差し引く要素まで見出せないのでフルスコア扱いとしています。
実話に基づく奇跡の物語
原題
La Sociedad de la Nieve
Society of the Snow
感想
構想から10年、アンデス山脈で起きた悲劇の全貌をJ•A•バヨナが映像化
遭難事故から36年後に執筆された著書を基に、生き残った者、そして生き残れなかった者たち、両者の姿を描く。
壮絶、壮大でした。
飛行機墜落はあっという間に機体がバラバラになり、後部座席が吹っ飛び仲間も消える、機内もぐちゃぐちゃになり、人間の骨の折れる音はキツかったです。
墜落後も極寒と飢餓。
次第に食料がなくなって遺体を食べるという…。しょうがないと思います、生きる為に…。
でも死者の肉で飢えを凌いでいたのが物議を醸すんですよね…。
雪崩が起きた時は絶望でした。
生き埋めになり、観てるだけでも息が詰まるような思いでした。
語り手で主人公だと思ってたヌマが死ぬなんて、最後の死亡者になるなんて思ってなかったです。
ナンド、ロベルトの遠征隊がタフでした、アンデスの山々も絶景でした。
72日間のサバイバル生活で生還できた人は本当に助かって良かったと思います!
※友のために命を捧げるほど偉大な愛はない
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