雪山の絆

劇場公開日:2023年12月22日

解説・あらすじ

「ジュラシック・ワールド 炎の王国」「永遠のこどもたち」のJ・A・バヨナ監督が14年ぶりに母国語であるスペイン語の映画を手がけ、1970年代にアンデス山脈で起きた遭難事故の実話をもとに描いた人間ドラマ。

1972年。ラグビー選手団を乗せてチリへ向かっていたチャーター機のウルグアイ空軍機571便が、アンデス山脈中心部の氷河に墜落した。乗客45名のうち生存者は29名。想像を絶する過酷な環境のなかに取り残された彼らは、生き延びるために究極の手段を取らざるを得ない状況に追い込まれていく。

事故機に搭乗していたラグビー選手団が所属するウルグアイのステラ・マリス学園に通っていた作家パブロ・ビエルチが事故から36年後に発表した著書を原作に、極限状態に置かれた人々の恐怖と葛藤、生への渇望と強い絆を描き出す。Netflixで2024年1月4日から配信。それに先立ち2023年12月22日から一部劇場で公開。第96回アカデミー賞で国際長編映画賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門ノミネート。

2023年製作/143分/PG12/スペイン・アメリカ・ウルグアイ・チリ合作
原題または英題:La sociedad de la nieve
配信開始日:2024年1月4日

その他の公開日:2023年12月22日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第96回 アカデミー賞(2024年)

ノミネート

国際長編映画賞  
メイクアップ&ヘアスタイリング賞  

第81回 ゴールデングローブ賞(2024年)

ノミネート

最優秀非英語映画賞  
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Netflix映画「雪山の絆」一部劇場にて12月22日(金)より公開 2024年1月4日(木)よりNetflixにて世界独占配信

映画レビュー

4.0 死者にも語りたいことがある

2024年2月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

昔、イーサン・ホーク主演の『生きてこそ』を観ていたことを思い出した。当時のハリウッドの商業映画なので、あんまりえぐい描写を持ち込まずに感動的なヒューマンドラマとして組み立てていたと記憶しているが、今度の作品は役者も無名の人ばかりで現地語のスペイン語で撮影し、過酷な状況を過酷なままに描き出すという方針で作っている。自然の脅威を強烈に打ち出し、人間の存在の小ささを思い知らされるというか、とにかく過酷な状況がずっと続く。最終盤で登場人物たちがガリガリに痩せているんだけど、あれはどこまで実際に痩せさせたうえで撮影したんだろうか。
死者の肉を食べて生き延びたことをどう描くかが、やはりポイントとなるが、敬虔なクリスチャンの多い遭難者がそれを語り合うシーンは見どころだ。神の教えに背いたことなのかどうかの議論を交わすその姿に、人にとって信仰とは何だろうかと考えさせてくれる。ああいう極限に陥った時こそ、信仰について人は最も深く考えるのだろう。
生存者ではなく死者にナレーションをやらせているのもいいアイデアだと思う。生き残った人々に注目しがちだが、これは生き残った人だけの物語ではないのだ。

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杉本穂高

4.0 雪山に投げ出されても屈しないラガーマンたち

2024年1月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

怖い

1972年10月13日、ウルグアイのラグヒーチームと家族、サポーター、友人、総勢45 人を乗せてウルグアイから遠征先のチリに向かったチャーター機が、悪天候の影響で尾根に激突し、氷河を滑り落ち、大破。"アンデスの悲劇"または"アンデスの奇跡"と呼ばれ語り継がれるこの航空機事故の詳細を描く映画は、雪の白さが太陽に反射して機体を見えなくしてしまったり、アンデス山脈のまるで波のうねりのような山々が捜索を困難にしたり、雪崩が襲いかかったり、生存者を飢えが苦しめたり、等々、絶望の連続過ぎて観ている側も息が絶え絶えになる。

しかし、ラガーマンたちは屈しない。大破して壊れた機体から機材を外してその中で過ごせる空間を作り上げた彼らは、外に吹き飛ばされた怪我人を運び入れ、遺体を搬出し、雪を溶かして飲み水にし、飢えを凌ぐために究極の決断を下し、落下地点にあるはずの無線を探して旅に出る。

これは、人間が死と向かい合う時に、どれだけ仲間を思いやり、そうすることで人としての尊厳を保つかという、プライドとサクリファイスについての物語。孤高のサバイバーを描いた作品にはない、チームワークの凄さが深く胸を打つ。

だからこそ、生還した16人の向こう側に散って行ったチームメイトの面影が浮かぶラストシーンでは、堪えていた涙が一気に溢れ出るのだ。

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清藤秀人

3.5 Survival at the Crudest Form

2024年1月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

Whenever you have a bad day, just remember, you weren't on an airplane that hit a mountain and sled down into a glacier crushing your friends and subsequently you had to live in subzero temperatures with just a jacket and then forced to eat your siblings and parents before buried under an avalanche and then finally after two months climb across the mountains with the hopes of finding a telephone.

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Dan Knighton

3.5 いったい何度絶望に悶えたのだろう

2025年11月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、その他

泣ける

怖い

Netflixで鑑賞
メイキングも視聴

メイキングは、普通に見れたけど
本編は何度か挫折しそうになった。
実話ベースの映画は基本的に好きだけれど
ここまで凄惨なのは、きつかった………

2ヶ月以上
白と黒と青の世界
凍てつく世界の中で、生物は自分たちだけ
標高4000mという過酷な環境
ようやく見つけたラジオだけが唯一の
文明と繋がる絆だった

何もやる事が無くて、暇ってだけで
かなり苦痛なのに
食料も水も環境も無く、娯楽もない
考えただけで恐ろしくなってくる

そんな中で、生き延びた人達の精神力は
どうやって培われたのか
やはり、タイトルにある『絆』なのだろう

有名でない役者、出来るだけ本人の
性格や精神に近い役者をキャスティングしたそうで
リアリティを追求した撮影だったそう

その役目をキャストが果たした感がある

ある意味、死を選ぶ方が楽だったのかも知れない
けれど、精神を病んで行く仲間もいる中
全員が生きる事を諦めなかった

必ず救助が来る

そう信じながらも
何度も絶望が襲いかかって来ただろう

喫煙、飲酒のシーンが何度もあったけど
なんか、酒とタバコがあって良かったと
心底思った
それくらいの救いがないと
やってられない
見ている方も、やってられない(笑)

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fool